MiniMax H3 は、約42GB のファイルを置けば、ComfyUI の公式テンプレートだけで音つきの動画を作れます。
文章や画像から、セリフ、効果音、BGM まで映像と一緒に作る動画モデルです(読みはミニマックス エイチスリー)。モデル本体のファイルが公開されている「オープンウェイト」なので、自分の GPU で動かせます。
ComfyUI(ポータブル版)に入れて最初の1本を作るところまでを、筆者の RTX 5090 で実際に動かした結果つきで説明します。試した環境、測定の条件、推測の部分は、末尾の「検証メモ」にまとめました。
この記事でできること
- ComfyUI に MiniMax H3 を入れて、文章や画像から最初の1本を作る
- VRAM と RAM の実測を見て、自分の PC で動かせそうか判断する
- 2種類のモデルの違いと、使う前に知っておきたいライセンスと提供地域を確かめる
所要時間:生成は、864×480・5秒の2回目以降で約61〜64秒でした。ComfyUI を起動して最初の1回は、モデルの読み込みのぶん長くなります。ファイルのダウンロードにかかる時間は測っていません。
MiniMax H3は音つきの動画を作るモデル
MiniMax H3 は、中国の MiniMax 社が公開した動画生成モデルです。モデル本体は 33B(330億)パラメータです(公式モデルカード)。公式の元データは FL2VA だけで約144GB あるので、ComfyUI では軽量化された Comfy-Org 版を使います。
公式モデルカードに書かれている主な仕様は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 動画の長さ | 4〜15秒 |
| フレームレート | 24fps |
| 音声 | 32kHz ステレオ(映像と同時に生成) |
| 解像度 | 短い辺 768px が既定 |
| 安定して使える言語 | 日本語を含む11言語 |
2種類のモデルがある(FL2VA と Ref2VA)
MiniMax H3 には、用途の違う2つのモデルがあります。設定で切り替えるものではなく、別々のファイルです。
| モデル | できること | ComfyUI のテンプレート |
|---|---|---|
| FL2VA | 文章から動画(T2V)、最初と最後のコマを指定して動画(I2V) | T2V / I2V |
| Ref2VA | 画像・動画・音声を参照して動画(R2V) | R2V |
T2V は Text to Video(文章から動画)、I2V は Image to Video(画像から動画)、R2V は Reference to Video(参照素材から動画)の略です。
ComfyUI の公式ガイドにも「R2V は ref2va を使い、T2V/I2V 用の fl2va ではない」と書かれています(ComfyUI 公式ドキュメント)。この記事では、まず FL2VA で T2V と I2V を動かします。R2V は実践編で扱います。
ローカル版とAPI版の違い
ComfyUI には、MiniMax のサービスを呼び出す「Partner Nodes(パートナーノード)」版もあります。こちらは MiniMax のサーバーで生成する有料の仕組みで、自分の GPU では動きません。この記事では扱いません。テンプレートの一覧では、王冠のマークが付いているものがこれにあたります。
MiniMax 公式の 2K 出力(H3-Regenerate-2K)は公開されておらず、公式は API で提供しています。NVIDIA の研究チーム(NVlabs)が公開したオープン版はOpen-H3-Regenerate-2Kで、公式版とは別のものです。直接生成では、ローカルで作れるのは短い辺 768px までです。
2026年10月28日に、ComfyUI の開発版(master)へ潜在アップスケール(画像に戻す前のデータのまま拡大する処理)が入り、768p で作った動画を 2K に仕上げられるようになりました(リリース版は未対応)。当サイトの実測はMiniMax H3を2Kにする方法にまとめています。
日本は対象地域、EU・英国・韓国・米国は対象外
MiniMax H3 は「MiniMax H3 Community License Agreement」で配布されています(ライセンス原文、2026年8月2日付)。
原文から読み取れる主な点は次のとおりです(11月1日時点)。
- 対象地域:全世界から「除外地域」を除いた範囲です。除外地域は EU・英国・韓国・米国です(第I条5)。日本は除外地域に入っていません。除外地域の人向けには申請フォームがあります。
- 対象地域外での利用:モデルや生成物を、対象地域の外で使ったり表示したりしてはいけないとされています(第V条4)。
事業で使う場合、年間売上が2,000万ドルを超える商用製品・サービスは、事前に MiniMax の許可が必要です(第IV条1)。商用の製品・サービスでは、画面上に「MiniMax H3」と目立つように表示することも求められています(第IV条2)。
生成物については、MiniMax は権利を主張しないとしています(第VI条4)。一方で、生成物を MiniMax H3 以外の AI モデルの改良に使うことは禁止で(第V条3)、公開するときは機械生成だとはっきり示すことが利用ポリシーで求められています(付属書A 12)。
商用利用は資料によって書き方が違う
商用利用については、ComfyUI 側の資料に別の書き方があります。
| 資料 | 書かれていること |
|---|---|
| ライセンス原文 | 対象地域内の利用は無償で許諾。年商2,000万ドル超は別途許可が必要。「商用」の定義は書かれていない |
| ComfyUI 公式ドキュメント | 「ローカルで生成した出力の商用利用には Comfy のライセンスが必要」という趣旨 |
| Comfy の MiniMax ライセンスページ(FAQ) | 「Community License は一般に、年商2,000万ドル以下で他の条件を守れば商用利用を認めている」という趣旨。同じページで Comfy は有料の商用ライセンスも販売している |
どちらが正しいかは、この記事では判断しません。商用で使う前に、必ずライセンス原文を自分で確認してください。
この記事に載せている動画は、すべて MiniMax H3 で生成した AI 生成動画です。
MiniMax H3に必要なVRAMとRAMはどれくらい?
ComfyUI で動かすときの最低 VRAM と RAM は、公式には公表されていません(MiniMax 公式のローカル導入ガイド)。VRAM は、グラフィックボードに載っているメモリのことです。
当サイトの実測(RTX 5090/RAM 128GB)
| 条件 | VRAM 最大 | RAM ピーク(ComfyUI) | 生成時間 |
|---|---|---|---|
| T2V 864×480・5秒・20ステップ | 30.41〜30.88GiB | 41.9〜42.5GiB | 61.3〜64.3秒 |
| T2V 1344×768・5秒・20ステップ | 30.94〜30.99GiB | 43.0GiB | 251.2〜256.3秒 |
| T2V 1344×768・5秒・Turbo 8ステップ | 30.10〜31.03GiB | 43.0〜43.3GiB | 106.5〜108.5秒 |
VRAM はどの条件でも 30.1〜31.1GiB まで使われ、32GB をほぼ使い切りました。RAM は、ComfyUI 本体のピークが 41.6〜43.7GiB で、PC 全体では約80GiB(動かす前は約38GiB)です。
VRAM が少ない環境を想定した簡易テスト
ComfyUI の起動オプション --reserve-vram で、RTX 5090 の VRAM のうち ComfyUI が使わない量を増やし、24GB・16GB の GPU に近い状態を想定して試しました。--reserve-vram は OS などのために VRAM を残しておく設定で、VRAM の容量そのものを制限する機能ではありません。VRAM 容量が少ない環境を想定した簡易テストで、実際の 24GB・16GB 搭載 GPU での動作を再現・保証するものではありません。
| 想定 | --reserve-vram の値 |
1344×768・5秒・Turbo の時間 | VRAM 最大 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 24GB 相当を想定 | --reserve-vram 7.85 |
2回目 102.8秒(起動直後の1回目 342.4秒) | 25.96GiB | 最後まで生成できた |
| 16GB 相当を想定 | --reserve-vram 15.85 |
2回目 102.9秒(起動直後の1回目 111.7秒) | 17.92GiB | 最後まで生成できた |
どちらも、制限なし(106.5〜108.5秒)とほぼ同じ時間で、1ステップあたりの時間も約12秒で変わりませんでした。同じ時間で済んだ理由の見立てと、実際の 24GB・16GB の GPU での見込みは、検証メモに書いています。
他のGPUの報告(自己申告)
Hugging Face の Comfy-Org/MiniMax-H3 のディスカッションに、他のユーザーが測った時間が投稿されています。当サイトの実測ではなく、自己申告の値です。
ディスカッション #59(T2V・5秒・864×480・20ステップ・int8、レンタルGPU):
| GPU | 生成時間(自己申告) |
|---|---|
| RTX PRO 6000 | 47秒 |
| H100 PCIe | 67秒 |
| RTX 5090 | 69秒/100秒(レンタル先による) |
| L40S | 89秒 |
| RTX 4090 | 92〜93秒 |
同じ投稿では、サンプリング中の VRAM は 31.8GB、RTX 4090 のマシンで RAM のピークが 68GB だったと報告されています。
12GB の RTX 3060 については、4ステップ用の Turbo LoRA を5ステップで使い、960×544 で動いたという報告があります(ディスカッション #41、自己申告)。一方で、RTX 3060 12GB で PC ごと固まるという issue も出ていて、11月1日時点で未解決です(ComfyUI #16946)。8GB 以下で実用になるかは、報告が割れていて未確認です。
GPU ごとの目安は ComfyUIに必要なPCスペックとVRAMの目安 に、RTX 5090 でのほかのモデルの速さは RTX 5090の生成速度を実測 にまとめています。
ComfyUIを準備する
MiniMax H3 の基本テンプレート(T2V/I2V/R2V)は、ComfyUI v0.30.0 以降で使えます(ComfyUI 公式ドキュメント)。当サイトでは v0.43.2(stable)で動かしました。
まだ ComfyUI を入れていない人は、先にポータブル版を入れてください。手順は ComfyUIの入れ方【Windows】 にあります。
すでに入っている人は、新しい版に更新してください。ポータブル版の更新には update フォルダの bat を使います。update_comfyui.bat は開発中の最新版に、update_comfyui_stable.bat は最新の安定版(タグ)に更新する bat です。
筆者は安定版の更新(update_comfyui_stable.bat と同じ処理)で v0.43.0 から v0.43.2 にしました。更新後も PyTorch は GPU 版(torch 2.14.0+cu130)のままでした。
更新のくわしい手順は ComfyUIのアップデート方法 を見てください。
MiniMax H3のモデルをダウンロードして置く
T2V と I2V に必要なファイルは次の5つです。すべて Hugging Face の Comfy-Org/MiniMax-H3 と lightx2v/Minimax-h3-Turbo から無料でダウンロードできます。
| 置くフォルダ(ComfyUI/models/ 以下) | ファイル名 | 容量(実測) | 役割 |
|---|---|---|---|
| diffusion_models | minimax_h3_fl2va_pruned_int8_convrot.safetensors | 20.97GB(20,970,379,616バイト) | 動画を作る本体(T2V/I2V用) |
| text_encoders | qwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq.safetensors | 15.69GB(15,687,142,551バイト) | プロンプトを読み取る部品 |
| vae | minimax_h3_video_vae_int8_convrot.safetensors | 2.81GB(2,811,065,184バイト) | 映像の圧縮・復元 |
| vae | minimax_h3_audio_vae_fp32.safetensors | 0.61GB(605,254,808バイト) | 音声の圧縮・復元 |
| loras | minimax_h3_fl2v_turbo_8step_v1.0_comfyui_bf16.safetensors | 1.96GB(1,956,193,000バイト) | 8ステップで速く作る Turbo 用 |
合計は約42GB(Turbo LoRA を除くと約40GB)です。容量は GB(10億バイト)単位で、Hugging Face の表示と同じです。ディスクに余裕を持たせておきましょう。
VAE は、画像や動画を小さく圧縮したり元に戻したりする部品です。LoRA は、あとから足す小さな追加学習ファイルです。
Turbo の LoRA は、Turbo を使わないときでもテンプレートが読み込もうとするので、最初から置いておくのがおすすめです(公式ドキュメントの説明)。当サイトでは5つとも置いた状態でテンプレートを開き、「モデルが見つからない」という表示は出ませんでした。

VRAM が少ない人のファイル選び
本体とテキストエンコーダーには、精度と容量の違う版があります。ファイル名の int8、fp8、nvfp4 などは量子化(モデルを軽くするために数値を粗くする方法)の種類です。
| 用途 | ファイル名に含まれる語 | 容量(HF表示) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 本体(基本) | pruned_int8_convrot | 20.97GB | まずはこれ(当サイトで使用) |
| 本体 | pruned_fp8_scaled | 20.96GB | int8 がうまく動かない場合 |
| 本体 | pruned_w6a8 | 15.98GB | 容量を減らしたい人(当サイト未検証) |
| 本体(品質重視) | pruned_bf16 | 40.23GB | VRAM・RAM に余裕がある人(当サイト未検証) |
| 本体(品質重視) | int8_convrot(pruned なし) | 34.04GB | 品質を優先したい人(当サイト未検証) |
| テキストエンコーダー(基本) | nvfp4_awq | 15.69GB | まずはこれ(当サイトで使用) |
| テキストエンコーダー | int8_convrot | 27.14GB | 当サイト未検証 |
| テキストエンコーダー | bf16 | 51.51GB | 当サイト未検証 |
GGUF 形式(量子化モデルの形式の一つ)は公式からは出ていません。Unsloth 版(unsloth/MiniMax-H3-GGUF、Q2_K 6.72GB〜Q8_0 21.4GB)がありますが、定番の ComfyUI-GGUF は11月1日時点で H3 に対応していません(ComfyUI-GGUF #471)。対応をうたうフォーク版もありますが、当サイトでは試していません。初心者の人は、まず公式の int8 版で試してください。
最初の1本を作る(T2V)
テンプレートを開く
ComfyUI を起動したら、左のメニューの テンプレート(Template Library) を開き、ビデオ(Video) を選びます。検索欄に「MiniMax H3」と入れると、H3 のテンプレートが並びます。「MiniMax H3:テキストから動画へ」が T2V です。カスタムノード(追加ノード)は要りません。



各ノードの設定
テンプレートを開いた直後の既定値は次のとおりでした(v0.43.2、テンプレート 0.11.100)。
| 項目 | 既定値 | 意味 |
|---|---|---|
| 解像度 | 16:9・0.4MP(864×480) | 動画の大きさ |
| 長さ | 5秒(124フレーム) | フレーム数は「17の倍数+5」に切り上げ |
| ステップ | 20(Turbo オンで 8) | 生成を繰り返す回数 |
| サンプラー/スケジューラー | res_multistep/simple | ノイズの消し方 |
| CFG | BasicGuider(CFG の入力欄がない=CFG 1 と同じ扱い。ネガティブプロンプトもなし) | プロンプトにどれだけ従わせるか |
| シード | 固定(fixed) | 乱数の種 |

本体のノードは「サブグラフ」(複数のノードを1つにまとめたもの)です。右上の四角いボタンで中を開くと、サンプラーの設定を見られます。

公式が「ネイティブ」としている解像度は 1344×768(16:9)です。幅と高さは32の倍数にします(公式プロンプトガイド)。

プロンプトを入れて実行する
プロンプトは英語で書きます。セリフ以外にも、環境音や効果音を書いておくと音が入ります。今回は人物の出ない「雨の夜のラーメン屋台」で試しました。使ったプロンプトは次のとおりです。
Realistic live-action food documentary look: a small wooden ramen stall at night in the rain, warm tungsten light, shallow depth of field, gentle steam, natural colors, no people visible.
Scene: a large pot of broth simmers on a gas burner, a ladle rests on its rim, noodles drop into boiling water, rain drips from the stall's cloth curtain onto the stone street, a red paper lantern sways in the wind.
Timeline:
[0s-1.5s] Close shot of the boiling broth, bubbles and rising steam.
[1.5s-3s] A bundle of noodles drops into the boiling water with a splash.
[3s-5s] Slow pull back revealing the stall, the lantern swaying, rain falling on the street.
Camera: slow steady dolly, no cuts.
Audio: rolling boil and bubbling, a soft splash when the noodles drop, steady rain on the cloth roof and the stone street, the hiss of the gas flame, distant thunder at 4s. No music, no voices.
No text, subtitles, logos or watermarks, no people, no hands, no cartoon rendering.
解像度は 1344×768(0.98MP)にして、「実行する」を押します。
生成時間は2回目から短くなる
| 条件 | 1回目(読み込み込み) | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 864×480・5秒・20ステップ | 117.0秒(解像度を変えた直後) | 61.3〜64.3秒 |
| 1344×768・5秒・20ステップ | 670.8秒(ComfyUI 起動直後) | 251.2〜256.3秒 |
ComfyUI を起動して最初の1回は、モデルをディスクから読み込む時間(今回は約6分)が含まれるので長くなります。1344×768 では1ステップあたり約12秒でした。
Turboで速く作る(8ステップ)
T2V テンプレートの turbo_mode をオンにすると、Turbo LoRA を使って 8ステップで生成します。公式は「速くなるが、動きと音がやや甘くなる」と説明しています。
| 条件 | 通常(20ステップ) | Turbo(8ステップ) |
|---|---|---|
| 864×480・5秒 | 61.3〜64.3秒 | 30.1秒 |
| 1344×768・5秒 | 251.2〜256.3秒 | 106.5〜108.5秒 |
同じプロンプト・同じシードでも、通常と Turbo では構図が別の動画になりました。どちらも「沸騰する鍋 → 麺を入れる → 引いて屋台全体」という流れはなぞっています。ちょうちんに意味のない文字が出るのは両方とも同じでした。この1組を見た範囲では、Turbo のほうがコントラストが強めに見えました(1組だけの比較です)。
画像から動画を作る(I2V)
I2V テンプレート(「MiniMax H3:画像から動画へ」)では、最初のコマ(first_frame)だけ、または最初と最後のコマ(last_frame)の両方を画像で指定できます。
公式ドキュメントによると、次の点に注意が必要です(ComfyUI 公式ドキュメント)。
- I2V テンプレートは 1:1・0.4MP(640×640)で開きます。入れる画像に合わせて比率を変えてください。
- first_frame は縦横比を保たずに引き伸ばされます。画像と動画の比率をそろえましょう。
- last_frame は中央で切り抜かれます。

今回は、当サイトのオリジナルキャラクター「神楽坂すず」の縦長の画像を使い、解像度セレクターを 2:3・0.4MP(544×800)にしました。
| 条件 | 生成時間 | VRAM 最大 | RAM ピーク(ComfyUI) |
|---|---|---|---|
| I2V 最初のコマのみ(544×800・5秒・20ステップ) | 100.2秒 | 30.92GiB | 42.0GiB |
| I2V 最初と最後のコマ(同) | 94.4秒 | 30.93GiB | 42.0GiB |
どちらも、顔、髪、着物の柄は入力画像のまま保たれていました。最初と最後のコマを指定したほうは、最後のコマが指定した画像と同じになり、途中で目を閉じてほほえむ動きが入りました。
解像度・長さ別の生成時間
| 解像度 | 長さ | 通常(20ステップ) | Turbo(8ステップ) |
|---|---|---|---|
| 864×480 | 5秒 | 61.3〜64.3秒 | 30.1秒 |
| 864×480 | 10秒 | 186.9秒 | 162.6秒 |
| 864×480 | 15秒 | 345.5秒 | 185.5秒 |
| 1344×768 | 5秒 | 251.2〜256.3秒 | 106.5〜108.5秒 |
| 1344×768 | 10秒 | 839.9秒 | 351.6秒 |
| 1344×768 | 15秒 | 1,756.6秒(約29分) | 744.6秒(約12分) |
すべてモデル読み込み後の時間です。10秒と15秒は各1回の測定です。動画を長くすると、時間は長さに比例する以上に増えます(1344×768 の1ステップは、5秒で約12秒、10秒で約41秒、15秒で約87秒)。1344×768・15秒は通常で約29分かかるので、まず 864×480・5秒で中身を確かめてから長くするのがおすすめです。
864×480・10秒の Turbo(162.6秒)は、通常(186.9秒)とあまり変わりませんでした。ログの内訳は検証メモに載せています。
起動直後に起きやすいエラー
| 症状 | 原因・報告 | 対処 |
|---|---|---|
| ノードが赤くなる | ComfyUI が古い | v0.30.0 以上に更新する |
| モデル一覧にファイルが出ない | 置いた後に再読み込みしていない | ComfyUI を再起動する |
| メモリ不足(OOM)で止まる | VRAM・RAM 不足 | 解像度や秒数を下げる、Turbo を使う、pruned 版を使う |
| とても遅い・動かない(当サイトで経験) | ほかのアプリ(ローカル LLM や別の ComfyUI)が VRAM を使っていた(測定前に 32GB 中 28.8GB 使用中) | H3 を動かす前に、VRAM を使うアプリを閉じる |
表のいちばん下は、筆者の測定で実際に起きたことです。測定を始めるとき、ローカル LLM と別の ComfyUI が VRAM を 28.8GB 使っていました。H3 は VRAM をほぼ使い切るので、この2つを閉じてから測っています。
ComfyUI のエラーで止まったことは、一度もありませんでした(32回の生成で失敗0回)。
ほかのエラーやカスタムノードは、実践編にまとめています。VRAM 不足の一般的な対処は ComfyUIでVRAMが足りないときの対処法 を見てください。
よくある質問(FAQ)
Q. MiniMax H3 は VRAM 16GB でも動きますか?
当サイトでは、RTX 5090 で --reserve-vram 15.85 を指定して VRAM が少ない環境を想定した簡易テストを行い、1344×768・5秒・Turbo が最後まで生成できました(102.9秒)。実際の 16GB 搭載 GPU での動作を再現・保証するものではありません。
Q. 音声なしで作れますか?
公式テンプレートには、音声を作らない設定はありませんでした(当サイトで確認)。音声なしで作る方法は、当サイトでは確認していません。
Q. 日本語のプロンプトでも動きますか?
公式プロンプトガイドは英語で書くよう案内しています。セリフの言語は日本語を含む11言語に対応しています。
Q. MiniMax H3 は商用利用できますか?
資料によって書き方が違うため、この記事では断定しません。ライセンス原文を自分で確認してください。EU・英国・韓国・米国はライセンスの対象地域外です(11月1日時点)。
Q. 1回目の生成がとても遅いのはなぜですか?
ComfyUI を起動して最初の1回は、合計約40GB のモデルを読み込む時間が入るためです。当サイトでは 1344×768・5秒の1回目が 670.8秒、2回目以降は約251〜256秒でした。
Q. Wan 2.2 とどう違いますか?
いちばん大きな違いは、MiniMax H3 は音声も同時に作れることです。Wan 2.2 の導入はWan 2.2 の使い方で説明しています。
Q. Pika H3 Flex は何に使うものですか?
MiniMax H3 に重ねて使う、6ステップで作るための LoRA です。当サイトの実測は Pika H3 FlexをComfyUIで動かす にまとめています。
使ったワークフロー
この記事で使ったワークフローです。ComfyUI 公式テンプレートの、プロンプトと解像度だけを変えたものです。ComfyUI の画面にドラッグすると読み込めます。モデルのファイルは上の表のとおりに置いてください。
- MiniMax H3 テキストから動画(1344×768)(.json)ComfyUI 0.30.0 以上・ラーメン屋台のプロンプト入り
- MiniMax H3 画像から動画(縦長 2:3)(.json)ComfyUI 0.30.0 以上・画像は自分のものに差し替え
- MiniMax H3 参照から動画(.json)ComfyUI 0.30.0 以上・使い方は実践編
まとめ
- ComfyUI ポータブル版を更新する(v0.30.0 以上。当サイトは v0.43.2)
- 5つのファイルを指定のフォルダに置く(合計約42GB)
- テンプレート > ビデオ の「MiniMax H3:テキストから動画へ」を 864×480 で動かしてみる
まずは公式テンプレートだけで試すのがおすすめです。セリフの書き方、R2V、エラー対処、カスタムノードは 実践編 で説明しています。画像の生成と編集はP-H3-Image の記事、6ステップで速くする方法はTurbo LoRA の記事にあります。
検証メモ
試した環境は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| GPU | NVIDIA GeForce RTX 5090(VRAM 32GB)、ドライバ 621.01 |
| CPU / RAM | AMD Ryzen 9 9950X3D / 128GB |
| OS | Windows 11 Home |
| ComfyUI | ポータブル版 v0.43.2(stable)、torch 2.14.0+cu130、カスタムノードなし |
| 起動オプション | --windows-standalone-build --port 8194 --listen 127.0.0.1 --disable-auto-launch(速くするための追加オプションなし) |
| テンプレート | ComfyUI 公式テンプレート(comfyui-workflow-templates 0.11.100) |
| 検証日 | 2026年11月1日 |
- 他の人の数値:他の人が報告した数値は「自己申告」と書いています。当サイトの実測ではありません。
- VRAM と RAM の読み方:VRAM の値は GPU 全体の使用量で、Windows の画面表示のぶん(測定前で約2.4GB)も含みます。GiB は 1024³ バイト単位で、1GiB は約1.07GB です。RAM 64GB の PC では余裕が少ない可能性があります(推測)。
- 簡易テストの見方:時間が変わらなかったのは、VRAM に入りきらない分を RAM に置いて、必要なときに GPU へ送りながら動いているためと考えられます(推測)。GPU の速さや RAM の量は RTX 5090 の PC のままなので、実際の 24GB・16GB の GPU では、もっと時間がかかるはずです(推測)。VRAM が少ない人ほど、RAM の量が大事になりそうです(推測)。
- 起動直後の1回目の差:342.4秒と111.7秒の差は、モデルのファイルが Windows のファイルキャッシュ(RAM)に残っていたかどうかの違いと考えられます(推測)。
- 864×480・10秒の Turbo:ログを見ると、このときモデルの読み込みは入っておらず、サンプラーの1ステップの時間が長くなっていました(Turbo 18.62秒×8ステップ=約149秒、通常 8.52秒×20ステップ=約170秒。表の全体との差の約14〜16秒は、サンプラー以外の処理です)。1ステップが長くなった理由は確認できていません(1回だけの測定です)。15秒の Turbo(185.5秒)は 22.14秒×8ステップ=約177秒で、10秒との差が約23秒しかないのは、10秒の1ステップがこのように長かったためです。
- I2V の時間:最初のコマだけの1回目は、別の作業が同じ ComfyUI のモデルを外したために読み込みが入り、455.5秒かかりました。表の100.2秒は取り直しの値です。最初と最後のコマを指定した回(94.4秒)が、最初のコマだけの回(100.2秒)より速かった理由は確認できていません。
参考リンク
- 公式:MiniMaxAI/MiniMax-H3(モデルカード)
- 公式:MiniMax H3 Community License Agreement
- 公式:MiniMax ローカル導入ガイド
- 公式:ComfyUI 公式ドキュメント(MiniMax H3)
- 公式:ComfyUI 公式ドキュメント(ネイティブ版)
- 公式:ComfyUI 公式プロンプトガイド
- 公式:Comfy-Org/MiniMax-H3(ComfyUI用ファイル)
- 公式:lightx2v/Minimax-h3-Turbo
- 公式:Comfy の MiniMax ライセンスページ
- コミュニティ(自己申告):Comfy-Org/MiniMax-H3 ディスカッション #59
- コミュニティ(自己申告):同 #41
- コミュニティ:ComfyUI issue #16946
- コミュニティ:ComfyUI-GGUF issue #471
- コミュニティ:unsloth/MiniMax-H3-GGUF

