ComfyUI のポータブル版は、フォルダをまるごとコピーしてから update_comfyui_stable.bat を実行すれば、安全に更新できます。
この記事を読むと、3つある更新用ファイルの違いと、更新後にカスタムノードが動かなくなったときの切り分け方がわかります。手順はバージョンに関係なく使えるものです。
アップデートでよく聞くのが「カスタムノードが使えなくなった」というトラブル。そこで筆者は、カスタムノードを7つ入れた試験用のポータブル版を用意し、実際に更新してみました(検証時点:v0.42.1→v0.43.0(2026年10月))。試した環境と、結果が当てはまる範囲は、末尾の「検証メモ」にまとめています。
v0.42.1 から v0.43.0 の更新は、新モデル対応・新ノード・画面の更新が中心
変更点は、GitHub の公式のリリースノートから、読者に関係が深そうなものを選びました。検証時点は2026年10月で、間に挟まる版の扱いは検証メモに書いています。
| 分類 | おもな変更(リリースノートより) |
|---|---|
| 新しいモデルへの対応 | MOSS-Image の機能追加(色・深度による制御 #17206、編集用 LoRA #17296、専用のマージノード #17349、メモリの使用量を少し削減 #17338)、FIBO 2.0 に対応 #17240 |
| 既存モデルの改善 | MiniMax-H3 で単一ヘッドの LoRA が使えるように #17239、Gemma 4 31B の不具合修正 #17220、Qwen 3.x の高速化 #17273 |
| 新しいノード | Pad Image(画像のまわりに余白を足す)#17224、Branch(処理の分岐)#16383 |
| メモリ・速度 | Comfy-Aimdo 0.6.0 と、VRAM の使い方の改善 #17274、AMD GPU で VAE に PyTorch attention を有効化 #17271 |
| 画面(フロントエンド) | comfyui-frontend-package を 1.57.4 に更新 #17329 |
| Partner Nodes(有料の外部サービス) | Kling 4.0、FLUX 3 Max、PixVerse V6-Max などのノードを追加。これらは外部の有料サービスを呼び出すノードで、手元の GPU で動くモデルではありません |
| その他 | Pillow(画像処理の部品)の最低バージョンを指定 #17249、ワークフローのテンプレートを更新 |
筆者の試験用の環境では、更新の前後で、使えるノードの数が 1,487 から 1,517 に増えました(カスタムノード7つを入れた状態で数えた値)。画面の部品(フロントエンド)は 1.55.18 から 1.57.4 になりました。
迷ったら update_comfyui_stable.bat で更新する
ポータブル版には、ComfyUI_windows_portable\update フォルダに更新用のファイルが3つ入っています。公式ドキュメントと、更新用のプログラム(update.py)の中身を読んで、違いをまとめました。
| ファイル | 何をするか | 使いどころ |
|---|---|---|
| update_comfyui_stable.bat | 最新の安定版(v0.43.0 のようなリリース)に更新する | 迷ったらこれ |
| update_comfyui.bat | 最新の開発版(GitHub の master の最新)に更新する。リリースより新しい、まだ安定版になっていない変更も入る | 新しい機能をすぐ試したいとき |
| update_comfyui_and_python_dependencies.bat | ComfyUI に加えて、Python の部品をすべて入れ直す | 公式が「危険」と注意している。ふだんは使わない |
公式ドキュメントでは、開発版(nightly)は「最新の機能が使えるが、問題が起きることもある」、安定版(release)は「開発版より遅れるが、安定している」と説明されています。今回の試験の時点では、開発版の最新と v0.43.0 は同じものでした。日がたつと、開発版のほうが先に進みます。
手順
- ComfyUI を閉じる(起動している黒い画面も閉じる)
- ポータブル版のフォルダをまるごとコピーしておく(次の章を参照)
updateフォルダのupdate_comfyui_stable.batをダブルクリックする- 「Done!」と出て、「続行するには何かキーを押してください」と出たら終わり。キーを押して閉じる
- いつもどおり
run_nvidia_gpu.batで起動し、黒い画面に出る「ComfyUI version」で版を確かめる

今回の試験では、更新用のファイルは次のことを自動でしていました。
- 更新用のプログラム自体を新しいものに入れ替えて、もう一度実行する
- ComfyUI の画面の部品(comfyui-frontend-package)やテンプレートなど、必要な部品を新しい版に入れ直す
- 更新前の状態を「backup_branch_日付」という名前で残してから、新しい版に切り替える
「backup branch」は、Git という仕組みで更新前の状態を残したものです。ただ、ここから元に戻すには Git の知識が要るうえ、カスタムノードや Python の部品は元に戻りません。この記事では、ここから戻す手順は試していません。初心者には、次のフォルダのコピーのほうが確実です。

更新の前に、フォルダをまるごとコピーする
ポータブル版のいちばんの強みは、フォルダをコピーするだけで丸ごと保存できることです。更新でおかしくなっても、コピーしておいたフォルダの run_nvidia_gpu.bat を使えば、更新前の状態で動かせます。
- いちばん確実なのは、
ComfyUI_windows_portableフォルダを丸ごと別の名前でコピーすること(例:ComfyUI_windows_portable_0.42.1) - モデルが大きくてコピーしきれないときは、少なくとも
ComfyUI\custom_nodes(カスタムノード)とComfyUI\user(保存したワークフローや設定)をコピーしておく - 更新前に一度起動して、黒い画面の表示をメモ帳に貼って保存しておく。更新後に「前から出ていたエラーか、新しく出たエラーか」を比べられる
筆者は、用途ごとにポータブル版のフォルダを分けて使っています(ComfyUI の入れ方を参照)。いちばん大事な環境はすぐに更新せず、試験用のフォルダで先に試すと安心です。
更新するとカスタムノードは壊れるのか?
今回の7つは、更新後も全部読み込めた
| 確かめたこと | 更新前(0.42.1) | 更新後(0.43.0) |
|---|---|---|
| 7つのカスタムノードの読み込み | 7つとも読み込めた | 7つとも読み込めた(IMPORT FAILED なし) |
| 使えるノードの数 | 1,487 | 1,517 |
| 画面の部品(フロントエンド) | 1.55.18 | 1.57.4 |
| Illustrious XL v2.0 で1枚生成 | できた | できた |
今回の組み合わせでは、更新でカスタムノードが壊れることはありませんでした。この結果が当てはまる範囲は、検証メモに書いています。
また、更新の前からも後からも、KJNodes の読み込みのときに「triton がない」という英語のエラーが出ていました。これは KJNodes の一部の機能(PatchTritonVAE)が使う部品が入っていないという知らせで、ほかのノードは読み込めていました。エラーに見える表示が、更新とは関係なく前から出ていることもあるので、更新前の表示を保存しておくと比べやすくなります。
なぜカスタムノードが壊れるのか(公式の説明)
ComfyUI の公式ドキュメントでは、カスタムノードの問題はおもに次の2つに分けて説明されています。
- 画面(フロントエンド)の拡張との相性:画面に手を加えるカスタムノードが、ComfyUI の画面の更新に追いついていない。公式は、このタイプの問題がいちばん多いとしている。画面が開かない、ボタンが効かない、といった形で出る
- Python の部品(依存関係)の衝突:カスタムノードが使う部品の版と、ComfyUI が使う部品の版が合わない。起動時の読み込み失敗(IMPORT FAILED)などの形で出る
作者が更新をやめたカスタムノードは、ComfyUI の更新についていけなくなることがあると、公式ドキュメントにも書かれています。また、update_comfyui_and_python_dependencies.bat は Python の部品をすべて入れ直すため、特定の版の部品に頼っているカスタムノードを壊すことがあると、公式が注意しています。
おかしくなったら、カスタムノードを全部止めて切り分ける
- 起動したときの黒い画面で、「Import times for custom nodes」の一覧を見る。読み込めなかったカスタムノードには (IMPORT FAILED) と付く
run_nvidia_gpu.batをコピーして、最後に--disable-all-custom-nodesを足したファイルを作り、カスタムノードを全部止めて起動する(公式の方法)。これで直れば、原因はカスタムノード- どのカスタムノードが原因か分からないときは、半分ずつ有効にして試す(公式は「二分探索」と呼んでいる)。
--whitelist-custom-nodesを使うと、全部止めた状態から指定したものだけを読み込める - 原因が分かったら、そのカスタムノードを更新する。直らなければ、作者の GitHub の Issues を見るか、使うのをやめる
- どうしても直らないときは、コピーしておいたフォルダに戻す
カスタムノードを全部止めて起動するためのファイルの中身は、次のとおりです(公式ドキュメントの例と同じ)。
.\python_embeded\python.exe -s ComfyUI\main.py --disable-all-custom-nodes --windows-standalone-build
カスタムノードのほかに起きやすいこと
- 新しいモデルのテンプレートが使えない:新しいモデルは、ComfyUI を新しくしないと動かないことがある。公式のテンプレートの説明でも、うまく動かないときは「まず ComfyUI を更新して」と案内されている
- 画面の見た目やボタンの場所が変わる:画面の部品(フロントエンド)は、ComfyUI 本体とは別の部品として更新される。今回の更新でも 1.55.18 から 1.57.4 に上がった
- 部品の更新が足りない:公式ドキュメントでは、コードだけ新しくして Python の部品が古いままだと、うまく動かないことがあると注意している。ポータブル版の更新用ファイルは、必要な部品も一緒に入れ直していた
Anima が動かないときのエラーの見方は、ComfyUIでAnimaが動かない・生成できない原因と解決方法にまとめています。
RTX 5090 以外の GPU でも、手順は同じ
アップデートの手順は、GPU の種類にかかわらず同じです。v0.43.0 には、AMD GPU で VAE に PyTorch attention を有効にする変更も入っています。ただ、筆者の手元には RTX 5090 しかないため、ほかの GPU での動きは試していません。今回の更新で、VRAM の使い方が変わったかどうかも測っていません。
よくある質問(FAQ)
Q. ComfyUI の最新バージョンは?
最新の版は短い間隔で変わるので、GitHub の Comfy-Org/ComfyUI のリリースのページで確かめてください。この記事の検証時点(2026年10月27日)の最新の安定版は v0.43.0 でした。
Q. ComfyUI ポータブル版はどうやってアップデートしますか?
ComfyUI を閉じてから、update フォルダの update_comfyui_stable.bat をダブルクリックします。最新の安定版に更新され、必要な部品も入れ直されます。更新の前に、ポータブル版のフォルダをコピーしておくと安心です。
Q. update_comfyui.bat と update_comfyui_stable.bat の違いは?
update_comfyui.bat は GitHub の最新の開発版に、update_comfyui_stable.bat は最新の安定版(リリース)に更新します。迷ったら安定版の update_comfyui_stable.bat を使ってください。
Q. アップデートでカスタムノードが使えなくなりました
起動時の黒い画面で「(IMPORT FAILED)」が付いているカスタムノードを探します。--disable-all-custom-nodes を付けて起動して直れば、原因はカスタムノードです。半分ずつ有効にして原因を絞り、そのカスタムノードを更新するか、使うのをやめてください。直らないときは、更新前にコピーしたフォルダに戻します。
Q. アップデートすると必ずカスタムノードが壊れますか?
必ずではありません。筆者が 0.42.1 から 0.43.0 に更新した試験では、7つのカスタムノードはすべて読み込めました。ただし、カスタムノードの種類や版、更新の幅によっては問題が起きることがあります。
Q. update_comfyui_and_python_dependencies.bat は使っていいですか?
ふだんは使わないでください。公式ドキュメントでは、Python の部品をすべて入れ直すため、特定の版の部品に頼っているカスタムノードを壊すことがあると注意されています。
まとめ
- 検証時点:v0.42.1→v0.43.0(2026年10月)。ポータブル版は update_comfyui_stable.bat で最新の安定版に更新し、その前にフォルダをまるごとコピーしておく
- 今回の試験では、7つのカスタムノードはすべて更新後も動いた
- おかしくなったら、IMPORT FAILED を探し、
--disable-all-custom-nodesで切り分ける
検証メモ
- 試した環境:2026年10月27日。Windows 11 / GeForce RTX 5090(VRAM 32GB)。試験用に、ComfyUI 0.42.1 の公式ポータブル版を新しいフォルダに解凍し、v0.43.0 へ更新しました。ふだん使っている環境は更新していません。
- 入れたカスタムノード:筆者の別の環境に入っているものの写しで、rgthree-comfy、ComfyUI-KJNodes、ComfyUI-Impact-Pack、ComfyUI-Impact-Subpack、ComfyUI-GGUF、ComfyUI_UltimateSDUpscale、cg-use-everywhere の7つです。
- 結果の範囲:「壊れなかった」のは、この7つと v0.42.1 → v0.43.0 の更新での結果です。カスタムノードの種類や版、更新の幅(何か月ぶりの更新か)が変われば、問題が起きることがあります。
- 間の版:公式の変更履歴では、v0.42.1 と v0.43.0 の間に v0.42.2〜v0.42.4 が載っていて、v0.43.0 にはそれらの変更も含まれています。GitHub のタグには、変更履歴に載っていない v0.42.5(2026年10月23日)もありました。中身はパートナーノード(Meshy・PixVerse・Bria・Ideogram)の追加とワークフローテンプレートの更新で、これらも v0.43.0 のリリースノートに含まれます。

