ComfyUIでネガティブプロンプトが効かない原因はCFG 1|Anima TurboとNAGで検証【2026年版】

ComfyUIでネガティブプロンプトが効かない原因はCFG 1 ComfyUI

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紹介しているソフトはすべて無料で入手できるものです。

ネガティブプロンプト(描いてほしくないものを書く欄)に何を書いても絵が変わらないときの原因は、CFG(プロンプトに従わせる強さ)が 1 になっていることです。

Anima Turbo のような「少ないステップで描く速いモデル」を公式のおすすめどおりに使うと、この状態になります。

この記事でできること

  • ネガティブが効かない原因を CFG の値で見分ける
  • Turbo で描いてほしくないものを減らす書き方を選ぶ
  • ネガティブで消したいときのモデルを選ぶ

ComfyUI の中の計算をコードで確かめたうえで、Anima Turbo を使って同じシード(乱数の種)で何パターンも描き比べました。CFG を上げる方法、ComfyUI に標準で入っている NAG(Normalized Attention Guidance)ノード、通常版の Anima(Base)とも比べています。試した環境と共通のプロンプトは、末尾の「検証メモ」にまとめました。

先に結論(今回のテスト条件で)

CFG 1 のとき、ComfyUI はネガティブプロンプトを計算に使いません(ComfyUI のコードで確認)。実際に、ネガティブを空にしたときと1画素も違わない同じ画像になりました(3種類のネガティブ×シード5つ=15組すべて)。

Anima Turbo の公式のおすすめは CFG 1 なので、Turbo ではネガティブに nsfw などを書いても効いていません。年齢の区分は、ポジティブ(描いてほしいもの)の safe タグで指定します。

通常版の Anima(Base、CFG 4)ではネガティブが効きました(首元のリボン:5枚中3枚 → 0枚)。

Turbo で CFG を 2〜3 に上げたり、NAG ノードを使ったりすると、ネガティブは計算に入るようになりますが、今回のリボンは消えませんでした(どれも5枚中2〜3枚のまま)。CFG 3 では絵が暗く、濃くなりました。

ネガティブでしっかり消したいなら、Turbo ではなく Base を使うのが今回の結果ではいちばん確実でした。

なぜ CFG 1 だとネガティブが効かないのか

画像生成のモデルは、1ステップごとに「ポジティブに従ったときの予想」と「ネガティブに従ったときの予想」の2つを計算し、その差を CFG の倍率で広げて絵を作ります。式で書くと次のとおりです(ComfyUI の comfy/samplers.py の cfg_function)。

結果 = ネガティブの予想 + (ポジティブの予想 − ネガティブの予想) × CFG

CFG が 1 だと、ネガティブの予想が打ち消し合って「結果 = ポジティブの予想」になります。ネガティブは最終的な絵に影響しません。

さらに ComfyUI は、CFG が 1 のときはネガティブの計算そのものを省きます(sampling_function の中で、CFG が 1.0 ならネガティブ側を None にする処理。計算が約半分になるので速くなります)。つまり、CFG 1 ではネガティブ欄は読み込まれるだけで、使われていません。

なぜ Turbo は CFG 1 なのか

Anima Turbo のような「蒸留(distill)」されたモデルは、少ないステップと CFG 1 でちょうどよく描けるように作られています。Anima の公式のモデルカードも、Turbo は「CFG 1、8〜12 ステップ」で使うよう書いています。CFG 1 で速く描ける代わりに、ネガティブは使えない。そういう交換条件です。

検証1:CFG 1 では、ネガティブを書いても同じ画像になる

Anima の公式のおすすめに nsfw を足した「標準のネガティブ」を入れたときと、空にしたときを比べました。

nsfw, worst quality, low quality, score_1, score_2, score_3, artist name, blurry, jpeg artifacts, chromatic aberration
Anima Turbo CFG1 でネガティブなしと標準のネガティブありを5シードずつ並べた比較。上下がまったく同じ
上:ネガティブなし/下:標準のネガティブあり(左からシード 11〜55)。上下は1画素も違わない

見た目が同じなだけでなく、画像の画素を比べても5組すべて完全に一致しました(ファイルに埋め込まれるプロンプトの文字だけが違います)。ネガティブを「bowtie, bow, neck ribbon, ribbon」(リボン)や「red」(赤)に変えても同じで、合わせて15組(3種類×5シード)すべてが一致しました。

CFG1 でネガティブにリボンを入れても、首元のリボンがそのまま残っている比較
ネガティブに「bowtie, bow, neck ribbon, ribbon」を入れても、リボンは5枚中3枚のまま(画像も同一)

Turbo で nsfw をネガティブに入れている人へ

CFG 1 では、ネガティブの nsfw は効いていません。今回の画像はすべて全年齢向けの内容でしたが、これはポジティブの safe タグやプロンプトの内容によるものです。全年齢向けにしたいときは、ポジティブに safe を必ず入れてください(Anima の公式の説明では、安全タグはポジティブとネガティブの両方で使うよう勧めています。ネガティブ側を効かせたいなら CFG を 1 より大きくできる Base を使います)。

検証2:通常版の Anima(Base)ならネガティブが効く

比べるために、CFG を使う前提の通常版 Anima Base v1.0(30 ステップ・CFG 4)で、ネガティブにリボンを入れたときと空のときを比べました。

Anima Base CFG4 でネガティブにリボンを入れると首元のリボンが消えた比較
上:ネガティブなし(リボン 5枚中3枚)/下:ネガティブ=リボン(5枚中0枚)

ネガティブなしではシード 22・44・55 の3枚に首元のリボンがありましたが、ネガティブにリボンを入れると5枚とも消えました(セーラー服のスカーフは残りました。スカーフは bow ではないためと考えられます)。CFG が 1 より大きいモデルでは、ネガティブがふつうに働きます。

検証3:Turbo の CFG を 2〜3 に上げると?

Turbo のまま CFG を 2 と 3 に上げて、同じようにリボンをネガティブに入れました。CFG が 1 より大きいので、ネガティブは計算に使われます(画像も変わりました)。

Anima Turbo を CFG3 にしてネガティブにリボンを入れた比較。リボンは残り、全体に暗く濃くなっている
Turbo・CFG 3。上:ネガティブなし/下:ネガティブ=リボン。リボンは消えず、絵は CFG 1 より暗く濃い
条件首元のリボン(5枚中)1枚の時間(平均)
Turbo CFG 1・ネガなし3枚約2.0秒
Turbo CFG 1・ネガ=リボン3枚(画像は同一)約1.8秒
Turbo CFG 2・ネガなし → ネガ=リボン2枚 → 2枚約2.8秒
Turbo CFG 3・ネガなし → ネガ=リボン2枚 → 3枚約2.5秒
Turbo CFG 1+NAG(標準値)・ネガなし → ネガ=リボン3枚 → 3枚約2.6秒
Turbo CFG 1+NAG(強め)・ネガ=リボン3枚約2.6秒
Base CFG 4・ネガなし → ネガ=リボン3枚 → 0枚約7.1秒
Turbo CFG 1・ネガ=標準(nsfw など)3枚(画像は同一)約1.8秒
Turbo CFG 1・ネガ=red3枚(画像は同一)約1.7秒
Turbo CFG 3・ネガ=red数えていない約2.8秒
Turbo CFG 1+NAG(標準値)・ネガ=red数えていない(赤いリボンや本は残った)約2.7秒

CFG を上げるとネガティブの計算が増えるので、CFG 1 より約1.2〜1.5倍かかりました。

今回のプロンプトとリボンでは、Turbo の CFG を上げてもネガティブで消すことはできませんでした。CFG 3 では絵が暗く、色が濃くなりました。Turbo はもともと CFG 1 で使う作りなので、CFG を上げると絵が変わりやすいと考えられます。

検証4:ComfyUI 標準の NAG ノードを使うと?

ComfyUI には、CFG 1 のモデルでもネガティブを使えるようにする Normalized Attention Guidance(NAGuidance)というノードが標準で入っています(「advanced → guidance」の中、ベータ版の印付き)。公式ドキュメントでは「蒸留モデルや schnell モデルでネガティブプロンプトを使えるようにする」と説明されています。カスタムノードを入れる必要はありません。

拡散モデルを読み込むとKサンプラーの間に正規化アテンションガイダンスのノードをつないだ ComfyUI のワークフロー
NAG のつなぎ方。「拡散モデルを読み込む」と「Kサンプラー」の間に入れるだけ。CFG は 1 のまま

仕組みは CFG とは違い、絵の中の注意(アテンション)の計算の中で、ポジティブ側の結果をネガティブ側から遠ざけます。そのため ComfyUI は、NAG をつないだときは CFG 1 でもネガティブを計算するようになります(ノードの中で CFG 1 の省略を止める処理を確認)。設定は3つです。

項目標準の値意味(公式の説明)
nag_scale5.0強さ。大きいほどネガティブから遠ざける
nag_alpha0.5混ぜる割合。1.0 で完全に置き換え、0 で効果なし
nag_tau1.5正規化の比率の上限
NAG を使ってネガティブにリボンを入れた比較。リボンは残っている
上:NAG・ネガなし/中:NAG・ネガ=リボン/下:NAG を強め(scale 10・alpha 0.75・tau 2.5)でネガ=リボン

NAG をつなぐと画像は CFG 1 のときと少し変わりました(画素は一致しない)。しかし見た目の違いはわずかで、リボンは標準の値でも強めの値でも5枚中3枚のままでした。「red」をネガティブに入れても、赤いリボンや本は残りました。

今回の Anima Turbo とこのプロンプトでは、NAG はネガティブで物を消す役には立ちませんでした。Wan 2.2 で KJNodes の NAG を試した記事でも、プロンプトに書いた物を消すことはできませんでした。

Turbo で「描いてほしくないもの」を減らすには

  • ポジティブで具体的に書く:消したい物を書かず、代わりに欲しい物を書く(例:リボンを避けたいなら襟の形や服の種類を細かく書く)。CFG 1 で効くのはポジティブだけです
  • 全年齢向けにしたいときは safe をポジティブに入れる:ネガティブの nsfw は Turbo では効きません
  • ネガティブがどうしても必要なら Base を使う:今回、ネガティブで消せたのは Base(CFG 4)だけでした。1枚の時間は Turbo の約4倍です

NAG はつなぐだけで使えて、時間は約1.3〜1.4倍。試す価値はありますが、今回の条件では物を消す効果は見えませんでした。

Anima の導入や Base と Turbo の使い分けは、Anima の使い方で詳しく説明しています。

ワークフローのダウンロード

今回使ったワークフローです。ComfyUI の画面にドラッグ&ドロップすると読み込めます。モデルは anima-turbo-v1.1.safetensors(models\diffusion_models)、qwen_3_06b_base.safetensors(models\text_encoders)、qwen_image_vae.safetensors(models\vae)を使います。

RTX 5090 以外の人へ

今回の時間は RTX 5090 で測ったものです。ほかの GPU では1枚あたりの時間は長くなりますが、CFG 1 でネガティブが使われない仕組みは GPU に関係なく同じです。CFG を 1 より大きくしたり NAG を使ったりすると、ネガティブの分の計算が増えるので、今回は約1.2〜1.5倍の時間がかかりました。遅い GPU ほど、この差は秒数として大きく感じるはずです。VRAM の使用量は今回は測っていません。Anima を VRAM が少ない環境で動かす目安は、Anima の使い方の簡易テストを参考にしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. ComfyUI でネガティブプロンプトが効かないのはなぜですか?

CFG が 1 になっていないか確認してください。CFG 1 のとき、ComfyUI はネガティブを計算に使いません。Anima Turbo など CFG 1 で使うモデルでは、ネガティブを書いても画像は変わりません(今回15組(3種類×5シード)で画素まで一致しました)。

Q. Anima Turbo でネガティブの nsfw は意味がありますか?

CFG 1 で使う限り効いていません。全年齢向けにしたいときは、ポジティブに safe タグを入れてください。

Q. CFG を上げればネガティブが効きますか?

計算には使われるようになりますが、今回の Anima Turbo では CFG 2〜3 にしてもリボンは消えず、CFG 3 では絵が暗く濃くなりました。Turbo はもともと CFG 1 で使う作りです。

Q. NAG(Normalized Attention Guidance)とは何ですか?

CFG 1 のモデルでもネガティブを使えるようにする、ComfyUI 標準のノードです。カスタムノードは不要です。今回の Anima Turbo では、画像は少し変わったものの、リボンを消す効果は見えませんでした。

Q. ネガティブをしっかり効かせたいときは?

CFG を 1 より大きくして使う通常版のモデル(Anima なら Base)を使ってください。今回は Base の CFG 4 で、リボンが5枚中3枚から0枚になりました。

まとめ

ネガティブプロンプトが効かないときは、まず CFG を見てください。CFG 1 なら、ネガティブは計算に使われていません。Anima Turbo のような速いモデルはその代わりに速く描けるので、ポジティブを具体的に書いて使いこなすのが基本です。ネガティブで細かく消したいときは、Base のような CFG を使うモデルに切り替えましょう。

この記事の検証環境

Windows 11 / RTX 5090 / ComfyUI v0.43.0 / Anima Turbo v1.1・Anima Base v1.0 / 2026年10月30日。15条件×シード5つ(計75枚)を生成し、CFG 1 の同一性は画素の比較で確認。
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 枚数:比較の表の15条件(「→」の行は2条件)×シード5つ=75枚が、今回生成したすべての画像です。表の下の4行は検証1・検証4で触れた条件で、red はリボンではなく赤い物を消せるかを見たため、リボンの枚数は数えていません。
  • 時間の測り方:モデルを読み込んだ後の1枚ごとの実行時間(ComfyUI の記録)を5枚で平均したものです。
  • ほかの記事との差:Anima Turbo の1枚の時間は、ほかの記事では約1.3〜1.8秒と書いています。測り方や ComfyUI の版が違う可能性があります(RTX 5090 の生成速度の実測)。
  • 未確認のこと:VRAM の使用量。別のモデルや別のネガティブ(画風や画質に関する言葉など)で NAG が効くか。

試した環境

OS / GPUWindows 11 / NVIDIA GeForce RTX 5090(32GB)
ComfyUIv0.43.0(ポータブル版、カスタムノードなし)
モデルAnima Turbo v1.1(anima-turbo-v1.1.safetensors)、比較用に Anima Base v1.0
共通の設定832×1216、Turbo は 10 ステップ・euler・simple、Base は 30 ステップ・CFG 4・er_sde・simple
シード11, 22, 33, 44, 55 の5つ(すべての条件で同じ)
確認した日2026年10月30日

ポジティブプロンプトは全条件で同じです。

masterpiece, best quality, score_7, safe, 1girl, solo, school uniform, short brown hair, green eyes, smile, holding book, library, sunlight through window, upper body, looking at viewer

参考にした公式情報

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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