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使ったモデルとソフトは、すべて無料で入手できます。試した環境の一覧は検証の記録にあります。
Z-Image Turbo は、公式テンプレートの「8ステップ・CFG 1・res_multistep・simple」のまま使うのがいちばん速くてきれいです。 SDXL でおなじみの「25ステップ・CFG 7・DPM++ 2M Karras・長いネガティブ」をそのまま入れると、今回の 10枚はすべて色が飛んで形が溶け、時間は約6倍になりました。
エラーは出ません。だから「モデルが弱い」と勘違いしやすいところです。
先に結論(今回のテスト条件で)
| 変えた設定 | 絵(10枚中) | 1枚の時間(中央値) |
|---|---|---|
| 公式のまま(8ステップ、CFG 1) | 10枚とも崩れなし | 約2.7〜2.9秒 |
| SDXL の設定を全部(25ステップ、CFG 7、DPM++ 2M Karras、長いネガ) | 10枚とも崩れた | 約16〜17秒 |
| CFG 7 だけ | 10枚とも崩れた | 約5.1秒 |
| CFG 3 だけ | 写真は5枚中4枚に縞やにじみ | 約5.1秒 |
| スケジューラーを karras にしただけ | 写真は5枚中2枚で顔が崩れた | 約2.7秒 |
| 25ステップにしただけ | 10枚とも崩れなし | 約7.8秒 |
| CFG 1 のまま長いネガティブを書く | 公式と画素まで同じ(効かない) | 約2.7秒 |
「絵」は筆者の目視です。写真風とアニメ風のプロンプトを1つずつ、シード5つで作りました(各条件10枚、全80枚)。
SDXL の設定を入れるとどうなる?
同じプロンプトとシードで、左が公式の設定、右が SDXL の設定一式です。

右は写真もアニメも、青い色が飛んで輪郭が溶けています。シードを変えても同じで、10枚すべてがこの状態でした。
時間も増えます。公式の 2.7秒に対して、写真は 17.2秒、アニメは 15.9秒でした。

どの設定が崩れの原因?
1つずつ変えて確かめました。原因は大きく2つで、CFG を上げることと、スケジューラーを karras にすることです。
CFG を上げると焼ける
CFG は、プロンプトにどれだけ強く従わせるかの値です。SDXL のワークフローを流用すると、高い値がそのまま残りがちです。
Z-Image Turbo で CFG 7 にすると、10枚すべてに縞や格子が入り、色が飛びました。CFG 3 でも、写真は5枚中4枚に横縞や色のにじみが出ています。


アニメ風は CFG 3 でも形は保ちました。ただ、5枚とも色が濃くなり、1枚は髪に青い色ずれが出ています。
公式のモデルカードには、Turbo では guidance(ComfyUI の CFG に当たる値)を 0 にするよう書かれています。ComfyUI では CFG 1 がこれに当たり、ネガティブを計算しない設定です。
karras にすると顔が崩れる
スケジューラーは、ステップごとにノイズをどれだけ減らすかの配分です。karras も、SDXL のワークフローから持ち込みやすい設定です。
サンプラーは公式のまま、スケジューラーだけ karras にすると、写真は5枚中2枚で顔が崩れました。残りの3枚も、公式より少しぼやけています。

サンプラーを DPM++ 2M に変えて karras と組み合わせても、結果は karras だけのときとほぼ同じでした(画素の差の平均は 0.6〜0.7)。崩れの原因は、サンプラーよりスケジューラーの側です。
ステップを増やしても遅くなるだけ
25ステップにしただけでは、今回は10枚とも崩れませんでした。顔を拡大すると、肌の質感が少し強くなる程度です。

そのかわり時間は 2.7秒から 7.8秒、約2.9倍になります。Turbo は8ステップで仕上がるように作られているので、増やしても得はありませんでした。
ネガティブプロンプトは CFG 1 では効かない
CFG 1 のまま SDXL 用の長いネガティブを入れても、出てきた画像は公式の設定と画素まで同じでした(10枚とも)。時間も変わりません。
CFG 1 ではネガティブは計算に使われないためです。ネガティブを効かせたいときの考え方は、ネガティブプロンプトが効かない原因はCFG 1で詳しく試しています。
なぜ遅くなる?
CFG を 1 より大きくすると、1ステップごとにポジティブとネガティブの2回の計算が必要になります。今回も CFG 3 と CFG 7 は、どちらも 2.7秒から 5.1秒、約1.9倍になりました。
SDXL の設定一式では、これに25ステップが重なります。2倍の計算を3倍強の回数行うので、約6倍です。
| 条件 | 写真風 | アニメ風 |
|---|---|---|
| 公式(8ステップ、CFG 1) | 2.69秒 | 2.94秒 |
| 25ステップ | 7.80秒 | 7.79秒 |
| CFG 3 | 5.06秒 | 5.05秒 |
| CFG 7 | 5.06秒 | 5.05秒 |
| karras | 2.71秒 | 2.71秒 |
| SDXL の設定一式 | 17.21秒 | 15.86秒 |
1024×1024、各5枚の中央値。モデルを読み込んだあとの時間です。
公式の設定とワークフロー
公式テンプレートの設定を、そのまま普通のノードで組んだものです。

| 項目 | 値 |
|---|---|
| ステップ | 8 |
| CFG | 1 |
| サンプラー | res_multistep |
| スケジューラー | simple |
| シフト(モデルサンプリング AuraFlow) | 3 |
| ネガティブ | 条件付けゼロアウト(空にする) |
| 画像サイズ | 1024×1024 |
- Z-Image Turbo 公式設定のワークフロー(JSON)ComfyUI にドラッグして読み込みます。カスタムノードは不要です
使ったモデルは3つです。どれも Comfy-Org の公式ページから直接ダウンロードできます。
| ファイル | 大きさ | 置き場所 |
|---|---|---|
| z_image_turbo_bf16.safetensors | 12.3GB | models\diffusion_models |
| qwen_3_4b.safetensors | 8.0GB | models\text_encoders |
| ae.safetensors | 335MB | models\vae |
同じページに、軽い int8 版や NVFP4 版もあります。速さの違いはNVFP4・FP8・INT8・BF16 の比較で測っています。
RTX 5090 以外の人へ
RTX 5090 で --reserve-vram の値を変え、VRAM が少ない環境を想定した簡易テストをしました。--reserve-vram は OS などのために VRAM を残しておく設定で、容量そのものを制限する機能ではありません。実際の 8GB・12GB の GPU での動作を再現・保証するものではない点に注意してください。
| 想定 | --reserve-vram | 生成 | 2枚目の時間 | 増えた VRAM(GPU 全体) |
|---|---|---|---|---|
| 指定なし | なし | できた | 2.9秒 | 22.9GB |
| 12GB 程度 | 20 | できた | 2.9秒 | 12.8GB |
| 8GB 程度 | 24 | できた | 2.9秒 | 8.7GB |
公式の bf16 ファイルと公式設定、1024×1024 での結果です。足りないときの対処はVRAM が足りないときの対処法にまとめています。
商用で使える?
Z-Image Turbo のライセンスは Apache-2.0 です(Hugging Face の公式ページの表示)。生成した画像の商用利用を含め、使い道の制限はほとんどありません。再配布するときは、ライセンス文と著作権表示を残す必要があります。
よくある質問(FAQ)
Q. Z-Image Turbo のおすすめ設定は?
公式テンプレートどおり、8ステップ、CFG 1、サンプラー res_multistep、スケジューラー simple、シフト 3 です。今回の検証でも、この設定がいちばん速く、10枚とも崩れませんでした。
Q. Z-Image Turbo で画像の色が飛ぶ・縞が出るのはなぜ?
CFG が高すぎる可能性が高いです。CFG 7 では10枚すべて、CFG 3 でも写真は5枚中4枚に縞や色のにじみが出ました。CFG は 1 に戻してください。
Q. Z-Image Turbo でネガティブプロンプトは使える?
CFG 1 では使われません。長いネガティブを入れても、出た画像は空のときと画素まで同じでした。
Q. Z-Image Turbo でステップ数を増やすときれいになる?
今回の検証では、25ステップにしても崩れはしませんでしたが、目に見えてきれいにはならず、時間が約2.9倍になりました。8ステップのままで十分です。
Q. Z-Image Turbo で karras は使える?
おすすめしません。スケジューラーを karras にすると、写真風は5枚中2枚で顔が崩れました。simple に戻してください。
Q. Z-Image Turbo は VRAM 8GB でも動く?
RTX 5090 で --reserve-vram を 24 にした簡易テストでは生成でき、時間も変わりませんでした。実際の 8GB の GPU で試したわけではありません。
まとめ
Z-Image Turbo は、少ないステップで仕上げるように作られた蒸留モデルです。SDXL の感覚で CFG やスケジューラーを触ると、エラーも出ずに絵だけが崩れます。
CFG は 1、スケジューラーは simple、ステップは 8。 この3つを守れば、RTX 5090 で1枚 3秒弱で作れます。
検証メモ
- 本数:写真風とアニメ風のプロンプト各1つ、シード 11・22・33・44・55 で、8条件×10枚=80枚を作りました。プロンプトの種類が2つなので、ほかの絵柄でも同じ割合になるとは限りません。
- 条件:1024×1024、シフト 3。崩れの判定は筆者の目視です。「画素まで同じ」と「差の平均」は、画像を RGB の数値で比べた結果です。
- 時間:ComfyUI の実行開始から完了までで、モデルの読み込みを除くために1枚目の前に空回しをしています。最初の読み込みは L ドライブから約466秒かかりました。
- VRAM:Windows ではプロセスごとの量が取れないので、ComfyUI を起動する前と比べた GPU 全体の増分です。
- 未確認のこと:LoRA の併用、1024×1024 以外のサイズ、int8 や NVFP4 のファイルでの崩れ方、CFG 1.5 などの中間の値、実際の 8GB・12GB の GPU。

