Wan 2.2 が動かないときは、ファイルの置き場所と VAE の組み合わせから確かめてください。
エラーで止まる、動画が崩れる、ぼやける。そうしたつまずきを症状ごとにまとめました。
どの症状も、筆者が RTX 5090 の試験用の ComfyUI でわざと間違えて実際に起こし、画面に出た表示と結果をそのまま載せています。実際に起こせなかったものは、ComfyUI 公式のチュートリアルにある原因の候補として分けて書きました。Wan 2.2 の入れ方とおすすめ設定は、Wan 2.2 の使い方を先に見てください。試した環境は末尾の「検証メモ」にあります。
症状から探す
| 症状 | 原因(今回の試験) | 見出し |
|---|---|---|
| 「〇〇が不足しています」と出る | モデルのファイルがない・名前や置き場所が違う | 1 |
| VAE デコードで止まる | VAE の取り違え(5B と 14B) | 2 |
| CLIP を読み込むで止まる | CLIP の「タイプ」が wan になっていない | 3 |
| CUDA error: out of memory | VRAM の余裕がない | 4 |
| エラーは出ないが、暗い・ぼやける・ざらざら | 14B の高速化 LoRA の外し忘れ・入れ違え | 5 |
| 色の塊が出る・形が崩れる | 5B を小さく短くしすぎ、50ステップ × uni_pc | 6 |
| ノードが赤い・「ノードが不足しています」 | カスタムノードが入っていない、ComfyUI が古い | 7 |
| 動画がどこに保存されたかわからない | 保存先のフォルダ | 8 |
症状1:「〇〇が不足しています」と出る(実際に再現)

ワークフローに書かれたモデルのファイルが手元にないと、実行したときに右上へ次のように出て、そのノードが赤い枠で示されました。
wan2.2_ti2v_5B_fp8_scaled.safetensorsが不足しています
UNET Loaderに必要なモデルファイルが不足しています。
- ファイルを、正しいフォルダに置く(本体は
models\diffusion_models。models\checkpointsに置くと「拡散モデルを読み込む」の一覧に出ない) - 人からもらったワークフローなら、ノードのファイル名を、手元にあるファイルに選び直す(5B の fp16 版と fp8 版のように、名前が少し違うことがある)
- ファイルを置いたあと一覧に出ないときは、ComfyUI の画面を読み込み直すか、起動し直す
症状2:「VAE デコード の実行に失敗しました」(実際に再現)
Wan 2.2 は、5B と 14B で VAE が違います(5B は wan2.2_vae、14B は wan_2.1_vae。使い方の記事のファイル表のとおり)。わざと取り違えると、どちらも動画を描くところまでは進み、最後の「VAE デコード」で止まりました。

5B に wan_2.1_vae を選んだときの「詳細を表示」の中身です(英語のまま)。
Given groups=1, weight of size [16, 16, 1, 1, 1], expected input[1, 48, 13, 22, 40]
to have 16 channels, but got 48 channels instead

Given groups=1, weight of size [48, 48, 1, 1, 1], expected input[1, 16, 21, 80, 80]
to have 48 channels, but got 16 channels instead
「16 channels」と「48 channels」が逆になっているのが目印です。48 が出てきたら 5B、16 が出てきたら 14B の VAE が必要と覚えておくと、どちらを取り違えたかわかります。14B では、4ステップ分の生成が全部終わってから止まるので、気づくまでに時間がかかりました。
症状3:「CLIP を読み込む の実行に失敗しました」(実際に再現)

Wan の文字を読む部品(umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled)は、「CLIP を読み込む」のタイプを wan にして読み込みます(公式テンプレートのとおり)。ほかのモデル用のワークフローを使い回して、タイプが stable_diffusion のままになっていると、次のエラーで止まりました。
Error(s) in loading state_dict for T5:
size mismatch for shared.weight: copying a param with shape torch.Size([256384, 4096])
from checkpoint, the shape in current model is torch.Size([32128, 4096]).
「size mismatch」と出たら、タイプがモデルに合っているかを確かめてください。
症状4:「CUDA error: out of memory」で止まる(実際に起きた)
これは、わざとではなく試験の途中で実際に起きました。RTX 5090(VRAM 32GB)で、ComfyUI を1回起動したまま 5B を70本・14B を15本続けて作り、14B の高速化 LoRA ありから LoRA なしに切り替えた直後に、次のエラーで止まりました。
!!! Exception during processing !!! CUDA error: out of memory
今の ComfyUI(0.43.0 で確認)は、VRAM を使えるだけ使ってモデルを読み込みます。止まったあとに記録したログでは、14B の生成中に GPU 全体で最大約31.8GB/32.6GB を使っていて、余裕は約0.8GB でした(止まった瞬間の値とは限りません)。ComfyUI を起動し直すと、同じ順番で作っても止まりませんでした。
- まず ComfyUI を起動し直す(止まったあとはエラーが続くことがある)
- 起動するときに
--reserve-vram 1を付けて、約1GB を残す。ポータブル版ならrun_nvidia_gpu.batをメモ帳で開き、最後に足す - それでも足りないときは、解像度や長さ(フレーム数)を下げる。ただし 5B は、下げすぎると崩れることがあった(症状6)
python_embeded\python.exe -s ComfyUI\main.py --windows-standalone-build --reserve-vram 1
VRAM が少ない GPU で実際にどこまで動くかは、筆者は確かめられていません(使い方の記事の「RTX 5090 以外の人へ」を参照)。VRAM が足りないときの対処法は ComfyUI で VRAM が足りないときの対処法にまとめました。
症状5:エラーは出ないのに、暗い・ぼやける・ざらざらする(実際に再現)
14B の公式テンプレートは、高速化用の LightX2V LoRA(high_noise 用と low_noise 用の2つ)を使って、4ステップ・CFG 1 で作る設定です。この LoRA まわりを間違えると、エラーは出ずに、出来の悪い動画ができます。

- LoRA を外したまま4ステップ・CFG 1:全体が暗く、キツネが半透明のようにぼやけた。LoRA なしで作るなら、ステップと CFG を増やす(筆者は20ステップ・CFG 3.5 で作り、崩れは見当たらなかった)
- high_noise 用と low_noise 用の LoRA を入れ違える:ざらざらした粒が全体に出て、キツネの形もおかしくなった。high_noise のモデルには high_noise 用、low_noise のモデルには low_noise 用をつなぐ
症状6:色の塊が出る・形が崩れる(実際に再現)
5B を小さく・短くしすぎた

5B を早く試そうとして 640×352・49フレームにしたところ、シード5つのうち4本で、色の塊が出たり、形が崩れたりしました。一方、同じシードでも 640×352・121フレームにした1本は崩れず、1280×704・49フレーム(使い方の記事の比較)は5本とも崩れていませんでした。
公式が 5B で対応をうたっているのは 720P(1280×704)です。今回の試験では、小さい解像度と短い長さを両方いっしょに下げたときに崩れやすく見えました。試すときは、どちらか片方だけを下げるのがよさそうです。
50ステップにしたら崩れた
5B を 50ステップ・サンプラー uni_pc にすると、作った7本すべてで画面がコラージュのように崩れました。サンプラーを euler に変えて作った2本は崩れませんでした(2本だけの結果です)。くわしくは使い方の記事にあります。ふだんは、公式テンプレートの20ステップで十分でした。
症状7:ノードが赤い・「ノードが不足しています」(実際に再現)

人からもらった Wan のワークフローに、カスタムノード(ほかの人が作った追加のノード)が入っていると、それが入っていない ComfyUI では次のように出て、そのノードが赤くなりました。
ノードが不足しています: WanVideoNAG
このワークフローはインストールされていないカスタムノードを使用しています。
- ノード名で検索して、そのカスタムノードを入れる(入れ方は カスタムノードの入れ方。WanVideoNAG は KJNodes のノード)
- 標準のノードなのに赤いときは、ComfyUI が古い可能性がある。公式のチュートリアルも、テンプレートが見つからない・ノードが足りないときは ComfyUI が最新でない可能性を挙げている(ComfyUI のアップデート方法)
- Wan 2.5 以降は、ComfyUI では有料のクラウド API(Partner Nodes)で使うもので、自分の PC で動かす 2.2 とはノードが違う
症状8:動画がどこに保存されたかわからない
「ビデオを保存」ノードは、ComfyUI フォルダの中の output に動画(mp4)を保存します。「ファイル名プレフィックス」に video/ComfyUI のように「/」が入っていると、output\video のように、その名前のフォルダの中に保存されます(公式の 5B テンプレートはこの設定です)。
- 動画ではなく画像がたくさん保存されているときは、「動画を作成」と「ビデオを保存」ではなく、画像の保存ノードにつながっている
- ポータブル版なら
ComfyUI_windows_portable\ComfyUI\outputを開いて探す
よくある質問(FAQ)
Q. Wan 2.2 で「VAE デコード の実行に失敗しました」と出ます
VAE の取り違えが考えられます。5B は wan2.2_vae、14B は wan_2.1_vae を使います。筆者が取り違えて試したところ、どちらも VAE デコードで止まり、エラーに「48 channels」「16 channels」と出ました。
Q. Wan 2.2 の動画が暗くぼやけます
14B で高速化 LoRA(LightX2V)を外したまま、4ステップ・CFG 1 で作っていないか確かめてください。筆者の試験では、そのとき暗くぼやけた動画になりました。LoRA を使わないなら、ステップと CFG を増やします。
Q. Wan 2.2 で out of memory になります
ComfyUI を起動し直し、起動するときに --reserve-vram 1 を付けてください。それでも足りないときは、解像度か長さを下げます。筆者の RTX 5090 でも、長く連続で作ったあとに一度だけ止まりました。
Q. Wan 2.2 5B の動画が崩れます
解像度と長さを両方いっしょに小さくしていないか確かめてください。筆者の試験では、640×352・49フレームにすると5本中4本で崩れました。50ステップ・uni_pc でも崩れました。
Q. Wan のワークフローを開くとノードが赤くなります
入っていないカスタムノードを使っているか、ComfyUI が古い可能性があります。不足しているノード名を確かめて、カスタムノードを入れるか、ComfyUI を最新にしてください。
まとめ
- エラーで止まるときは、ファイルの置き場所・VAE の組み合わせ・CLIP のタイプをまず確かめる。VAE を取り違えると、生成が終わってから VAE デコードで止まる。「48」が出たら 5B 用、「16」なら 14B 用の VAE
- エラーが出ないのに出来が悪いときは、14B の高速化 LoRA と、5B の解像度・長さ・ステップ数を確かめる
- out of memory は、起動し直しと
--reserve-vram 1
検証メモ
- 試した環境:2026年10月28日。Windows 11 / GeForce RTX 5090(VRAM 32GB)/ ComfyUI 0.43.0 ポータブル版(試験用、カスタムノードは止めて試した)。Wan 2.2 TI2V 5B(fp16)と T2V 14B(fp8)+公式の LightX2V 4ステップ LoRA。モデルはすべて ComfyUI 公式(Comfy-Org)の配布ファイルです。
- 結果の範囲:この記事の症状は、筆者が RTX 5090 で実際に起こしたものです。ほかの環境では、表示や結果が違うことがあります。
参考にした公式資料
- ComfyUI 公式チュートリアル:Wan2.2 Video Generation:ファイル・置き場所、テンプレートが見つからないときの説明
- Wan2.2(GitHub・公式):5B の対応解像度
- ComfyUI 0.43.0 に入っている公式テンプレート(video_wan2_2_5B_ti2v.json、video_wan2_2_14B_t2v.json):CLIP のタイプ・VAE・LoRA・保存先の設定

