Pika-H3-Flex-Turbo-LoRAの使い方|2・4・8ステップをRTX 5090で比較

Pika H3 Flex Turbo の紹介画像。陶芸の工房で鉢を持つ女性の場面 AI動画・プロンプト

この記事について(広告・アフィリエイトリンクはありません)

紹介しているソフトとモデルは、すべて無料で入手できるものです。

Pika H3 Flex は H3 を6ステップで動かせる LoRA でした。Pika-H3-Flex-Turbo-LoRA は、それにステップ数を減らす別の LoRA を重ね、1ファイルにしたものです。2026年10月29日に Hugging Face で公開されました。ステップとは、絵を少しずつ描き進める回数です。

公式の Flex 6ステップと同じプロンプト・シードで、2・4・8ステップを RTX 5090 で測りました。選ぶなら4ステップで、78秒が54秒に縮みました。

先に注意(2026年11月4日時点)

  • Pika 公式の配布ではありません。作者は akhaliq さんです。
  • MiniMax H3 Community License に従います。EU・英国・韓国・米国は対象地域外です。
  • この記事の動画と画像は AI で生成したものです。

迷ったら4ステップ(今回のテスト条件で)

条件(1344×768・5秒・124フレーム)全体(読み込み後)サンプリング「できました」の聞き取り
公式 Flex、6ステップ(比較の基準)78秒71秒5本中5本
Turbo 2ステップ(Ref2VA)32〜47秒25秒5本中4本
Turbo 4ステップ(FL2VA)54秒47秒5本中5本
Turbo 8ステップ HD(FL2VA)102秒94秒5本中5本
  • 迷ったら 4ステップです。公式 Flex より約31%短くなり、今回の中央フレームの絵は崩れませんでした。
  • 2ステップは下書き用です。シードごとの構図の確認に向きます。(Ref2VA の使い方はMiniMax H3 の使い方とコツ)
  • 8ステップは公式 Flex より遅くなります。細部を詰めたいときの選択肢です。

1ステップの時間は、どれも約12秒で同じでした。速さの差は、ステップ数の差です。

公式 Flex 6 ステップと Turbo 2、4、8 ステップの中央フレームを 3 シードで並べた図。陶芸家の女性と棚の絵で、2 ステップだけ構図が大きく違う
公式 Flex 6 ステップと Turbo 2、4、8 ステップの中央フレームを 3 シードで並べた図。陶芸家の女性と棚の絵で、2 ステップだけ構図が大きく違う

試した環境

項目内容
GPURTX 5090(32GB)、ドライバー 621.01
CPU / RAMRyzen 9 9950X3D / 128GB
OSWindows 11
ComfyUIポータブル版+master 17ff1dcc(v0.43.0-26)。カスタムノードなし
ベースH3 fl2va pruned int8(2ステップだけ ref2va pruned int8)、qwen3vl nvfp4、映像 VAE int8、音声 VAE fp32
プロンプトPika 記事と同じ陶芸家の場面。最後に「できました。」と話す
シード20261102〜20261106 の5本

入れ方は LoRA を1つ足すだけ

ComfyUI で H3 が動く状態で、LoRA を1つ足すだけです。

ファイルサイズ用途
pika_h3_flex_turbo_4step_fl2va.safetensors3.9GBまずはこれ
pika_h3_flex_turbo_8step_hd_fl2va.safetensors3.9GB細部を詰めたいとき
pika_h3_flex_turbo_2step_draft_ref2va.safetensors3.9GB下書き。Ref2VA 用

どれも models\loras に置きます。ノードの設定は次のとおりです。

項目値
LoRA ローダー強さ 1.0
MiniMax H3 Sigma Shift映像 6.0(Ref2VA は 12.0)、音声 3.0
スケジューラーsimple。ステップ数はファイルに合わせる
サンプラーeuler(カードでは euler / lcm / res_multistep)
CFG1(BasicGuider を使うので設定なし)

画面から実行して、成功を確かめました。ログで 197.42秒です。直前の実行とベースのモデルが違うので、FL2VA を USB の HDD から読み直しています。サンプラーの1ステップ目(Model Initializing を含む)が約150秒、残り3ステップが約40秒、デコードと保存などが約8秒です(細かい内訳は記録していません)。

Turbo LoRA のワークフロー全体。LoRA ローダー、Sigma Shift、スケジューラー、サンプラー、デコード、保存のノードが並んでいる
Turbo LoRA のワークフロー全体。LoRA ローダー、Sigma Shift、スケジューラー、サンプラー、デコード、保存のノードが並んでいる

4ステップの54秒のうち、47秒はサンプリング

全体は、サンプリング、デコード、保存を合わせた時間です。プロンプトと LoRA が同じ2本目以降の値で、1本目はモデルの読み込みで長くなります。

条件1本目2本目以降サンプリング映像デコード
公式 Flex 6ステップ152秒77〜79秒71秒4.7秒
Turbo 2ステップ401秒47、32、34、34秒25秒4.8秒
Turbo 4ステップ77秒54秒47秒4.7秒
Turbo 8ステップ135秒101〜102秒94秒4.7秒

2ステップのサンプリング25秒は、全体が32〜34秒だった回の値です。47秒かかった2本目は 39.36秒でした。

Turbo 4ステップの2本目以降の54秒は、サンプリング 47.1秒、映像デコード 4.7秒、保存 2.0秒、その他 約0.2秒です。1本目の77秒は、ベースのモデルを読み込んだあとの実行です(サンプリング 69.9秒、映像デコード 4.7秒、保存 2.1秒)。上の197秒のようなモデルの読み直しは入っていません。サンプリングが2本目より約23秒長い理由は確かめていません。

2ステップの1本目が長いのは、ベースが FL2VA から Ref2VA に変わり、HDD から読み直したためです。

ベースを切り替えずに済むので、普段は 4ステップと 8ステップを同じ FL2VA で使うのが楽です。

絵は公式に近く、聞き取りで外れたのは2ステップの1本

中央フレームを3シードで見比べました(上の画像)。

  • 4ステップと8ステップ:同じシードの公式 Flex と、人物や棚の配置がよく似ています。8ステップのほうが細部が少し多い印象です。これは1フレームの目視です。
  • 2ステップ:ベースが Ref2VA で、構図が大きく変わります。今回は崩れた絵はありませんでしたが、カードは「ときどきシーンが崩れる下書き用」としています。

音声は、話している「できました」を Whisper(base、CPU)で文字起こしして確かめました。4ステップと8ステップ、公式 Flex は5本すべてで読み取れた一方、2ステップは1本だけ「プレイパクラン出来ました」と余計な語が入りました。カードにも「6ステップ未満で音声が劣化し、2ステップが最も弱い」とあります。

文字起こしで分かるのは言葉の聞き取りだけで、音質は耳で確かめていません。

RTX 5090 以外の人へ

--reserve-vram は、OS などのために VRAM を残しておく設定です。4ステップで試しました。

--reserve-vram結果2本目の全体VRAM ピーク
指定なし5本とも成功54秒29.7〜30.3GB
20(計算上の残り 約12.1GB)2本とも成功57秒14.2〜14.4GB
24(計算上の残り 約8.0GB)2本とも成功57秒10.2〜10.5GB

VRAM 容量が少ない環境を想定した簡易テストです。実際の 8GB・12GB 搭載 GPU での動作を再現・保証するものではありません。 VRAM のピークには、計測時に他のアプリが使っていた分も含みます。この範囲では、時間はほとんど変わりませんでした。VRAM 不足の対処はこちらにまとめています。

商用で使うときの条件は?

原文を確かめた範囲です(2026年11月4日時点)。

  • LoRA:カードに「MiniMax H3 Community License の Model Derivative(Section III.2)」と書かれています。適用範囲は EU・英国・韓国・米国を除く地域で、年商2,000万ドルを超える事業者は別途の許諾が必要です。
  • 元の部品:Pika / Mellis, Inc. の Flex、LightX2V の Turbo、pDMD の2ステップ(Apache 2.0)の組み合わせで、カードに名前の表示があります。
  • 再配布:H3 ライセンスの条件が及びます。この記事ではモデルを再配布せず、公式の場所へリンクしています。

よくある質問(FAQ)

Q. Pika-H3-Flex-Turbo-LoRA は公式の Flex より速いですか?

4ステップは速いです。同じ環境で公式 Flex 6ステップの78秒に対して54秒でした。8ステップは102秒で、公式より遅くなりました。

Q. 何ステップがおすすめですか?

最初は4ステップです。2ステップは下書き、8ステップは細部を詰めたいときに使います。

Q. カスタムノードは必要ですか?

不要です。ComfyUI 標準の LoRA ローダーと MiniMax H3 Sigma Shift で動きました。

Q. 音声は使えますか?

「できました」の文字起こしは、4ステップと8ステップで5本中5本、2ステップで5本中4本読み取れました。音質は耳で確かめていません。

Q. VRAM はどのくらい必要ですか?

RTX 5090 では空きを使い切って約30GB まで使いました。--reserve-vram 24 の簡易テストではピーク約10.5GB で成功しましたが、実際の 8GB GPU での動作は確かめていません。

Q. 軽い Lite 版はありますか?

rank 32 で約0.31GB の版がカードにあります。私は試していません。

まとめ

  • 4ステップの Turbo が、速さと崩れにくさのバランスが良い結果でした(今回の条件で)。
  • 1ステップの時間は同じなので、短縮はステップ数の分だけです。
  • 2ステップは構図を探す下書きとして使えます。

この記事の検証環境

RTX 5090(32GB)/ Ryzen 9 9950X3D / 128GB / Windows 11 / ComfyUI master 17ff1dcc(カスタムノードなし)/ 2026年11月4日
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 公式 Flex の値:同じプロンプトで前回の Pika 記事は86.9秒(v0.43.2)でした。今回は master で78秒です。比較は今回の値どうしで行いました。
  • 2ステップの条件:カードに従い Ref2VA と MiniMaxH3ReferenceToVideo(参照なし)で動かしました。ほかの3条件とベースが違うので、絵の比較は厳密には同じ条件ではありません。
  • シグマ:Turbo は BasicScheduler(simple)+ Sigma Shift、公式 Flex はテンプレートのシグマ表です。
  • カードの値:H200 で4ステップ40秒、2ステップ約25秒、8ステップ70秒(848×480)は作者の値で、私は測っていません。
  • 未確認のこと:動画を再生したときの動きの比較、音質、Singularity との組み合わせ、Lite 版、Ref2VA の 4・8ステップ、実際の 8GB・12GB GPU。

参考リンク

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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