Open-H3-Regenerate-2Kの使い方|H3動画を3ステップで2K化

Open-H3-Regenerate-2K の紹介画像。start_sigma 0.7 で 2K にしたラーメン屋台の場面 AI動画・プロンプト

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紹介しているソフトとモデルは、すべて無料で入手できるものです。

H3 の 768p の動画を 2K に描き直す Open-H3-Regenerate-2K は、NVIDIA の研究チーム(NVlabs)が公開した LoRA と手順です。MiniMax の非公開の H3-Regenerate-2K API を、オープンな形で置き換える狙いで作られました。

ComfyUI 用のコミュニティノードで動かし、時間と絵の変わり方を RTX 5090 で測りました。

先に注意(2026年11月3日時点)

  • NVIDIA の公式ノードではありません。ここで使う ComfyUI ノードは個人の rdh9616 さんの作品です。
  • LoRA と高速 VAE は MiniMax H3 Community License に従います。EU・英国・韓国・米国は対象地域外です。
  • この記事の動画と画像は AI で生成したものです。

先に結論(今回のテスト条件で)

手元の 768p → 2560×1440(5秒)時間(読み込み後)入力との近さ(PSNR)
Regenerate(ノード既定の Sol-Attn)約133秒20.68〜20.86dB
Regenerate(Sol-Attn を強めた設定)86秒20.88dB
Regenerate(Sol-Attn なし)401秒20.73dB
コア2K経路 + Sol-Attn約129秒23.41dB
コア2K経路(Sol-Attn なし)約404秒23.49dB
Tessera464秒29.42dB
  • 速さは Sol-Attn で決まります。 2K の1ステップが約124秒から17〜28秒になりました。
  • 絵は大きく描き直されます。 麺の形はシードごとに別物になりました。細部の量は3つの中で一番多く出ましたが、元の絵を守りたいなら Tessera のほうが向きます。
  • 迷ったら、まず下の配布 JSON をそのまま使ってください。絵が変わりすぎるときは、Sigmas ノードの start_sigma を 0.7 に下げると形を保てました。

3840×2176 は、2回とも拡大ステップは成功しましたが、その後のサンプリングで失敗しました(最初のステップで ComfyUI ごと落ちました)。15秒の下書きは 1 ステップ約1.5時間かかり、実用になりませんでした。

同じ鍋の場面を入力、コア2K経路、Tessera、Regenerate で比べた図。Regenerate は麺がほとんど別の形に描き直されている
同じ鍋の場面を入力、コア2K経路、Tessera、Regenerate で比べた図。Regenerate は麺がほとんど別の形に描き直されている

試した環境

項目内容
GPURTX 5090(32GB)、ドライバー 621.01
CPU / RAMRyzen 9 9950X3D / 128GB
OSWindows 11
ComfyUIポータブル版+master 17ff1dcc(v0.43.0-26)
ノードComfyUI-Open-H3-Regenerate 9b686c5(2026-10-28、Apache-2.0)
入力H3 FL2VA + Turbo 8step で作った 1344×768・124フレーム(ラーメン屋台と顔)
設定シグマ 0.909375→0.857→0.667→0、euler、CFG 1、音声は無音で固定して最後に元の音を付ける

必要なファイル

ベースと VAE はH3 の導入記事のものです。追加は次のとおりです。

ファイルサイズ置き場所
open_h3_regenerate_2k_lora.safetensors12.5GBmodels\loras
sharp_curve_branches.safetensors1.24GBmodels\loras
fast_h3_vae_noncausal_24l.safetensors6.47GBmodels\vae
minimax_h3_latent_upscaler_3d_conv_v1_bf16.safetensors691MBmodels\latent_upscale_models
minimax_h3_fl2va_pruned_int8_convrot.safetensors21GBmodels\diffusion_models
minimax_h3_ref2va_pruned_int8_convrot.safetensors21GBmodels\diffusion_models(数KBの表を読むだけですが必要)

高速 VAE は、すでにSol-H3-VAEの sol_h3_vae.safetensors を持っていれば同じファイルです。sha256 が一致しました。

ノードの README は LBH のアップスケーラー用カスタムノードも求めていますが、配布 JSON は ComfyUI コアの MiniMax H3 Latent Upscale With Model を使うので不要です。その代わり、4K で2回に分けて拡大するノードの機能は通っていません。

  • open_h3_regenerate_2k_workflow.jsonComfyUI にドラッグして読み込みます(768p→2K、3ステップ、Sol-Attn、高速 VAE。必要なカスタムノードは ComfyUI-Open-H3-Regenerate だけ)

画面から実行して、成功を確かめました(751秒、モデル読み込み込み)。下の表の設定はノード同梱の JSON に合わせています。

Regenerate のワークフロー全体。LoRA、Sol-Attn、アップスケール、Refine、高速 VAE のノードが並んでいる
Regenerate のワークフロー全体。LoRA、Sol-Attn、アップスケール、Refine、高速 VAE のノードが並んでいる

時間の実測

条件全体サンプリングデコードステップ単価
起動直後(モデル読み込み込み)495〜981秒–104〜128秒–
ノード既定(τ1.2、5シード中央値)133秒89秒19秒約28秒
強め(τ1.75、終わりまで sparse)86秒57秒20秒約17秒
Sol-Attn なし401秒372秒20秒約124秒
標準 VAE でデコード(強め)109秒57秒41秒約17秒
1920×1088(強め)66秒28秒15秒約8秒
顔(ノード既定、5シード中央値)131秒87秒19秒約28秒

全体とサンプリング+デコードの差は、エンコード約13秒、保存約6秒、テキスト約3秒、拡大約1.5秒などです(強めと Sol-Attn なしはエンコード済みの実行で、差は約9秒)。

Sol-Attn は、ComfyUI 標準の Block Sparse Attention ノードです。H3 の計算のうち影響の小さい部分を省きます。Regenerate 専用の機能ではないので、コア2K経路に足しても効きました。768p の生成から通しで503秒だったものが、242秒になりました。

公式の値は単一の B200 で22.45秒(Sol-Engine、高速 VAE)、ノード作者の値は RTX PRO 5000 Blackwell 72GB で約3分です。

絵はどれくらい変わる?

Regenerate は、拡大した latent にノイズを強く乗せ直します(σ0.909)。名前のとおり、下書きを描き直す処理です。公式も「細部を描き直す」と説明しています。

同じ入力でシードを変えると、麺は束になったり、ほうきのような形になったりしました。5シードとも形が違います。のれんや鍋の位置は保たれます。

入力とシード 101、202、303 の結果。のれんと鍋は同じ位置だが、麺の形がシードごとに大きく違う
入力とシード 101、202、303 の結果。のれんと鍋は同じ位置だが、麺の形がシードごとに大きく違う

顔でも、位置や表情は同じですが、ほくろやシミの一部が消えて、肌がなめらかになりました。本人らしさを残したい映像では、確かめてから使ってください。

顔の比較。Regenerate はほくろが減って肌がなめらかになり、Tessera はほくろが残っている
顔の比較。Regenerate はほくろが減って肌がなめらかになり、Tessera はほくろが残っている
比較(中央値など)Regenerateコア2KTessera
ラーメン、入力との PSNR20.80dB23.49dB29.42dB
顔、入力との PSNR27.89dB–33.33dB
ラーメン、細部の量(ラプラシアン)157〜1826637

PSNR が低いことは、低画質という意味ではありません。入力からどれだけ変わったかの目安です。

絵を変えたくないときは start_sigma を下げる

Open-H3 Regenerate · Sigmas ノードの start_sigma は、乗せ直すノイズの強さです。0 のままだと公式の 0.909 になります。下げて試しました(同じシード、ラーメン)。

設定サンプリング入力との PSNR細部の量
既定(σ0.909、3ステップ)89秒20.76dB168
start_sigma 0.7、3ステップ439秒(起動直後の1回)23.92dB93
start_sigma 0.5、3ステップ378秒24.88dB73
公式の2ステップ(0.7、0.494)154秒24.24dB86

PSNR と細部の量はラーメンの値です。既定のサンプリングは5シードの中央値で、0.7 の値はモデルの読み込みを含みます(顔の読み込み後は182秒)。

0.7 で麺の形が入力に近く保たれ、顔のほくろも残りました。 細部は既定より減りますが、コア2K経路より多く出ています。

入力、start_sigma 0.7、0.5、2 ステップの比較。どれも麺の形は入力に近い。0.5 には鍋のふちに緑の点が出ている
入力、start_sigma 0.7、0.5、2 ステップの比較。どれも麺の形は入力に近い。0.5 には鍋のふちに緑の点が出ている
顔の比較。既定はほくろが減り、start_sigma 0.7 はほくろが残って肌の質感が増えている
顔の比較。既定はほくろが減り、start_sigma 0.7 はほくろが残って肌の質感が増えている

気をつける点が2つあります。

  • 低いシグマは遅くなります。 読み込み後の値では、既定89秒、0.7(顔)182秒、0.5 378秒と、下げるほどサンプリングが長くなりました。Sol-Attn の end_percent 0.9 を過ぎた区間で sparse が切れて通常の計算になるためだと思いますが、確かめてはいません。
  • 0.5 の1本では、鍋のふちに緑の点が出ました(上の画像)。1本だけの確認なので、原因は分かりません。

ここまでの 0.7・0.5・2ステップは各1本ずつの結果です。

Kijai 版の LoRA は使える?

Kijai さんのrank 384 版(5.87GB)は、refiner の部分だけを変換したものです。公式の説明どおり LMS と Turbo v1.2 を普通の LoRA として重ねて試しました。

全体は236秒でした(モデルの入れ替えを含む1回)。入力との PSNR は21.0dB で、同じシードの公式の合成 LoRA と近い絵になりました。ただし Sharp の曲線の枝(sharp_curve_branches)は入っていないので、公式と同じものではありません。ファイルが小さく、カスタムノードなしで動く点は便利です。

公式の合成 LoRA、Kijai 版の組み合わせ、コア2K + Sol-Attn の比較
公式の合成 LoRA、Kijai 版の組み合わせ、コア2K + Sol-Attn の比較

うまくいかなかったこと

  • 3840×2176:2回試して、2回とも拡大ステップは成功しましたが、その後のサンプリングの最初のステップで ComfyUI のプロセスごと落ちました(Fatal Python error: Aborted、comfy_kitchen の int8 処理の中)。直前の VRAM は 32GB 近くでした。私は1回で 4K へ拡大しました。ノードの2回に分ける経路や、ほかの設定は試していません。
  • 15秒の下書き→2K:VRAM 32GB から溢れ、1ステップ約1.5時間になりました。3ステップ中2ステップ終わった3時間5分の時点で打ち切りました。公式は 5〜15秒対応としていますが、32GB の環境で今回の設定では無理でした。
  • 音声:処理中は無音で固定し、最後に元の音を付けます。出力の音は入力とほぼ同じでした(相関0.999)。音を作り直したいなら別の工程が要ります。

RTX 5090 以外の人へ

--reserve-vram は、OS などのために VRAM を残しておく設定です。

--reserve-vram結果全体(読み込み込み)サンプリングデコードVRAM
20(12GB を想定)成功397秒160秒118秒ピーク 24.2GB(開始時からの増加 約22.9GB)
24(8GB を想定)成功610秒162秒119秒ピーク 24.2GB(開始時からの増加 約22.9GB)

全体とサンプリング+デコードの差は、20 が約119秒(テキスト約81秒、エンコード約16秒など)、24 が約329秒(LoRA の読み込み約270秒、テキスト約23秒、エンコード約16秒など)です。

サンプリングは VRAM を減らしても動きましたが、高速 VAE のデコードでどちらも約24GB まで上がりました。--reserve-vram の値より多く使っています。ノードの作者も「5秒の 2K で約21GB」と説明しているので、24GB 未満の GPU では標準 VAE に切り替えるのが安全そうです。実際の小さい GPU で試したわけではありません。

VRAM 容量が少ない環境を想定した簡易テストです。実際の 8GB・12GB 搭載 GPU での動作を再現・保証するものではありません。 VRAM 不足の対処はこちらにまとめています。

ライセンスと商用利用

原文を確かめた範囲です(2026年11月3日時点)。

  • LoRA・高速 VAE・base_model:MiniMax H3 Community Licenseに従います。適用範囲は EU・英国・韓国・米国を除く地域です。
  • 合成に使われた部品:カードに「一括のライセンスではない」と明記があります。アップスケーラー、LightX2V Turbo、LMS Sharp はそれぞれの条件に従います。
  • ComfyUI ノード:Apache-2.0 です。NVIDIA のコードの一部(高速 VAE のデコーダー)を同梱しています。

再配布には H3 ライセンスの条件が及びます。この記事ではモデルを再配布せず、公式の場所へリンクしています。

よくある質問(FAQ)

Q. Open-H3-Regenerate-2K は NVIDIA 公式の ComfyUI ノードですか?

いいえ。LoRA と推論コードは NVlabs の公開で、ComfyUI ノードは rdh9616 さんなど個人の作品です。

Q. 元の動画はそのまま残りますか?

大きく描き直されます。今回は麺の形がシードごとに別物になり、顔のほくろも一部消えました。元の絵を守りたいなら Tessera が向きます。

Q. VRAM はどのくらい必要ですか?

RTX 5090 で31GB 台まで使いましたが、空きを使い切った値です。--reserve-vram の簡易テストでも、高速 VAE のデコードで約24GB まで上がりました。実際の 8GB・12GB GPU での動作は確かめていません。

Q. Sol-Attn を切っても動きますか?

動きますが、約3倍の時間がかかりました(ノード既定133秒に対して401秒)。

Q. MiniMax H3 以外の動画にも使えますか?

ノードの README は、LTX や Wan の 384〜576p の下書きにも使えると説明しています。私は H3 の動画でしか試していません。

まとめ

  • 2K が約2分と速く、細部もよく出ます。
  • 絵はかなり変わるので、完成した映像の高解像度化より「下書きを仕上げる」使い方に向きます。
  • Sol-Attn の効果が大きく、コアの 2K 経路にも流用できます。

この記事の検証環境

RTX 5090(32GB)/ Ryzen 9 9950X3D / 128GB / Windows 11 / ComfyUI master 17ff1dcc + ComfyUI-Open-H3-Regenerate 9b686c5 / 2026年11月3日
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 設定の違い:表の「強め」は私が最初に試した τ1.75・全区間 sparse です。ノード同梱の JSON は τ1.2・end_percent 0.9・dense_blocks 0,1,49 で、こちらを「ノード既定」と呼んでいます。ノードの JSON は映像 VAE に fp16 を使いますが、私は int8 です。
  • 時間のばらつき:5シードの「全体」は 114〜133秒です。最初の1本はエンコードがキャッシュされて短くなりました。
  • 全体の内訳:ノード既定の133秒(シード202)は、サンプリング88.8秒、デコード19.4秒、エンコード12.6秒、保存5.9秒、テキスト2.5秒、拡大1.5秒などです。強めの86秒は、サンプリング57.2秒、デコード20.0秒、保存5.8秒、テキスト2.8秒などで、エンコードは前の実行のキャッシュです。ノード既定と強めの差には、このエンコードの約13秒も含まれます。
  • コア2K経路の内訳:Sol-Attn なしの503秒は、1段目98.8秒、拡大1.5秒、再サンプリング387秒、Sol int8 デコード7.2秒、そのほか約9秒です。Sol-Attn ありの242秒は、1段目113秒、拡大1.5秒、再サンプリング88秒、デコード21.7秒、そのほか約18秒です。Sol-Attn は再サンプリングだけに掛けています。1段目とデコードが長くなった理由は未確認です。
  • --reserve-vram の差:24 だけ LoRA の読み込みが約270秒かかった理由(20 は約3秒)と、20 だけテキストが約81秒かかった理由は未確認です。
  • PSNR の測り方:入力を lanczos で同じサイズにした絵と、12フレームおきに比べた平均です。コア2K経路の 23.49dB は Sol-Attn なし、23.41dB は Sol-Attn ありの実行です。
  • 未確認のこと:start_sigma の複数シードでの傾向、動画を再生したときのちらつき、音の聞き比べ、ノードの LBH 拡大、実際の 8GB・12GB GPU、Video to H3 Prompt ノード。
  • 公開日:Hugging Face の Open-H3-Regenerate-2K は 2026年10月26日、単体 LoRA は 11月2日に作成されています。

参考リンク

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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