Wan 2.2の使い方【2026年版】ComfyUIでの導入とおすすめ設定

Wan 2.2 を ComfyUI で試した画面 AI動画・プロンプト

この記事について(広告・アフィリエイトリンクはありません)

自分の PC で Wan を動かすなら、最新の公開版 Wan 2.2 の 5B を、公式テンプレートの設定のまま使うのが近道です。

Wan(ワン)は、Alibaba の Wan チームが公開している動画生成 AI。文章や画像から数秒の動画を作れて、ComfyUI にも最初から対応しています。

この記事を読むと、Wan 2.2 を ComfyUI に入れて動画を作るところまで進められ、ステップ数・CFG・解像度をどう決めればいいかもわかります。軽い 5B と、本格的な 14B の両方を、筆者の RTX 5090 で作り比べました。試した環境と測り方は、末尾の「検証メモ」にまとめています。

先に結論

・自分の PC で動かせる Wan の最新版は Wan 2.2(2026年10月28日に公式の Hugging Face で確認)。ライセンスは Apache 2.0
・迷ったら 5B(TI2V-5B)から。ファイルは3つ・合計約17GB で、文章からも画像からも動画を作れる。ComfyUI の公式ドキュメントでは「VRAM 8GB に収まる」とされている
・設定は ComfyUI の公式テンプレートのまま(20ステップ・CFG 5・uni_pc)が無難。今回の試験では、10ステップは時間が約半分になるが崩れが出やすく、30ステップは時間が約1.4倍で見た目の差は小さかった
・14B は、公式テンプレートの高速化 LoRA(LightX2V)で4ステップにすると、640×640・約5秒の動画が約31秒でできた(RTX 5090)。ただし必要なファイルは合計約35GB(5B の文字を読む部品があれば、追加は約29GB)
・5B を 50ステップ・uni_pc にすると、今回の試験では作った7本すべてで画面が大きく崩れた(euler で試した2本は崩れなかった)

Wan 2.2 T2V 14B(LightX2V 4ステップ)で作った約5秒の動画。640×640・81フレーム・16fps、RTX 5090 で約31秒
  1. どのモデルを選べばいい?迷ったら 5B
  2. ファイルを置けば、公式テンプレートから始められる
    1. 5B を使うファイル(約17GB)
    2. 14B(文章から動画)を使うファイル(約35GB)
  3. 5B で文章から動画を作る:画像生成と違うノードは2つだけ
  4. 5B は開始画像をつなぐだけで、画像から動画を作れる
  5. 14B は高速化 LoRA つきの4ステップが公式の設定
  6. おすすめ設定は、公式テンプレートのままでよかった
    1. 5B の生成時間(RTX 5090)
    2. ステップ数:20 が無難、10 は試し用
    3. 50ステップ × uni_pc は崩れた(euler で試した2本は崩れなかった)
    4. CFG:5 のままでよい
    5. シフトは 8 のまま、仕上げは 1280×704 で
    6. 14B:4ステップでも十分きれい。20ステップは時間が8倍以上
    7. 同じプロンプトでは 14B のほうが人やトラムがはっきり描かれた
  7. 試験中に実際につまずいた2つのこと
    1. 「CUDA error: out of memory」で止まる
    2. 動画が崩れる・ぐちゃぐちゃになる
  8. RTX 5090 以外の人へ:VRAM を減らす設定でも、小さい GPU の再現にはならなかった
  9. 商用利用:モデルは Apache 2.0。ただし使い方の制限もある
  10. よくある質問(FAQ)
    1. Q. Wan の最新版はどれですか?
    2. Q. Wan 2.2 の 5B と 14B はどちらがいいですか?
    3. Q. Wan 2.2 のおすすめ設定は?
    4. Q. Wan 2.2 の動画が崩れます
    5. Q. Wan 2.2 は VRAM がいくつ必要ですか?
    6. Q. Wan 2.2 で作った動画は商用利用できますか?
  11. まとめ
  12. 検証メモ
    1. 参考にした公式資料

どのモデルを選べばいい?迷ったら 5B

Wan 2.2 は 2025年7月に公開された動画生成モデルです。公式の Hugging Face で重み(モデルのファイル)が公開されているのは、2026年10月28日の時点で Wan 2.2 までです(そのあとに出た Animate-2 も、Wan2.2-Animate-2-14B という Wan 2.2 の名前で公開されています)。

Wan 2.2 には、用途ごとにいくつかのモデルがあります。公式の GitHub の一覧から、ComfyUI でよく使う3つを抜き出しました。

モデルできること公式の解像度ComfyUI 用のファイルの大きさ
TI2V-5B(この記事のおすすめ)文章から動画・画像から動画の両方720P(1280×704)・24fps本体 9.3GB(fp16)
T2V-A14B文章から動画480P・720P本体 13.3GB×2(fp8、high_noise と low_noise)
I2V-A14B画像から動画480P・720P本体 13.3GB×2(fp8)

14B は、ノイズの多い前半と少ない後半で、別々のモデル(high_noise と low_noise)を使い分ける作りです(公式は MoE と呼んでいます)。そのため本体のファイルが2つあります。5B は1つのモデルで文章からも画像からも作れる代わりに、14B より軽い作りです。

「Wan 2.5」以降の版について

Wan には 2.5・2.6・2.7 などの名前や、3.0 の話題も出ていますが、公式の Hugging Face(Wan-AI)に重みが公開されているのは 2.2 までです(2026年10月28日に確認)。ComfyUI 公式の Wan のページによると、公開重みがあるのは Wan 2.1 と 2.2 で、2.5 以降は ComfyUI では Partner Nodes(有料のクラウド API)を通して使います。この記事は、自分の PC で動かす 2.2 を扱います

ファイルを置けば、公式テンプレートから始められる

手順は ComfyUI 公式のチュートリアルに沿っています。ComfyUI が古いとテンプレートが出てこないので、先に ComfyUI を最新にするのがおすすめです(筆者は 0.43.0 で試しました)。ComfyUI をまだ入れていない人は、ComfyUI の入れ方からどうぞ。

5B を使うファイル(約17GB)

ファイル置き場所(ComfyUI フォルダの中)大きさ
wan2.2_ti2v_5B_fp16.safetensorsmodels\diffusion_models9.3GB
umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensors(文字を読む部品)models\text_encoders6.3GB
wan2.2_vae.safetensors(VAE)models\vae1.3GB

14B(文章から動画)を使うファイル(約35GB)

ファイル置き場所大きさ
wan2.2_t2v_high_noise_14B_fp8_scaled.safetensorsmodels\diffusion_models13.3GB
wan2.2_t2v_low_noise_14B_fp8_scaled.safetensorsmodels\diffusion_models13.3GB
wan2.2_t2v_lightx2v_4steps_lora_v1.1_high_noise.safetensors(高速化 LoRA)models\loras1.1GB
wan2.2_t2v_lightx2v_4steps_lora_v1.1_low_noise.safetensors(高速化 LoRA)models\loras1.1GB
wan_2.1_vae.safetensors(VAE)models\vae0.24GB
umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled.safetensors(5B と共通)models\text_encoders6.3GB

14B の必要ファイルは合計約35GBです。5B で使った文字を読む部品(umt5_xxl_fp8_e4m3fn_scaled)をすでに持っている場合、追加のダウンロードは約29GB。モデルの置き場所とは別に、作った動画や一時ファイルのための空き容量も残しておいてください(Hugging Face の表示と大きさが違って見える理由は検証メモへ)。

VAE をまちがえやすい

5B は wan2.2_vae、14B は wan_2.1_vae を使います(公式テンプレートのとおり)。名前が似ているので、取りちがえに注意してください

ファイルを置いたら ComfyUI を起動し、左の「テンプレート」で「Wan2.2 5B」や「Wan2.2 14B T2V」と検索すると、公式のワークフローが開けます。下の筆者のワークフロー(JSON)を、ComfyUI の画面にドラッグして開くこともできます。

5B で文章から動画を作る:画像生成と違うノードは2つだけ

ComfyUI で Wan 2.2 TI2V 5B を使って文章から動画を作るワークフロー
5B で文章から動画を作るワークフロー。右下に、できた動画が表示される

使うノードは画像生成とほぼ同じで、ちがうのは2つだけです。

  • Wan22ImageToVideoLatent:動画の大きさ(幅・高さ)と長さ(フレーム数)を決めます。公式の設定は 1280×704・121フレーム(24fps で約5秒)です
  • 動画を作成・ビデオを保存:できたコマを動画(mp4)にまとめて保存します。fps は 24 にします

プロンプトは英語で書きました。ネガティブプロンプトは、公式テンプレートに入っている中国語の文(「色が派手すぎる」「止まった絵」「字幕」など)をそのまま使い、最後に「NSFW」を足しています。KSampler の設定は 20ステップ・CFG 5・uni_pc・simple、「モデルサンプリングSD3」のシフトは 8 です(どれも公式テンプレートの値)。

5B・公式テンプレートの設定で作った動画(1280×704 を 960 幅に縮めて掲載)。RTX 5090 で約134秒

5B は開始画像をつなぐだけで、画像から動画を作れる

5B は、Wan22ImageToVideoLatent の「開始画像」に画像をつなぐだけで、画像から動画を作れます。元の絵は、Illustrious XL v2.0 で作った「雨の日の窓辺の白い猫」です。プロンプトには、動かしたい内容(猫がゆっくり窓のほうを向く、しっぽが揺れる、カメラは動かない)を書きました。

ComfyUI で Wan 2.2 TI2V 5B に開始画像をつないで画像から動画を作るワークフロー
画像から動画のワークフロー。「画像を読み込む」を「開始画像」につなぐ
Illustrious XL v2.0 で作った雨の日の窓辺の白い猫のイラスト
元にした絵(Illustrious XL v2.0、1344×768)
5B で画像から作った動画(シード33)。約135秒
Wan 2.2 5B の画像から動画で、シードを変えた3本の動きの比較
シードを変えた3本から5コマずつ。猫が振り向く大きさはシードでかなり変わった

シードを5つ変えて作ったところ、5本とも元の絵の雰囲気(色・窓・植木鉢)はそのまま残りました。動きの大きさはシードしだいで、5本中3本は猫が立ち上がって窓のほうを向き、2本は座ったまま少し顔を動かす程度でした。

14B は高速化 LoRA つきの4ステップが公式の設定

14B の公式テンプレートは、LightX2V という高速化用の LoRA を使って、4ステップ・CFG 1 で作る設定になっています。high_noise のモデルで前半の2ステップ、low_noise のモデルで後半の2ステップを担当します(KSampler(高度)を2つ使います)。

ComfyUI で Wan 2.2 T2V 14B を LightX2V の4ステップ LoRA で動かすワークフロー
14B(LightX2V 4ステップ)のワークフロー。上の段が前半(high_noise)、下の段が後半(low_noise)
設定公式テンプレートの値
解像度・長さ640×640・81フレーム(16fps で約5秒)
ステップ・CFG4ステップ(前半2・後半2)・CFG 1
サンプラー・スケジューラeuler・simple
シフト(モデルサンプリングSD3)5
LoRA の強さ1.0(high_noise 用・low_noise 用の2つ)

おすすめ設定は、公式テンプレートのままでよかった

同じプロンプトで、設定を1つずつ変えて作り比べました。題材は「雪の森を歩くキツネ」と「雨の夜の街」の2つで、主な比べ方はシードを5つ(11・22・33・44・55)変えた5本ずつです。どの条件を何本作ったかは、下の表のとおりです。

モデル条件本数
5B(キツネ)公式テンプレート・10ステップ・30ステップ・50ステップ・CFG 3・CFG 7・シフト 5・シフト 11・960×544・49フレーム各5本(計50本)
5B(街)公式テンプレート・10ステップ・CFG 3・CFG 7各5本(計20本)
5B(キツネ)追加の試し50ステップ uni_pc の作り直し・50ステップ euler・50ステップ uni_pc シフト 5各2本(計6本、シード11・22)
5B 画像から動画公式テンプレートの設定5本
14B(キツネ)4ステップ 640×640・20ステップ 640×640・4ステップ 1280×720・20ステップ 1280×720各5本(計20本)
14B(街)4ステップ 640×640・20ステップ 640×640各5本(計10本)
14B(街)追加の試しout of memory の確かめ(4ステップ→20ステップの順に1本ずつ)2本(シード66)

5B の生成時間(RTX 5090)

設定(それ以外は公式テンプレートのまま)1本の時間
公式テンプレート(1280×704・121フレーム・20ステップ)約134秒
10ステップ約75秒
30ステップ約193秒
50ステップ約312秒
960×544 に小さくする約65秒
49フレーム(約2秒)に短くする約42秒
CFG・シフトを変える変わらない(約134秒)
画像から動画(1280×704・121フレーム)約135秒

時間は2本目以降の中央値です。1本目は、モデルを読み込む分だけ長くかかりました(5B で約143秒)。

5B と 14B の時間は、そのまま比べられない

5B の約134秒は 1280×704・121フレーム・20ステップ、14B の約31秒は 640×640・81フレーム・高速化 LoRA つきの4ステップです。解像度・長さ・LoRA・ステップ数がすべて違うので、どちらのモデルが速い・優れているという比較にはなりません。それぞれの公式テンプレートの設定で作ったときの目安として見てください

ステップ数:20 が無難、10 は試し用

Wan 2.2 5B でステップ数を10・20・30に変えた動画のコマの比較
ステップ数の比較(上3段はキツネ・シード55、下2段は街・シード33)
  • 10ステップ:時間は約半分。ただ、キツネ5本中1本でキツネが2匹重なったように崩れ(上の段)、街は5本とも暗く青っぽくなり、1本は途中で大きなぼやけた傘が急に現れた
  • 20ステップ(公式):5本とも大きな崩れはなかった
  • 30ステップ:時間は約1.4倍。20ステップとの見た目の差は、筆者には小さく見えた

構図を探すときは10ステップで何本か作り、気に入ったシードを20ステップで作り直す、という使い方がよさそうです。

50ステップ × uni_pc は崩れた(euler で試した2本は崩れなかった)

公式のコードでは、5B の標準は 50ステップです(ComfyUI のテンプレートは 20ステップ)。そこで ComfyUI でも 50ステップを試したところ、uni_pc では5本とも画面がコラージュのように崩れました。

ComfyUI を起動し直して同じ設定で2本作り直しても、同じように崩れました(計7本すべて)。起動し直しても変わらなかったので、VRAM の問題ではないと切り分けました。

Wan 2.2 5B を50ステップの uni_pc と euler で作った動画の比較
50ステップの比較(シード11)。uni_pc は崩れ、euler は崩れなかった

サンプラーを euler に変えて50ステップで2本作ったところ、2本とも崩れませんでした。シフトを 5 に変えた uni_pc は、2本中1本が崩れました。ステップを増やして崩れたときは、サンプラーを euler に変えて試すのが一つの手です。そもそも今回の比べ方では、20ステップより増やしても見た目の差は小さかったので、無理に増やす必要はなさそうです。

CFG:5 のままでよい

Wan 2.2 5B で CFG を3・5・7に変えた動画のコマの比較
CFG の比較(キツネ・シード22)
  • CFG 3:キツネ5本中2本で、キツネが途中から現れたり、最初は半透明だったりした
  • CFG 5(公式):大きな問題はなかった
  • CFG 7:キツネ・街とも5本すべてで、色とコントラストが強くなった。好みで選んでよいが、公式のネガティブプロンプトが避けている「色が派手すぎる」方向に寄る

シフトは 8 のまま、仕上げは 1280×704 で

  • シフト(5・8・11):同じシードなら、構図も動きもほとんど変わらなかった。公式テンプレートの 8 のままでよい
  • 解像度:960×544 にすると時間は約半分。同じシードでも別の絵になり、今回はキツネが大きく写ることが多かった。公式が対応をうたっているのは 1280×704 なので、仕上げは 1280×704 がおすすめ
  • 長さ:49フレーム(約2秒)なら約42秒。試しに動きを見るときに便利

14B:4ステップでも十分きれい。20ステップは時間が8倍以上

Wan 2.2 14B を LightX2V 4ステップと LoRA なし20ステップ、640×640 と 1280×720 で比べたコマ
14B の比較(キツネ・シード22)
14B の設定1本の時間(RTX 5090)
LightX2V 4ステップ・640×640(公式テンプレート)約31秒
LightX2V 4ステップ・1280×720約114秒
LoRA なし 20ステップ・640×640約267秒
LoRA なし 20ステップ・1280×720約17分(約1,047秒)

LoRA なしの 20ステップは、CFG 3.5・シフト 8・前半10ステップと後半10ステップに分けた筆者の設定です(公式のコードの標準は 40ステップなので、それより少なめです)。

  • 4ステップ(LightX2V):キツネ・街とも、ほとんどの動画で形が安定していた。1280×720 では、キツネ5本中1本で、1匹のはずのキツネが2匹出た
  • 20ステップ(LoRA なし):夕日の逆光が強く、映画のような暗めの絵になりやすかった。崩れは見当たらなかったが、時間は4ステップの8倍以上(CFG・シフトも違う設定なので、時間はあくまで目安)
  • 筆者の見立てでは、ふだんは4ステップで作り、気に入ったものだけ LoRA なしで作り直すのがちょうどよかった

同じプロンプトでは 14B のほうが人やトラムがはっきり描かれた

同じプロンプトで Wan 2.2 の 5B と 14B を比べた雨の夜の街の動画のコマ
「雨の夜の街」の比較(シード44)。5B は 1280×704、14B は 640×640

同じ「雨の夜の街」のプロンプトでも、14B のほうが人やトラムがはっきり描かれ、トラムが近づいてくる動きもありました。5B は暗く落ち着いた絵で、人の形はぼやけがちでした。ただし解像度が違う比較なので、参考程度にしてください。

試験中に実際につまずいた2つのこと

ここでは試験中に実際に起きた2つを書いています。VAE デコードで止まる、ノードが赤い、動画が暗くぼやけるなど、ほかの症状はWanが動かない原因と対処法にまとめています。

「CUDA error: out of memory」で止まる

今の ComfyUI(0.43.0 で確認)は、VRAM を使えるだけ使ってモデルを読み込みます。筆者の RTX 5090 では、14B の生成中に GPU 全体で最大約31.8GB/32.6GB を使っていて、余裕は約0.8GB。何も生成していないときでも、デスクトップのアプリで約0.5〜0.8GB を使っていました。

ComfyUI を1回起動したまま 5B を70本・14B を15本(計85本)続けて作ったところ、高速化 LoRA ありから LoRA なしに切り替えた直後に、一度だけ out of memory で止まりました。起動し直すと、同じ順番で作っても止まりませんでした。

こうなったときは、ComfyUI を起動し直してください。筆者はこのあと、起動するときに少し VRAM を残しておく設定を付けました。

python_embeded\python.exe -s ComfyUI\main.py --windows-standalone-build --reserve-vram 1

--reserve-vram 1 は、約1GB を ComfyUI 以外のために残す設定です。ポータブル版なら、run_nvidia_gpu.bat をメモ帳で開き、最後にこのオプションを足しても同じです。

動画が崩れる・ぐちゃぐちゃになる

  • ステップを増やしているなら、サンプラーを euler に変えて試す(50ステップ × uni_pc は7本すべて崩れ、euler で試した2本は崩れなかった)
  • 14B なら、VAE が wan_2.1_vae になっているか確かめる(5B は wan2.2_vae)
  • 高速化 LoRA を使うなら、ステップは 4・CFG は 1 にする(LoRA なしの設定のままだと、公式テンプレートとは別物になる)

ほかのエラーの探し方は、ComfyUI で動かないときの直し方も参考になります(Anima の記事ですが、モデルの置き場所やエラーの読み方は共通です)。

RTX 5090 以外の人へ:VRAM を減らす設定でも、小さい GPU の再現にはならなかった

ComfyUI の公式チュートリアルには「5B は、ComfyUI の標準のオフロード(メインメモリへの逃がし)で VRAM 8GB に収まる」と書かれています。一方、公式の GitHub の例は、5B で「24GB 以上(RTX 4090 など)」、14B で「80GB 以上」です。これは ComfyUI とは別の、公式の Python のコードで動かした場合の目安です。

筆者は、これまでの記事と同じく --reserve-vram で使える VRAM を減らして(12GB・8GB 相当)試しました。結果は次のとおりで、この方法では小さい GPU の再現にはなりませんでした。

設定5B(公式テンプレート)14B(4ステップ・640×640)
12GB 相当(--reserve-vram 20)約134秒・GPU 全体の使用量は最大 17.6GB約32秒・最大 14.3GB
8GB 相当(--reserve-vram 24)約134秒・最大 13.8GB約32秒・最大 10.7GB

使用量には、Windows の画面やほかのアプリが使う分(約1.2GB)も含まれます。それでも 8GB を超えていて、時間もほとんど変わりませんでした。--reserve-vram は「使える量の上限」ではなく、ComfyUI がどれだけ残すかの目安なので、実際の 8GB・12GB の GPU でどうなるかは確かめられていません。VRAM が少ない人は、まず 5B を、長さを短く(49フレームなど)して試してみてください。

商用利用:モデルは Apache 2.0。ただし使い方の制限もある

Wan 2.2 のモデルは Apache 2.0 ライセンスです。公式の GitHub には、作った動画の権利は主張しない、と書かれています。ただし、法律に反するもの、人を傷つけるもの、人をおとしめるための個人情報、誤った情報を広めるもの、弱い立場の人をねらったものに使ってはいけない、という制限もあります。ComfyUI 用に配布されているファイル(Comfy-Org)と、LightX2V の LoRA も、Hugging Face 上のライセンス表示は Apache 2.0 です。

ライセンスの全文は公式の LICENSE.txt にあります。仕事で使うときは、全文を確かめてください。

よくある質問(FAQ)

Q. Wan の最新版はどれですか?

自分の PC で動かせる(重みが公開されている)最新版は Wan 2.2 です(2026年10月28日に公式の Hugging Face で確認)。

Q. Wan 2.2 の 5B と 14B はどちらがいいですか?

迷ったら 5B がおすすめです。ファイルが少なく(約17GB)、文章からも画像からも作れます。VRAM と保存の容量(14B は約35GB)に余裕があり、より整った動画がほしいときは 14B を高速化 LoRA(LightX2V)の4ステップで使うと、筆者の RTX 5090 では640×640・約5秒の動画が約31秒でできました(5B とは解像度・長さ・ステップ数が違うので、速さの比較ではありません)。

Q. Wan 2.2 のおすすめ設定は?

5B なら ComfyUI の公式テンプレートのまま(1280×704・121フレーム・20ステップ・CFG 5・uni_pc・simple・シフト 8・24fps)が無難でした。試し用には10ステップや49フレームに減らすと速くなります。

Q. Wan 2.2 の動画が崩れます

ステップを増やしている場合は、サンプラーを euler に変えて試してみてください。筆者の試験では、5B を 50ステップ・uni_pc にすると7本すべて崩れ、euler で試した2本は崩れませんでした(2本だけの結果です)。14B なら VAE が wan_2.1_vae になっているかも確かめてください。

Q. Wan 2.2 は VRAM がいくつ必要ですか?

ComfyUI の公式チュートリアルでは、5B は VRAM 8GB に収まるとされています。筆者の RTX 5090 では、14B の生成中に GPU 全体で約31.8GB を使っていました。小さい GPU での動作は確かめていません。

Q. Wan 2.2 で作った動画は商用利用できますか?

モデルのライセンスは Apache 2.0 で、公式は作った動画の権利を主張しないとしています。ただし、法律に反する使い方などの制限があります。仕事で使うときは、公式のライセンス全文を確かめてください。

まとめ

  • 自分の PC で動かせる Wan の最新版は 2.2。迷ったら 5B で、設定は公式テンプレートのまま(20ステップ・CFG 5)が無難。試すときは10ステップや短い動画で
  • 14B は高速化 LoRA(LightX2V)の4ステップで、RTX 5090 なら約31秒。LoRA なしの20ステップは8倍以上かかる
  • 50ステップ・uni_pc は崩れた(7本すべて)。euler で試した2本は崩れなかった。out of memory で止まったら起動し直し、--reserve-vram 1 を付ける

この記事の検証環境

Windows 11 / RTX 5090(VRAM 32GB)/ メモリ 128GB / ComfyUI 0.43.0 ポータブル版(試験用、カスタムノード停止)/ Wan 2.2 TI2V 5B(fp16)・T2V A14B(fp8)・LightX2V 4ステップ LoRA v1.1 / 5B は計76本(キツネで10通り・街で4通りの設定を各シード5つ、確かめ直し6本)、14B は計32本(4通りの設定を各シード5つなど)、画像から動画は5本を作成 / 2026年10月28日に検証
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 試した環境:2026年10月27〜28日。Windows 11 / GeForce RTX 5090(VRAM 32GB)/ メモリ 128GB / ComfyUI 0.43.0 ポータブル版(試験用のフォルダ、カスタムノードは止めて試した)。モデルはすべて ComfyUI 公式(Comfy-Org)の配布ファイルで、ダウンロードしたファイルは公式の SHA-256 と一致することを確かめました。
  • ファイルの大きさの数え方:表の大きさは ComfyUI 公式テンプレートの表記で、Windows のエクスプローラーと同じ数え方(GiB)です。Hugging Face のページでは 1GB=10億バイトで表示されるため、同じファイルでも合計約38GB(追加分は約31GB)と、少し大きく見えます。
  • 比べ方の範囲:動画から取り出したコマを並べて見比べていて、良し悪しは筆者の見立てです。原因を確かめるための追加の試しは2本ずつ。条件や題材が変わると、結果も変わることがあります。

50ステップの崩れは、euler を2本しか試していないので、いつも崩れないとまでは言えません。崩れる原因も不明です。

out of memory の約31.8GB は、止まったあとに記録したログの値で、止まった瞬間の値とは限りません。--reserve-vram 1 は止まったあとの対策として付けた設定で、もとの止まり方が再現しなかったため、効果ははっきり確かめていません。

参考にした公式資料

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

KOBO Lab の新しい記事を受け取る
AI動画・プロンプトComfyUI
KOBO Lab の新しい記事を受け取る
タイトルとURLをコピーしました