MOSS-ImageをComfyUIで動かす|必要VRAMと生成時間をRTX 5090で実測

MOSS-ImageをComfyUIで動かす(必要VRAMをRTX 5090で実測) ComfyUI

この記事について(広告・アフィリエイトリンクはありません)

紹介しているソフトとモデルは、すべて無料で入手できるものです。

MOSS-Image は、OpenMOSS が公開した画像生成モデルです。英語と中国語の文字をきれいに描けて、長い指示(約4,000トークン)や、JSON で「どこに何を置くか」を指定するレイアウト機能もあります。ライセンスは Apache-2.0 です。

ComfyUI が公式に対応していて、テンプレートも入っています。この記事では、公式テンプレートの設定で RTX 5090 を使い、軽い int8 版と大きい bf16 版の生成時間と VRAM を測りました。VRAM が少ない環境を想定した簡易テストもしています。

先に結論(今回のテスト条件で)

公式テンプレートの組み合わせ(本体 int8+テキストエンコーダー w4a8)で、1024×1024 が1枚 約5.8秒、VRAM は最大 約11.3GBでした(RTX 5090)。

bf16 版(本体 bf16+エンコーダー bf16)は 1枚 約14.7秒、VRAM 最大 約25.9GBでした。

ファイルは int8 一式で 約13GB、bf16 一式で 約30GB です。

「VRAM 8GB で動く」という話は、公式の資料では確かめられませんでした。この記事でも 8GB での動作は確かめていません。

試した環境

項目内容
GPUNVIDIA GeForce RTX 5090(VRAM 32GB)
CPU / メモリAMD Ryzen 9 9950X3D / 128GB
OSWindows 11
ドライバNVIDIA 621.01
ComfyUImaster(コミット b5a43215、2026-10-30)ポータブル版、カスタムノードなし
PyTorch2.14.0+cu130
確認した日2026年10月31日

MOSS-Image はどんなモデル?

項目内容
作った人OpenMOSS(2026-10-11 公開)
本体50億パラメータの単一ストリーム DiT(画像を作る部分)
テキストエンコーダーQwen3.5 9B(指示の文章を読む部分)
VAEFLUX.2 の small VAE(絵に戻す部分)
得意なこと英語・中国語の文字、長い指示、JSON でのレイアウト指定
ライセンスApache-2.0
ComfyUI0.42.0 以上

モデルは2種類あります。SFT は仕上げの学習まで済んだ版で、テンプレートはこちらを使います。Base は LoRA などを学習するときの元にする版です。

必要なファイルと置き場所

ファイル置き場所(ComfyUI/models/)サイズ
moss_image_sft_int8_convrot.safetensors(テンプレート)diffusion_models5.41GB
qwen3.5_9b_w4a8_gptq.safetensors(テンプレート)text_encoders7.34GB
flux2-vae_small.safetensorsvae0.25GB
moss_image_sft_bf16.safetensors(大きい版)diffusion_models10.16GB
qwen3.5_9b_bf16.safetensors(大きい版)text_encoders19.31GB

テキストエンコーダーには int8 版(9.75GB)もあります。迷ったら、テンプレートと同じ int8+w4a8 の組み合わせにしてください。

使い方(公式テンプレート)

  1. ComfyUI を 0.42.0 以上にする(ComfyUI のアップデート方法)
  2. 上のファイルを置き場所に入れて、ComfyUI を起動し直す
  3. テンプレートの一覧から「MOSS-Image」の Text to Image を開く
  4. プロンプトを書いて実行する

テンプレートの設定は、25ステップ、CFG 2.5、サンプラー er_sde、スケジューラー simple です。公式の Base モデルの説明では 50ステップ・CFG 3・euler が勧められていて、テンプレートとは少し違います。今回はテンプレートの設定で測りました。

テンプレートには、短い指示を AI が長い指示に書き直す機能(TextGenerate)も入っていますが、今回は使わず、英語の指示をそのまま入れました。

RTX 5090 での生成時間と VRAM(実測)

机の上の PC と「KOBO Lab」と書かれたマグカップの写真風の指示(英語)で、シードを変えて測りました。時間は ComfyUI に送ってから画像が保存されるまでです。

組み合わせ解像度1枚目(読み込み込み)2枚目以降VRAM 最大ComfyUI の RAM
int8+w4a8(テンプレート)1024×1024135秒5.8秒11.3GB13GB
int8+w4a8(テンプレート)1536×1536—14秒11.6GB13GB
bf16+bf161024×1024263秒14.7秒25.9GB27GB

「—」はこの測定で記録していません。VRAM 最大は、Windows の画面表示などのぶん(約1GB)も含めた GPU 全体の使用量で、2枚目の回の値です(int8 の1枚目は約11.4GB)。

MOSS-Image の int8 版(左)と bf16 版(右)で作った、机の上のPCとKOBO Labのマグカップの画像
左:int8+w4a8、右:bf16+bf16(どちらも 1024×1024・25ステップ・シード 2)

どちらも、指示に入れた「KOBO Lab」の文字がマグカップに描かれました。int8 と bf16 で構図や細部は変わりますが、今回の1組ではどちらも破綻はありません。

RTX 5090 以外の人へ(VRAM が少ない環境を想定した簡易テスト)

ComfyUI の --reserve-vram で VRAM の一部を使わずに残し、使える VRAM が少ない環境を想定して試しました。

注意

--reserve-vram は OS などのために VRAM を残しておく設定で、VRAM の容量そのものを制限する機能ではありません。これは VRAM 容量が少ない環境を想定した簡易テストで、実際の 16GB・12GB 搭載 GPU での動作を再現・保証するものではありません。

想定(int8+w4a8・1024×1024)結果2枚目の時間VRAM 最大(GPU 全体)ComfyUI の RAM
--reserve-vram 16 を指定生成できた5.8秒11.2GB13GB
--reserve-vram 20 を指定生成できた5.8秒11.3GB13GB
32GB をそのまま生成できた5.8秒11.3GB13GB

3つの条件で VRAM の最大は 11.2〜11.3GB とほぼ同じでした。この表は、少ない VRAM で動くかを確かめたものではなく、この設定の RTX 5090 での使用量が約11.3GB だったことを示しています。

8GB 相当は試していません。VRAM の少なさは VRAM 不足の対処法 も参考にしてください。

小型テキストエンコーダーで軽くできる?

Qwen3.5 9B の代わりに、0.8B・2B・4B の小さいモデルを使えるようにする「mini encoder」という第三者の実験的なものが Hugging Face で公開されています(Apache-2.0)。ファイルは 約1〜4GB で、専用のカスタムノードと、モデルの大きさ・量子化の種類に合わせた「アダプター」というファイルを組み合わせて使います。

作者の説明では、元の 9B と比べた似ている度合い(コサイン類似度)は 0.85〜0.90 で、アダプターの組み合わせを間違えると画質が落ちるとされています。公式のものではなく、今回は試していません。

つまずきやすいところ

  • テンプレートが出てこない:ComfyUI が 0.42.0 より古いと出ません。
  • テキストエンコーダーが選べない:models\text_encoders に入れたあと、ComfyUI を起動し直してください。
  • VAE を間違える:MOSS-Image のテンプレートは flux2-vae_small.safetensors を使います。FLUX.2 の通常の VAE(flux2-vae.safetensors)とは別のファイルです。
  • LoRA を学習したい:公式の説明では、LoRA の学習には SFT ではなく Base を使います。

よくある質問(FAQ)

Q. MOSS-Image に必要な VRAM はどれくらいですか?

RTX 5090 で公式テンプレート(int8+w4a8・1024×1024)を使うと、GPU 全体で最大 約11.3GBでした。VRAM が少ない環境を想定した簡易テストの結果は本文の表を見てください(実際の GPU での動作を保証するものではありません)。

Q. MOSS-Image は VRAM 8GB で動きますか?

公式の資料では確かめられず、この記事でも試していません。

Q. MOSS-Image は日本語の文字を描けますか?

公式に得意とされているのは英語と中国語の文字です。日本語は今回試していません。

Q. MOSS-Image は商用利用できますか?

ライセンスは Apache-2.0 で、商用利用もできます。

Q. SFT と Base はどちらを使えばいいですか?

画像を作るなら SFT(テンプレートが使う版)、LoRA を学習するなら Base です。

Q. 1枚にどれくらいかかりますか?

RTX 5090 で 1024×1024・25ステップが、int8 版で約5.8秒でした(2枚目以降)。

まとめ

MOSS-Image は、ComfyUI の公式テンプレートで、追加のノードなしで動きます。RTX 5090 では、軽い int8 版で 1024×1024 が約5.8秒でした(今回のテスト条件で)。文字の描画やレイアウト指定を試したい人は、まずテンプレートどおりの int8+w4a8 から始めるのがおすすめです。

この記事の検証環境

RTX 5090(32GB)/ RAM 128GB / Windows 11 / ComfyUI master b5a43215 / MOSS-Image SFT int8・bf16(Comfy-Org)/ 2026-10-31
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 2枚目以降の時間:同じ指示でシードだけ変えたので、指示の読み込み(テキストエンコーダー)は1枚目だけ動いています。
  • 画質:int8 と bf16 の比較は1組だけなので、優劣は言えません。
  • 試していないこと:VRAM 8GB での動作、日本語の文字、mini encoder、テンプレートの TextGenerate。

参考にした公式資料

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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