P-H3-ImageをComfyUIで実測|8MPが約11秒、w4a8・int8・LoRAを比較

P-H3-Image で作った陶芸家の画像 ComfyUI

この記事について(広告・アフィリエイトリンクはありません)

紹介しているモデルは無料で入手できます。ライセンスの地域の条件は後述します。この記事の画像は AI で生成したものです。

P-H3-Image は、PrunaAI が MiniMax H3 をもとに作った画像モデルです。2912×2912 の 8MP を8ステップで作り、最大8枚の画像を使った編集もできるとされています。

ComfyUI の標準ノードだけで動きました。RTX 5090 で 8MP が約11秒です。w4a8 版の VRAM ピークは約20.8GB で、公式の「21GB」とほぼ同じでした。6ステップで速くする方法はP-H3-Image の Turbo LoRA の記事で試しています。

まず試すなら w4a8(今回のテスト条件で)

構成(2912×2912、8 ステップ)アップサンプラー1枚(2枚目以降の中央値)VRAM ピーク
w4a8なし11.0秒20.8GB
int8なし11.2秒(2枚目の1回)29.5GB
LoRA + H3 FL2VA pruned int8なし13.8秒(2枚目の1回)30.5GB
w4a8bf1611.4秒約31GB

int8 と LoRA の行は、アップサンプラーなしで別に作った各2枚の値です。アップサンプラー bf16 ありで15枚ずつ作ったときは、int8 が 11.2秒・約31GB、LoRA が 13.5秒・約31GB でした。

  • まず試すなら w4a8 です。今回は int8 との時間の差がほとんどなく、VRAM は約9GB 少なく済みました。
  • 短いプロンプトではアップサンプラーを入れたほうが安定しました。使わない場合は5枚中1枚で画像の上下に白い帯が出ました。
  • 最初の1枚は、モデルの読み込みで2〜6分かかりました(モデルは USB の HDD)。

看板の「ラーメン」は、見た範囲ではどの条件でも読めました。小さいメニューの文字は崩れます。

ComfyUI は v0.44.0 以降が必要で、配布ページの「nightly が必要」より先に、v0.44.0 のタグに対応が入っていました。

ラーメン店のネオン看板を、w4a8、アップサンプラー付き、int8、LoRA の 4 条件 5 シードで並べた比較
ラーメン店のネオン看板を、w4a8、アップサンプラー付き、int8、LoRA の 4 条件 5 シードで並べた比較

試した環境

項目内容
GPURTX 5090(32GB)
CPU / RAMRyzen 9 9950X3D / 128GB
OSWindows 11
ComfyUIv0.44.0 2c75dc1b(別のフォルダーに用意)。カスタムノードなし
PyTorch2.14.0+cu130
サンプラーeuler、公式の8ステップのシグマ、CFG なし
シード101、202、303、404、505
検証日2026年11月4日

ComfyUI を v0.44.0 以降にして、ファイルを置くだけ

  1. ComfyUI を v0.44.0 以降にします。更新の方法はこちらにまとめています。
  2. 下のファイルを置きます。カスタムノードは要りません。
ファイルサイズ置き場所
p-h3-image_w4a8.safetensors13.4GBmodels\diffusion_models
p-h3-image_text_encoder_w4a8.safetensors3.6GBmodels\text_encoders
p-h3-image_vae_int8_convrot.safetensors3.1GBmodels\vae
p-h3-image_prompt_upsampler_bf16.safetensors19.3GBmodels\text_encoders

アップサンプラーは、短い依頼を詳しいプロンプトに書き直すモデルです。容量を抑えるなら w4a8 版(6.7GB)もあります。

下の JSON は、公式のワークフローの構成を上のファイルに合わせたものです。

  • p_h3_image_t2i_workflow.jsonComfyUI にドラッグして読み込みます(8MP、8 ステップ。w4a8 + bf16 のアップサンプラー。カスタムノードなし)
  • p_h3_image_edit_workflow.jsonComfyUI にドラッグして読み込みます(8MP、8 ステップ。w4a8 + bf16 のアップサンプラー。カスタムノードなし)

どちらも画面から実行して、成功を確かめました。編集のほうは、画像を2枚選び直してください。公式のワークフローは配布ページの workflows にあります。

P-H3-Image の text-to-image のワークフロー。モデル、シグマシフト、アップサンプラー、条件付けのノードが並ぶ
P-H3-Image の text-to-image のワークフロー。モデル、シグマシフト、アップサンプラー、条件付けのノードが並ぶ

古い ComfyUI でテンプレートを開くとどうなる?

v0.43.0 で公式のテンプレート(p-h3-image_text_to_image.json)を開くと、PH3ImageConditioning のノードだけが赤くなりました。 テンプレートが使うノードを v0.43.0 のノード一覧と照らし合わせると、足りないのはこの1つだけです。

ComfyUI v0.43.0 で P-H3-Image の公式テンプレートを開いた画面。PH3ImageConditioning が赤くなり、5件の問題と表示されている
ComfyUI v0.43.0 で P-H3-Image の公式テンプレートを開いた画面。PH3ImageConditioning が赤くなり、5件の問題と表示されている

「5件の問題」のうち残りの4件は、モデルファイルを置いていない環境で開いたためです。赤い×が付くノードが PH3ImageConditioning なら、ComfyUI を v0.44.0 以降に更新すれば直ります。更新の手順はComfyUI のアップデート方法にあります。

配布ページによると、Desktop 版と Comfy Cloud は安定版の更新に合わせて対応します。Desktop 版は試していません。

どのページからダウンロードする?

ComfyUI で使うのは PrunaAI/P-H3-Image-Comfy です。名前の似た PrunaAI/P-H3-Image は diffusers 用で、ファイルは全部で約99.8GB あります。間違えて落とさないよう注意してください。

セット本体テキストエンコーダーVAE合計
w4a8(迷ったらこれ)13.4GB3.6GB3.1GB(int8)約20.1GB
int821.2GB5.1GB3.1GB(int8)約29.5GB
bf1640.5GB9.1GB5.6GB約55.2GB

Hugging Face の表示から計算した大きさ(1GB=10億バイト)。

プロンプトアップサンプラーは別のファイルで、上の合計には入っていません。w4a8 版は 6.7GB、int8 版は 9.7GB、bf16 版は 19.3GB です。

時間は w4a8 と int8 でほぼ同じ、VRAM は w4a8 が少ない

この表の時間と VRAM は、どれもアップサンプラーなしの値です。w4a8 は3つのプロンプトを5シードずつの計15枚、int8 と LoRA は各2枚の2枚目です。

構成1枚の時間1ステップ2枚目以降の VRAM ピーク
w4a8(なし)11.0秒1.05秒20.8GB
int8(なし)11.2秒1.05秒29.5GB
LoRA + H3 FL2VA pruned int8(なし)13.8秒1.33秒30.5GB
bf16未測定未測定公式値 56GB

「1ステップ」は、ログの進捗の時刻から出した間隔です(8ステップ目−1ステップ目)÷7。「1枚の時間」にはサンプラーの起動、デコード約1.8秒、保存約0.7秒なども入るので、1枚の時間を8で割っても同じ値にはなりません(11.0÷8=1.38 など)。

  • w4a8 と int8:時間はほぼ同じで、絵の傾向も似ています。シードが同じでも細部や配置は変わります。
  • LoRA:H3 本体をすでに持っている人向けです。2GB の追加で済みます。アップサンプラーなしでは 11.0秒→13.8秒、bf16 ありでは 11.4秒→13.5秒で、約2〜3秒遅くなりました。
  • bf16:55GB あり、公式のピークは 56GB なので、32GB の GPU では試していません。

int8 の時間は w4a8 と差がありませんでした。今回の条件では int8 を選ぶ理由が時間からは見つかりません。 品質は、公式の説明では int8 のほうが bf16 に近いとされています。私は bf16 と比べていません。

アップサンプラーは入れたほうがいい?

短い依頼文を同じシードで比べました。

比べるところなしあり(bf16)
構図の安定シードでばらつく。ネオンの1枚は上下に白い帯よくそろう
依頼文にない文字ネオンの1枚に余計な文字今回の15枚では目立たず
色鮮やか。情報が多い落ち着いた写真風
依頼の解釈文字どおり書き足しが増える

「あり」は、シードを変えても似た絵が続きました。ネオンの条件では、私の依頼になかった傘の2人が全シードに入っています。安定する代わりに、モデルが解釈を足します。 細かく決めたいときは、生成された文章を読んで手で直すのが確実です。

文章を作る時間は、メモリーにあれば数秒

条件時間
bf16、モデルがメモリーにある約3秒
w4a8、モデルがメモリーにある約5〜8秒
HDD からの最初の読み込みを含む90〜200秒

w4a8 の値は回数が少なく、前後の読み込みの影響も受けています。同じ依頼なら結果が再利用されるので、シードだけ変えるときは時間がかかりません。

アップサンプラーを VRAM に残すと、ピークは約31GB になります。 公式の「21GB」は、画像モデル一式の値です。VRAM が少ない環境では、次の節のように自動で外されます。

8MP でどこまで写る?

左が全体、右が同じ画像の等倍の切り抜き。顔のしわや眼鏡はしっかり出ています。手や陶器の細かい部分は崩れることがあり、手の破綻は公式の説明にも書かれています。

8MP の陶芸家の画像の全体と、顔の部分の等倍の切り抜き
8MP の陶芸家の画像の全体と、顔の部分の等倍の切り抜き

4MP(2048×2048)にすると、1枚 5.1秒 でした。

短くて大きい日本語なら読める

"ラーメン" の看板を、4条件5シードの計20枚で作りました。

ラーメンの看板を 4 条件 5 シードで並べた比較。大きな文字はどれも読める
ラーメンの看板を 4 条件 5 シードで並べた比較。大きな文字はどれも読める

大きなカタカナは、見た範囲ではどれも読めました。一方で「なし」の店頭の小さなメニューやのぼりは、それらしい別の文字になっています。短くて大きい文字なら期待できます。 長い日本語や漢字は試していません。

参照1枚の編集は約12秒

画像を4MP に縮めて編集します。編集の依頼文は英語で試しました。

編集1枚(2枚目以降)結果(見た範囲)
背景を海辺に変える(1枚)約11.7秒5枚とも人物を保って変更
エプロンを赤に変える(1枚)約12秒5枚ともエプロンだけ変更
別の画像の帽子をかぶせる(2枚)約21.5秒3枚とも成功
陶芸家の入力画像と赤いベレー帽の参照画像、帽子をかぶせた 3 シードの結果
陶芸家の入力画像と赤いベレー帽の参照画像、帽子をかぶせた 3 シードの結果
陶芸家の背景を海辺の夕暮れに変えた 4 シードの結果
陶芸家の背景を海辺の夕暮れに変えた 4 シードの結果

背景の変更では、人物の切り抜きのような違和感は少なめでした。SameFace で測ると、背景や服だけの編集での顔の形のずれは、どれも 0.01% 未満でした。

編集はシードで結果が大きく変わる

顔を変える依頼を、同じ画像の5シードで試しました。下の画像はそのうち4シードです。

同じ女性の画像に、笑う、老ける、細く、目を大きく、背景を図書館に、の依頼を 4 シードで行った比較。seed 101 は肌の質感だけが変わる
同じ女性の画像に、笑う、老ける、細く、目を大きく、背景を図書館に、の依頼を 4 シードで行った比較。seed 101 は肌の質感だけが変わる
依頼見た目(見た範囲)
笑うseed 101 以外は成功(5枚中4枚)
目を大きくseed 101 以外は成功(5枚中4枚)
背景を図書館に5枚とも成功
30歳老けるはっきりしわが出たのは5枚中1枚
頬を細くわずかな変化

seed 101 だけ、依頼が効かないうえに、肌にそばかすが増えて硬い写りになりました。 最初はこれを見て、編集が苦手なモデルと思い込みました。int8 でも同じ seed で同じ傾向で、w4a8 だけの問題ではありません。1枚で判断せず、シードを変えて確かめてください。

参照の枚数は2枚までしか試していません。最大8枚は公式の説明です。

RTX 5090 以外の人へ

--reserve-vram は、OS などのために VRAM を残しておく設定です。w4a8 +アップサンプラー w4a8 で試しました。20 と 24 は各2枚、指定なしは1枚です。

--reserve-vram結果2枚目VRAM ピーク(開始時からの増加)
指定なし成功未測定(1枚目は読み込み込み 172.9秒)26.3GB(約24.6GB)
20(計算上の残り 約12.1GB)成功11.4秒14.0GB(約12.3GB)
24(計算上の残り 約8.0GB)成功11.5秒9.8GB(約8.1GB)

比べる基準は「開始時からの増加」です。総 VRAM の 32,580MB から指定分を引いた残りは約12.1GB と約8.0GB で、増加の約12.3GB と約8.1GB はこれとほぼ同じでした。ピークの 14.0GB と 9.8GB は、開始時に別のソフトが使っていた約1.7GB を含みます。今回はどの指定でも失敗していません。どこまで減らすと失敗するかは測っていません(未確認)。

VRAM 容量が少ない環境を想定した簡易テストです。実際の 8GB・12GB 搭載 GPU での動作を再現・保証するものではありません。 速度の落ちは小さく見えますが、128GB の RAM があっての結果です。ComfyUI の RAM は約30GB でした。公式の説明では、int8 の演算は NVIDIA Ampere 以降か AMD RDNA3/4 向けです。VRAM 不足の対処はこちらにまとめています。

商用で使うときの条件は?

配布の LICENSE は、MiniMax H3 本体の LICENSE と1バイトも違わない同じファイルでした。原文の主な条件です。

  • 対象地域:EU、英国、韓国、米国は対象外です。対象外の地域では、モデルも出力も利用が認められていません。
  • 表示:MiniMax H3 を使った製品やサービスには「Powered by MiniMax H3」の表示が必要です。
  • 大きな事業:年商2,000万ドルを超える商用の製品やサービスは、MiniMax の事前の書面の許可が必要です。

出力にも決まりがあります。MiniMax H3 とその派生以外の AI モデルの改善に使うことは禁止。MiniMax は出力の権利を主張しないとされていて、責任は使う人にあります。

テキストエンコーダーの Qwen3-VL の部分とアップサンプラーは Apache-2.0 と NOTICE にあります。法的な助言ではないので、使う前に全文を確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. ComfyUI のどの版が必要ですか?

今回は v0.44.0 で動きました。対応の変更はこのタグに含まれています。古い版では PH3ImageConditioning がありません。Desktop 版は試していません。

Q. 容量はどれくらいですか?

w4a8 の一式で約20GB、アップサンプラーを足すと w4a8 版で約27GB、bf16 版で約39GB です。

Q. H3 を持っていれば LoRA だけで動きますか?

動きました。ただし P-H3-Image のテキストエンコーダーと VAE は今回も使っています。H3 FL2VA の pruned int8 + LoRA で試しました。

Q. 動画も作れますか?

このモデルは画像用です。動画は MiniMax H3 本体を使います。

Q. 商用で使えますか?

地域、表示、売上などの条件があります。上の節と原文を確認してください。

まとめ

  • 8MP が約11秒で、w4a8 の VRAM は公式値どおりでした。
  • 短い依頼文なら、アップサンプラーで安定します。解釈の書き足しには注意が必要です。
  • 編集は速く、指定した部分をよく変えます。ただしシードで結果が大きく変わります。

この記事の検証環境

RTX 5090(32GB)/ Ryzen 9 9950X3D / 128GB / Windows 11 / ComfyUI v0.44.0(2c75dc1b)/ PyTorch 2.14.0+cu130 / カスタムノードなし / 2026年11月4日
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 修正の履歴:2026年11月4日に、編集の節を訂正しました。最初の版では「編集で肌にそばかすが増える」と書きましたが、ほぼ seed 101 だけの現象でした。
  • 枚数:プロンプト3種類×5シードを、w4a8、w4a8 +アップサンプラー、int8 +アップサンプラー、LoRA +アップサンプラーで作りました。上の表との対応:w4a8 はアップサンプラーなしの15枚、w4a8 +アップサンプラーは bf16 の15枚です。表の int8 と LoRA は、この15枚ではなく、アップサンプラーなしで別に作った各2枚の値です。
  • 判定:画質と文字は私の目視です。文字の正解率は数値にしていません。
  • VRAM:起動の時点で別のソフトが約1.7GB 使っています。ピークはこれを含みます。
  • 読み込み時間:モデルは USB の HDD にあります。SSD ならもっと短いはずですが、測っていません。
  • 公式の値:L40S で 2048×2048 が 6.3秒、という公式の値とは GPU が違うので、比べていません。
  • アップサンプラー int8:試そうとしましたが、ファイル名が一覧になく(value_not_in_list)実行の前に弾かれました。測り直していないので未確認のままです。
  • 未確認のこと:bf16、アップサンプラー int8、参照3枚以上、Desktop 版、古い GPU、実際の 8GB・12GB GPU、長い日本語。

参考リンク

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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