RTX 5090 で ComfyUI を使うと、1枚・1本の生成にどれくらいかかるのか。KOBO Lab でこれまでに記事を書くために試した生成の記録から、Anima・Illustrious XL・SDXL・Wan 2.2 の4つのモデルの時間をまとめました。
この記事の数字は、すべて筆者の PC で実際に測った値です。この記事のために新しく測り直したものはなく、各モデルの記事を書いたときの記録(試した日・ComfyUI の版も下に書きます)をそのまま使っています。そのため、モデルごとに解像度やステップ数が違い、同じ条件での速さ比べではありません。
測り方
- ComfyUI に API で生成を送り、終わるまでの時間を外から測った(0.5〜1秒ほどの誤差がある)
- 2回目以降の値を載せる。1回目はモデルをファイルから読み込む時間が入るため、別に書く
- VRAM(GPU のメモリ)の量は、GPU 全体の使用量を
nvidia-smiで測った。Windows では1つのソフトだけの量を取り出せないため、画面表示などほかのアプリの分も入る - ほかの生成はしていない状態で測った。カスタムノード(後から足す拡張機能)は、入れていない環境か、止めた状態で試した
ステップ数は、絵を仕上げるまでの手順の回数です。多いほど時間がかかります。CFG は、プロンプトにどれだけ強く従わせるかの値です。くわしくは ComfyUI の基本ノード10選で説明しています。
画像生成の速さ(Anima・Illustrious XL・SDXL)

| モデル | 大きさ・設定 | 2回目以降 | 1回目(読み込み込み) | ComfyUI |
|---|---|---|---|---|
| Anima Turbo v1.1 | 832×1216・10ステップ・CFG 1・euler | 約1.7秒 | 約5.8秒 | 0.42.1 |
| SDXL 1.0 Base | 1024×1024・25ステップ・CFG 7・dpmpp_2m・karras | 約2.9秒 | 約7.2秒 | 0.43.0 |
| SDXL 1.0 Base+Refiner | 1024×1024・25ステップ(Base 20+Refiner 5)・CFG 8・euler | 約2.9秒 | 約9.1秒 | 0.43.0 |
| Illustrious XL v2.0 | 832×1216・28ステップ・CFG 5.5・euler_ancestral | 約3.3秒 | 約8.2秒 | 0.42.1 |
| Anima Base v1.0 | 832×1216・30ステップ・CFG 4 | 約6.6秒 | 約10.7秒 | 0.42.1 |
| Anima Base v1.0 | 1024×1024・30ステップ・CFG 4・euler | 約7.1秒 | 約11.3秒 | 0.42.1 |
Anima の本体は 2B(20億パラメータ)、Illustrious XL と SDXL は SDXL の仕組みのモデルです。同じくらいのステップ数なら、今回の条件では Anima Base のほうが Illustrious XL より約2倍長くかかりました。Anima Turbo は、少ないステップ(8〜12)で作るように調整された版なので、10ステップで約1.7秒と、今回いちばん速くなりました。
各モデルの設定は、それぞれの記事で「迷ったらこれ」にしている設定です。くわしくは Anima の使い方・Illustrious XL の使い方・SDXL の使い方にあります。
ステップ数を変えたときの時間
| モデル | ステップ数と1枚の時間 |
|---|---|
| Anima Base v1.0(832×1216・CFG 4・er_sde) | 20:約4.5秒 / 30:約7秒 / 40:約9秒 / 50:約11秒 |
| Illustrious XL v2.0(832×1216・CFG 5.5・euler_ancestral) | 20:約2.5〜2.7秒 / 28:約3.5〜3.6秒 / 40:約4.6〜4.9秒 |
| SDXL 1.0 Base(1024×1024・CFG 7・dpmpp_2m) | 15:約2秒 / 25:約3秒 / 40:約4秒 |
どのモデルも、ステップ数を増やすと時間が長くなりました(シード5つずつ)。Anima Base はほぼ比例していましたが、SDXL は 15→40 ステップで約2秒→約4秒と、比例より小さい増え方でした。
解像度・サンプラーを変えたときの時間
| モデル | 変えたところ | 1枚の時間 |
|---|---|---|
| Illustrious XL v2.0 | 832×1216 → 1024×1024 → 1248×1824 | 約3.5秒 → 約3.6秒 → 約7.6〜7.8秒 |
| SDXL 1.0 Base | 512×512 → 1024×1024 → 1216×832 | 約2秒 → 約3秒 → 約3秒 |
| Illustrious XL v2.0 | サンプラー euler_ancestral → dpmpp_2m_sde(karras) | 約3.5秒 → 約4.1〜4.6秒 |
| SDXL 1.0 Base | サンプラー dpmpp_2m → dpmpp_2m_sde | 約3秒 → 約4秒 |
画素数が約1.8倍になる 1248×1824 では、時間も約2倍になりました。dpmpp_2m_sde(途中でノイズを足す方式)は、同じステップ数でも少し時間がかかりました。CFG を変えても、時間はほぼ変わりませんでした。
動画生成の速さ(Wan 2.2)

| モデル | 大きさ・長さ・設定 | 1本の時間(シード5つ以上の目安) |
|---|---|---|
| Wan 2.2 T2V 14B(fp8)+LightX2V | 640×640・81フレーム(約5秒)・4ステップ・CFG 1 | 約31秒 |
| Wan 2.2 T2V 14B(fp8)+LightX2V | 1280×720・81フレーム・4ステップ・CFG 1 | 約114秒 |
| Wan 2.2 T2V 14B(fp8)LoRA なし | 640×640・81フレーム・20ステップ・CFG 3.5 | 約267秒 |
| Wan 2.2 T2V 14B(fp8)LoRA なし | 1280×720・81フレーム・20ステップ・CFG 3.5 | 約1,046秒(約17分) |
| Wan 2.2 TI2V 5B(fp16) | 1280×704・121フレーム(約5秒)・20ステップ・CFG 5 | 約134秒 |
| Wan 2.2 TI2V 5B(fp16) | 1280×704・121フレーム・10ステップ | 約75秒 |
| Wan 2.2 TI2V 5B(fp16) | 1280×704・121フレーム・30ステップ | 約193秒 |
| Wan 2.2 TI2V 5B(fp16) | 1280×704・121フレーム・50ステップ | 約312秒 |
| Wan 2.2 TI2V 5B(fp16) | 960×544・121フレーム・20ステップ | 約65秒 |
| Wan 2.2 TI2V 5B(fp16) | 1280×704・49フレーム(約2秒)・20ステップ | 約42秒 |
Wan 2.2 は、文章や画像から数秒の動画を作るモデルです。14B は、公式テンプレートの高速化 LoRA(LightX2V)を使うと4ステップで作れるため、640×640 なら約31秒でした。LoRA なしの20ステップでは約267秒と、8倍以上かかりました。
5B は、同じ設定で作った10本がすべて約134秒(1本目だけ約143秒)で、ばらつきはほとんどありませんでした。解像度を 960×544 に下げると約半分、長さを 49フレームにすると約3分の1の時間になりました。ただし、5B は解像度と長さを両方小さくすると崩れやすくなりました(Wan が動かないときの対処法)。
14B と 5B は、解像度・長さ・ステップ数が違うので、この表は速さの比べ合いではありません。ファイルや設定は Wan 2.2 の使い方にまとめています。
VRAM はどれくらい使った?
| モデル | 条件 | VRAM の量 |
|---|---|---|
| Anima Turbo v1.1 | 832×1216・10ステップ | 生成中に増えた量 約6.2GB |
| Anima Base v1.0 | 832×1216・30ステップ | 生成中に増えた量 約6.5GB |
| Illustrious XL v2.0 | 832×1216・28ステップ | 生成中に増えた量 約7.6GB |
| SDXL 1.0 Base | 1024×1024・25ステップ | 生成中に増えた量 約7.6〜7.8GB |
| SDXL 1.0 Base+Refiner | 1024×1024・25ステップ | 生成中に増えた量 約13.4GB |
| Wan 2.2 14B(fp8) | 生成中 | GPU 全体で約31.8GB(32.6GB 中) |
「生成中に増えた量」は、ComfyUI を起動する前の GPU 全体の使用量との差です。どの量も「そのモデルに必要な量」ではありません。筆者の ComfyUI 0.43.0 では、起動時に「DynamicVRAM support detected and enabled」と表示され、VRAM が空いていれば使えるだけ使ってモデルを読み込みます。Wan 2.2 14B で約31.8GB 使っていたのはそのためで、VRAM が少ない GPU では、足りない分をメインメモリへ逃がしながら動きます(そのぶん遅くなります)。
VRAM の容量ごとの目安は ComfyUI に必要な PC スペックと VRAM の目安に、足りないときの直し方は VRAM が足りないときの対処法にまとめました。
RTX 5090 以外の人へ
この記事の秒数は RTX 5090 だけの値です。ほかの GPU では測っていません。計算の速さは GPU の性能で変わるので、RTX 4060・4070・3060 などでは、上の秒数より時間がかかると考えてください。どれくらい長くなるかは、筆者は確かめていません。
VRAM が少ない環境を想定して、ComfyUI の起動オプション --reserve-vram の値を変えた簡易テストも、各モデルの記事でしています。結果は次のとおりです。
| モデル | --reserve-vram なし | 20GB を予約(12GB の GPU を想定) | 24GB を予約(8GB の GPU を想定) |
|---|---|---|---|
| Anima Turbo v1.1(832×1216) | 生成できた・約1.7秒 | 生成できた・約1.7秒 | 生成できた・約1.7秒 |
| Anima Base v1.0(832×1216) | 生成できた・約6.6秒 | 生成できた・約6.5秒 | 生成できた・約6.5秒 |
| Illustrious XL v2.0(832×1216) | 生成できた・約3.3秒 | 生成できた・約3.3秒 | 生成できた・約3.4秒 |
| SDXL 1.0 Base(1024×1024) | 生成できた・約2.9秒 | 生成できた・約2.8秒 | 生成できた・約2.9秒 |
| Wan 2.2 5B(1280×704・121フレーム) | 約134秒 | 生成できた・約134秒 | 生成できた・約134秒 |
| Wan 2.2 14B(LightX2V・640×640) | 約31秒 | 生成できた・約32秒 | 生成できた・約32秒 |
よくある質問(FAQ)
Q. RTX 5090 で SDXL の画像1枚は何秒ですか
筆者の RTX 5090 では、公式の SDXL 1.0 Base を 1024×1024・25ステップ・CFG 7・dpmpp_2m・karras で作ると、2回目以降は1枚約2.9秒でした。1回目はモデルの読み込みを含めて約7.2秒でした。
Q. RTX 5090 で Illustrious XL は何秒で作れますか
筆者の RTX 5090 では、Illustrious XL v2.0 を 832×1216・28ステップ・CFG 5.5・euler_ancestral で作ると、2回目以降は1枚約3.3秒でした。
Q. Anima は Illustrious XL より遅いですか
今回の条件では、Anima Base(30ステップ)は約6.6秒、Illustrious XL v2.0(28ステップ)は約3.3秒で、Anima Base のほうが約2倍かかりました。少ないステップで作る Anima Turbo(10ステップ)は約1.7秒でした。
Q. RTX 5090 で Wan 2.2 の動画は何秒で作れますか
筆者の RTX 5090 では、Wan 2.2 14B を公式テンプレートの高速化 LoRA(LightX2V)で4ステップにすると、640×640・約5秒の動画が約31秒でした。5B は 1280×704・121フレーム・20ステップで約134秒でした。
Q. RTX 4060 や 3060 だと何秒かかりますか
筆者は RTX 5090 以外の GPU では測っていません。計算の速さは GPU の性能で変わるので、この記事の秒数より時間がかかると考えてください。
Q. 生成の1回目だけ遅いのはなぜですか
1回目は、モデルのファイルを読み込んで VRAM に載せる時間が入るためです。筆者の環境では、SDXL で1回目約7.2秒、2回目以降約2.9秒でした。
まとめ
- RTX 5090 では、画像1枚は Anima Turbo 約1.7秒、SDXL 約2.9秒、Illustrious XL v2.0 約3.3秒、Anima Base 約6.6秒(それぞれのおすすめ設定、2回目以降)
- 動画は Wan 2.2 14B(LightX2V・4ステップ・640×640)で約31秒、5B(1280×704・121フレーム)で約134秒
- 時間はステップ数・解像度・長さを増やすほど長くなる(比例するとは限らない)。急ぐときは Turbo や高速化 LoRA のような少ないステップの版を使う
- モデルごとに条件が違うので、同じ条件の速さ比べではない。ほかの GPU では測っていない
検証メモ
- Anima Turbo の差:ほかの記事では Anima Turbo の1枚を約1.3〜1.8秒と書いています(Anima の使い方・ネガティブが効かない原因・複数キャラの描き分け)。測り方や ComfyUI の版、画像の大きさが違うため差が出た可能性があります(原因の切り分けは未実施)。
- ステップ数の表:各記事の設定比較のときの値で、最初の表とは測った回が違うため、同じ設定でも0.5秒ほど違うことがあります。
- SDXL の約2.9秒:Base も Base+Refiner も、2回目の1回分を外から測った値です。ComfyUI のログでは Base 2.63秒、Base+Refiner 2.80秒でした。
--reserve-vramの表:SDXL の「なし」の列は、--reserve-vram 1で起動した回の値です。- VRAM の単位:VRAM の表の GB は、
nvidia-smiの値を 1000 で割ったものです。
参考にした公式資料
- circlestone-labs/Anima(Hugging Face・公式):2B のモデル、Turbo のおすすめステップ数
- OnomaAIResearch/Illustrious-XL-v2.0(Hugging Face・公式)
- stabilityai/stable-diffusion-xl-base-1.0(Hugging Face・公式)
- ComfyUI 公式チュートリアル:Wan2.2 Video Generation:公式テンプレートの設定
- ComfyUI(GitHub・公式):起動オプション
--reserve-vramの説明(comfy/cli_args.py)

