ComfyUIのNVFP4は速い?RTX 5090でFP8・INT8・BF16と比較【Z-Image-Turbo実測】

ComfyUIのNVFP4をRTX 5090でFP8・INT8・BF16と比較 ComfyUI

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RTX 50 シリーズ(Blackwell 世代)を買うと、「NVFP4 なら速い」という話を目にします。NVFP4 は、NVIDIA の新しい GPU が計算できる4ビットの数値の形式で、モデルを小さくしながら速く動かすためのものです。ComfyUI も対応しています。

では実際にどれくらい違うのか。この記事では、公式に NVFP4 版が配られている画像生成モデル Z-Image-Turbo を使い、RTX 5090 で NVFP4・INT8・FP8・BF16 を同じ条件で比べました。時間・VRAM・画像の違いを、すべて実測で載せます。確かめられなかった点は末尾の「検証メモ」に書きました。

先に結論(今回のテスト条件で)

1枚(1024×1024・8ステップ)の時間は、BF16 約2.8秒 → NVFP4 約1.4秒(約2倍速)。サンプリングの速さは 3.3 → 7.7 it/s でした。

公式の INT8 版も約1.6秒と速く、画像は INT8 のほうが BF16 に近い結果でした(似ている度合い SSIM:INT8 0.93、NVFP4 0.69)。

BF16 のファイルを ComfyUI で FP8 に変換して読み込む方法は、VRAM は減ったものの速くはなりませんでした(約2.9秒)。

NVFP4 の画像も破綻はなく、構図や細部が少し変わる程度でした。速さ優先なら NVFP4、BF16 に近い絵がほしいなら INT8、が今回の見立てです。

NVFP4 で速くなるのは RTX 50 シリーズなどの Blackwell 世代で、PyTorch が CUDA 13.0 版(cu130)のときだけです(公式ブログ)。

試した環境

GPUNVIDIA GeForce RTX 5090(32GB)
CPU / メモリAMD Ryzen 9 9950X3D / 128GB
OSWindows 11
ComfyUIv0.43.0(ポータブル版、カスタムノードなし)
PyTorch2.14.0+cu130(ポータブル版に同梱)
comfy-kitchen0.2.40(NVFP4 などの計算を担う部品。ComfyUI に同梱)
確認した日2026年10月30日

ComfyUI を起動したときのログに「Native ops: … nvfp4 …」と出ていて、NVFP4 の計算を GPU で直接行える状態でした。

NVFP4・INT8・FP8・BF16 は何が違う?

モデルの中身は大量の数値(重み)です。その数値を何ビットで持つかで、ファイルの大きさと計算の速さが変わります。ビット数が少ないほど小さく速くなりますが、元の数値からずれるので、絵が少し変わることがあります。

形式ざっくり言うと今回使ったファイル(大きさ)
BF1616ビット。元の精度に近い基準z_image_turbo_bf16.safetensors(11.46GiB)
FP8(変換)8ビット。BF16 のファイルを読み込むときに ComfyUI が変換上と同じファイル。「拡散モデルを読み込む」の「重みdtype」を fp8_e4m3fn に
INT88ビットの整数。公式に配布z_image_turbo_int8_convrot.safetensors(5.78GiB)
NVFP44ビット。Blackwell 世代の GPU で速く計算できる。公式に配布z_image_turbo_nvfp4.safetensors(4.20GiB)

Comfy-Org の Z-Image-Turbo の配布ページには、BF16・INT8・NVFP4 の3つがあり、FP8 のファイルはありませんでした(2026年10月30日時点)。そのため FP8 は、ComfyUI の読み込み時の変換で比べています。公式の FP8 ファイルとは別物です。

比べた条件

ComfyUI に入っている公式テンプレート「Z-Image-Turbo」と同じ設定にしました。

  • 解像度 1024×1024、8ステップ、CFG 1、サンプラー res_multistep、スケジューラー simple、シフト 3(ModelSamplingAuraFlow)
  • テキストエンコーダーは qwen_3_4b.safetensors(models\text_encoders、タイプ lumina2)、VAE は ae.safetensors(models\vae)。拡散モデルは models\diffusion_models に置く
  • プロンプト2つ(カフェの写真風・雪山のアニメ風)×シード5つ(11〜55)=1形式10枚
  • 各形式で、まずモデルを外した状態から1枚作り(初回)、そのあと10枚を作って時間を記録。これを5条件(表は4形式。fp8_e4m3fn_fast は表では省略)で2回ずつ繰り返した
  • 時間は ComfyUI の記録(実行開始〜終了。サンプリング・VAE・保存を含む)、速さ(it/s)は ComfyUI のログのサンプリングの値
  • VRAM は nvidia-smi で0.15秒ごとに測り、モデルを外した直後からの増え方(最大値)を MiB ÷ 1024 の GiB で示した
Z-Image-Turbo の NVFP4 版を読み込んだ ComfyUI のワークフロー
使ったワークフロー(NVFP4 版)。形式を変えるときは「拡散モデルを読み込む」のファイルだけを替える

結果1:速さ

形式サンプリング(it/s)1枚の時間(平均)初回(読み込み込み)1回目/2回目
BF163.282.77秒9.4秒/6.5秒
FP8(変換)3.142.89秒6.8秒/6.6秒
INT86.551.56秒6.1秒/4.4秒
NVFP47.661.41秒5.3秒/4.2秒

1枚の時間とサンプリングの速さは、2回とも10枚の平均でほぼ同じ値でした(ばらつきは ±0.1 it/s 以内)。NVFP4 はサンプリングが BF16 の約2.3倍、1枚の時間では約2倍速でした。公式ブログの「FP8 や BF16 の約2倍」とおおむね合います。1枚の時間には VAE(画像に戻す処理)や保存も入るので、サンプリングほどは差が開きません。

FP8 の変換は、今回は BF16 より少し遅くなりました。重みは8ビットで持っても、計算のときに16ビットに戻しているためと考えられます(推測)。「速い FP8」として用意されている fp8_e4m3fn_fast も試しましたが、時間も画像も fp8_e4m3fn と同じでした。

結果2:VRAM

形式増えた VRAM(最大、1回目/2回目)ComfyUI が用意した拡散モデルの大きさ(ログ)
BF1621.7GiB/21.8GiB11738MB
FP8(変換)16.0GiB/16.0GiB5869MB
INT816.0GiB/16.1GiB5888MB
NVFP414.6GiB/14.5GiB4299MB

VRAM の増え方には、拡散モデルのほかにテキストエンコーダー(qwen_3_4b、約7GiB)や VAE、計算の途中のデータも入っています。そのため、ファイルの大きさの差ほどは開きません。BF16 から NVFP4 で約7GiB 減りました。

ComfyUI 0.43 の VRAM の使い方

ComfyUI 0.43 は「DynamicVRAM」という仕組みで、空いている VRAM に合わせてモデルを置いたり外したりします。そのため、上の値は「その形式でこれだけ必要」という最低ラインではなく、「RTX 5090 で今回これだけ使った」という記録です。

結果3:画像の違い

カフェで本を読む女性の写真風の画像を BF16 FP8 INT8 NVFP4 で5シードずつ並べた比較
カフェの写真風(上から BF16・FP8・INT8・NVFP4、左からシード 11〜55)
雪山で赤いマフラーの銀髪の少女のアニメ風の画像を4形式で5シードずつ並べた比較
雪山のアニメ風(同じ並び)

どの形式も、プロンプトの内容(人物・小物・背景)はそろっていて、崩れた画像はありませんでした。違いは主に構図や細部です。

  • INT8:BF16 とほとんど同じ絵。本の角度や湯気の形が少し違う程度
  • FP8(変換):構図は同じで、顔の向きや小物の位置が少し変わる
  • NVFP4:構図は近いが、人物の位置や背景の木・明かりの配置が変わることが多い

BF16 の画像との似ている度合いを、画像処理でよく使う SSIM(1.0 で完全に同じ)で測ると、10枚の平均は INT8 0.93、FP8 0.80、NVFP4 0.69 でした。SSIM が低いのは「BF16 と違う絵」という意味で、「画質が悪い」という意味ではありません。どれがきれいかは好みの問題も大きいので、上の画像で見比べてください。

RTX 5090 以外の GPU ではどうなる?

NVFP4 で速くなるのは、Blackwell 世代(RTX 50 シリーズなど)だけです。公式ブログによると、それ以外の GPU でも NVFP4 のファイルは動きますが、速くはならず、PyTorch が cu130 でない場合はサンプリングが FP8 より最大2倍遅くなることもある、とされています。RTX 40 シリーズ以前の人は、まず INT8 か BF16 を選んでください(RTX 40 以前で INT8 が速くなるかは試していません)。

VRAM が少ない環境を想定して、RTX 5090 で --reserve-vram 20(20GB を ComfyUI 以外のために空けておく設定)にした簡易テストもしました。4形式とも生成でき、1枚の時間は BF16 2.8秒・FP8 2.9秒・INT8 1.5秒・NVFP4 1.4秒と、制限なしとほぼ同じでした。VRAM の増え方は最大約12.6GiB(NVFP4)でした。

注意

--reserve-vram は OS などのために VRAM を残す設定で、VRAM の容量そのものを制限する機能ではありません。これは VRAM 容量が少ない環境を想定した簡易テストで、実際の 12GB・16GB の GPU での動作を再現・保証するものではありません。

GPU ごとの目安は、ComfyUI に必要な PC スペックとVRAM が足りないときの対処法にまとめています。

NVFP4 を使う手順

  1. z_image_turbo_nvfp4.safetensors を models\diffusion_models に置く(テキストエンコーダーと VAE は BF16 版と共通)
  2. 下のワークフローを ComfyUI の画面にドラッグ&ドロップする(または、公式テンプレート「Z-Image-Turbo」の「拡散モデルを読み込む」でファイルを NVFP4 版に替える)
  3. ComfyUI の起動ログに pytorch version: 2.x.x+cu130 と出ているかを確かめる。cu130 でなければ NVFP4 は速くならない
  4. 実行する

Z-Image-Turbo のライセンスは Apache-2.0(Hugging Face のモデルページの表示)で、生成した画像の商用利用も含めて比較的自由に使えます。使う前にモデルページの表示を確認してください。

よくある質問(FAQ)

Q. NVFP4 は本当に速いですか?

RTX 5090 と Z-Image-Turbo(1024×1024・8ステップ)では、1枚が BF16 の約2.8秒から約1.4秒になり、約2倍速でした。サンプリングだけなら約2.3倍です。

Q. NVFP4 は RTX 40 シリーズでも使えますか?

ファイル自体は読み込めますが、速くなるのは Blackwell 世代(RTX 50 シリーズなど)だけです。公式ブログでは、それ以外では FP8 より遅くなることもあると説明されています。今回は RTX 5090 以外では試していません。

Q. NVFP4 にすると画質は落ちますか?

今回の20枚では崩れた画像はなく、構図や細部が BF16 から少し変わる程度でした。BF16 に近い絵がほしいなら、公式の INT8 版のほうが近い結果でした。

Q. FP8 にすると速くなりますか?

BF16 のファイルを ComfyUI で FP8 に変換して読み込む方法では、VRAM は約6GiB 減りましたが、速さは BF16 とほぼ同じ(少し遅い)でした。

Q. NVFP4 を使うのに必要なものは?

Blackwell 世代の GPU、CUDA 13.0 版の PyTorch(cu130)、NVFP4 で配布されたモデルです。今回は ComfyUI v0.43.0 のポータブル版(PyTorch 2.14.0+cu130、comfy-kitchen 0.2.40 同梱)で、追加の導入は不要でした。

まとめ

RTX 5090 で Z-Image-Turbo を比べたところ、NVFP4 は BF16 の約2倍の速さで、VRAM も約7GiB 少なく済みました。画像は BF16 から少し変わりますが、破綻はありませんでした。BF16 に近い絵を保ちつつ速くしたいなら INT8 もよい選択です。RTX 50 シリーズを持っているなら、公式の NVFP4 版が配られているモデルではまず試す価値があります。

この記事の検証環境

Windows 11 / RTX 5090 / ComfyUI v0.43.0(PyTorch 2.14.0+cu130、comfy-kitchen 0.2.40)/ Z-Image-Turbo(Comfy-Org 配布の BF16・INT8・NVFP4)/ 2026年10月30日。4形式(BF16・FP8(変換)・INT8・NVFP4)に fp8_e4m3fn_fast を加えた5条件×2回×(初回1枚+10枚)=110枚を生成。fp8_e4m3fn_fast は結果が fp8_e4m3fn と同じだったため、表では省略した。
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 初回の時間:ファイルを読み込む時間を含みます。今回はダウンロード直後でファイルがパソコンのメモリに残っていた可能性があり、HDD から初めて読むときはもっとかかるはずです。
  • ファイルの大きさ:1024³ で割った GiB で示しました。
  • 未確認のこと:RTX 40 シリーズ以前での INT8・NVFP4、HDD から初めて読むときの初回の時間、公式の FP8 ファイル(配布なし)。

参考にした公式情報

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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