Wan 2.2向けKJNodes4つの効果を比較【2026年版】NAG・Enhance-A-Video・RifleX

AI動画・プロンプト

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Wan 2.2 の動画を ComfyUI-KJNodes のノードでよくできるのかを比べたところ、今回の条件では4つとも、はっきりよくなったとは言えない結果でした。

KJNodes の使い方⑥で「動いた」ことまでは確かめた Wan 用の4つのノードを、今回は効果があるかに絞り、シードを5つ変えて試しています。効果が見えなかったことも、条件と一緒にそのまま載せます。測り方の補足は末尾の「検証メモ」へ。

先に結論(今回の条件では)

・WanVideoNAG:CFG 1 でもネガティブを効かせるノード。ネガティブに「雪」「日の光」を入れても、プロンプトに書いた雪や光は消えなかった。キツネの位置や大きさは変わった
・WanVideoEnhanceAVideoKJ:weight 1・2 は、ほぼ見分けがつかなかった。weight 4 にすると、5本中2本で構図が変わった
・ApplyRifleXRoPE_WanVideo:動画を長くしても崩れにくくする仕組み。161フレーム(約10秒)では、なしでも崩れず、差は見えなかった
・WanChunkFeedForward:絵は同じで、1本あたり約137秒が約132秒になった。VRAM の差は、今の ComfyUI の作りのため測れなかった

試した環境(2026年10月29日)

Windows 11 / GeForce RTX 5090(VRAM 32GB)/ ComfyUI 0.43.0 ポータブル版(試験用。ComfyUI-KJNodes 1.5.2 だけを読み込み。2026年10月30日時点の公開版は 1.5.3 で、1.5.3 では試していません)
14B:Wan 2.2 T2V A14B(fp8)+ LightX2V 4ステップ LoRA、640×640・81フレーム・4ステップ・CFG 1(使い方の記事と同じ公式テンプレートの設定)
5B:Wan 2.2 TI2V 5B(fp16)、1280×704・121フレーム・20ステップ・CFG 5
プロンプトはどれも「雪の森を歩く赤いキツネ」。シードは 11・22・33・44・55 の5つ

WanVideoNAG:CFG 1 でネガティブを効かせる

14B の高速設定(LightX2V で4ステップ)は CFG 1 で作るため、ネガティブプロンプトがほとんど効きません(トラブルの記事)。NAG(Normalized Attention Guidance)は、CFG を上げずにネガティブを効かせる方法で、WanVideoNAG はそれを Wan にかけるノードです。

ComfyUI で Wan 2.2 14B に WanVideoNAG をかけたワークフロー
high・low の2つのモデルそれぞれに WanVideoNAG をかけ、NAG 用のネガティブ(下の CLIP テキストエンコード)をつないだ
WanVideoNAG でネガティブを変えた比較
NAG なし・「雪」(scale 11 と 20)・「日の光」の比較(真ん中のコマ、シード5つ)

プロンプトに「snowy forest」「golden light」と書いた上で、NAG のネガティブに「snow, snowflakes, white ground」や「sun, sunlight, lens flare」を入れました。どれも、雪や光は消えませんでした。強さ(nag_scale)を初期値の 11 から 20 に上げても同じです。変わったのは、キツネの位置や大きさ、木の並びといった絵の配置でした。

プロンプトとネガティブで正反対のことを頼んだので、プロンプトが勝ったと考えられます。NAG が本来ねらうのは「ぼやけ」「低画質」などの避けたいものなので、そうした使い方での効き目は、今回の比べ方では確かめられていません。

WanVideoEnhanceAVideoKJ:動画の質を上げる

Enhance-A-Video は、作者の説明では、動画の質を上げる方法です。weight で強さを決めます(初期値 2)。14B の high・low 両方にかけて、weight 1・2・4 を比べました。

WanVideoEnhanceAVideoKJ の weight を変えた比較
なし・weight 1・2・4 の比較(真ん中のコマ、シード5つ)

weight 1 と 2 は、5本とも「なし」とほとんど見分けがつきませんでした。weight 4 では、シード44と55で構図が変わり、ほかの3本は似た絵のままでした。動きのなめらかさは、静止画の比較では判断できないため、ここでは書いていません。生成時間は33〜34秒で、なし(約39秒)より長くはなりませんでした。

ApplyRifleXRoPE_WanVideo:長い動画を崩れにくくする

Wan 2.2 14B の公式テンプレートは 81 フレーム(16fps で約5秒)です。RifleX は、作者の説明では、学習した長さより長い動画を作るための方法です。そこで倍の 161 フレーム(約10秒)にして、あり・なしを比べました。

ComfyUI で Wan 2.2 14B に ApplyRifleXRoPE_WanVideo をかけたワークフロー
空の潜在画像の長さを161にし、high・low の両方に RifleX(k=6)をかけた
ApplyRifleXRoPE_WanVideo のあり・なしで161フレームの最後のコマを比べた
161フレームの最後のコマ(シード5つ)
161フレーム・RifleX なし(シード11)
161フレーム・RifleX あり(シード11)

今回の161フレームでは、RifleX なしでも5本とも崩れずに最後まで作れ、あり・なしの差は、木やキツネの位置が少し変わる程度でした。1本あたりの時間は、どちらも約94秒(81フレームの約2.4倍)でした。もっと長い動画で差が出るかは、試していません。

WanChunkFeedForward:VRAM の山を下げる

計算を小分けにして、VRAM の使用量の山を下げるノードです。作者は「出力が変わることがある」と注意しています。5B の 1280×704・121フレームで、chunks 2 のあり・なしを比べました。

WanChunkFeedForward のあり・なしの比較
あり・なしの比較(真ん中のコマ、シード5つ)
1本あたりの時間(2本目以降の平均)絵
なし約137秒—
chunks 2約132秒5本とも、なしとほぼ同じ

絵は5本ともほぼ同じで、時間はわずかに短くなりました。VRAM は、GPU 全体の使用量を測ったところ、どちらも約27GB でした。今の ComfyUI(0.43.0 で確認)は、VRAM が空いていれば使えるだけ使ってモデルを読み込むため、このノードで山が下がった分は、この測り方では見えませんでした。VRAM が少ない GPU で効くかは、試せていません。

使ってみて気づいたこと

  • 今回の4つは、どれも「入れれば目に見えてよくなる」ものではなかった。まずは公式テンプレートの設定で作り、困ったことがあるときに試すくらいでよい
  • NAG のネガティブで、プロンプトに書いたものは消せなかった。消したいものは、まずプロンプトから外す
  • 14B は high と low の2つのモデルで作るので、今回は KJNodes のノードを両方にかけた(片方だけにかけたときの違いは試していない)。KJNodes の Wan 用ノードは、作者が「実験的(EXPERIMENTAL)」としている。版が変わると結果も変わることがある

RTX 5090 以外の人へ

今回の生成時間は RTX 5090 での値です。14B(4ステップ・81フレーム)は1本約33〜39秒、161フレームでは約94秒、5B は約132〜137秒でした。VRAM が少ない GPU では、まず Wan 2.2 の使い方の「RTX 5090 以外の人へ」を見てください。ChunkFeedForward が小さい GPU で効くかは、筆者は確かめていません。

よくある質問(FAQ)

Q. Wan 2.2 で KJNodes の NAG を使うとネガティブは効きますか

筆者の試験(14B・4ステップ・CFG 1)では、プロンプトに書いた雪や光を NAG のネガティブで消すことはできず、絵の配置が変わっただけでした。ぼやけなどの避けたいものへの効き目は確かめていません。

Q. WanVideoEnhanceAVideoKJ の weight はいくつがよいですか

筆者の比較では、weight 1・2 はなしとほぼ同じで、4 にすると構図が変わることがありました。初期値の 2 から試し、変わりすぎるなら下げてください。

Q. Wan 2.2 で長い動画を作るには RifleX が必要ですか

筆者の試験では、14B の 161フレーム(約10秒)は RifleX なしでも崩れませんでした。もっと長い動画では差が出る可能性がありますが、試していません。

Q. WanChunkFeedForward で VRAM は減りますか

筆者の環境では、絵は同じで時間がわずかに短くなりましたが、VRAM の差は今の ComfyUI の作りのため測れませんでした。

まとめ

  • Wan 用の KJNodes 4つを、シード5つずつで比べた(今回のプロンプトと設定では)
  • NAG:プロンプトに書いたものは消えず、配置が変わった。Enhance-A-Video:weight 4 で構図が変わる程度
  • RifleX:161フレームでは差なし。ChunkFeedForward:絵は同じで少し速く、VRAM の差は測れなかった
  • どれも必須ではない。困ったときに試すノードとして覚えておく

検証メモ

  • 時間の測り方:同じ条件の5本のうち、モデルの読み込みが入る最初の条件の1本目は長くなりました(14B は 369.1 秒、5B は 225.4 秒)。5B の表の時間は、2本目以降の平均です。
  • VRAM の値:約27GB は、5B の2本目以降で記録した GPU 全体の使用量のピークです(27,417〜27,677 MiB)。ノードだけの使用量ではありません。
  • 絵の比べ方:比較は真ん中のコマ(RifleX は最後のコマ)を筆者が目で見たものです。動きのなめらかさは比べていません。

この記事の検証環境

Windows 11 / RTX 5090(VRAM 32GB)/ ComfyUI 0.43.0 ポータブル版(試験用)/ ComfyUI-KJNodes 1.5.2(ほかのカスタムノードは停止)/ Wan 2.2 T2V A14B(fp8)+LightX2V 4ステップ LoRA、TI2V 5B(fp16)/ WanVideoNAG(ネガティブ3通り)・WanVideoEnhanceAVideoKJ(weight 1・2・4)・ApplyRifleXRoPE_WanVideo(161フレーム)・WanChunkFeedForward(chunks 2)を、シード5つずつ比較(計55本)/ 2026年10月29日に検証
これまでの検証の一覧はこちら

参考にした資料

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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