P-H3-Imageを6ステップで速くする|Turbo LoRAの手順では崩れた原因と直し方【ComfyUI】

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使ったモデルとソフトは、すべて無料で入手できます。試した環境の一覧は検証の記録にあります。

P-H3-Image を6ステップにすると、1枚が約14秒から約9秒になりました。ただし、Turbo LoRA の配布ページの手順どおりでは、6ステップでも4ステップでも絵が崩れました。 ComfyUI の「MiniMax H3 Sigma Shift」のビデオシフトを 1 から 10 に上げると、6ステップでも崩れずに描けています。

意外だったのは、シフトを10にすれば、LoRA なしでも6ステップで描けたことです。今回の比較では、LoRA を入れたときとの差ははっきりしませんでした。

先に結論(今回のテスト条件で)

条件1枚の時間(中央値)崩れなかった枚数
公式の8ステップ(シフト 1)14.2秒9枚中9枚
配布ページの手順の6ステップ(シフト 1、LoRA あり)9.0秒9枚中0枚
同じ手順の4ステップ(LoRA あり)6.9秒9枚中0枚
6ステップ・シフト 10・LoRA なし約9.1秒19枚中19枚
6ステップ・シフト 10・LoRA あり約9.1秒19枚中19枚
4ステップ・シフト 10・LoRA あり約6.8秒9枚中0枚

8MP(2912×2912)、w4a8 の一式、RTX 5090。3つのプロンプト×シード3つの9枚に、看板のプロンプトでシード10個を足して数えました(19枚)。「崩れなかった」は筆者の目視です。

迷ったら

公式の8ステップのままにするのが確実です。速くしたいときは、6ステップにしてビデオシフトを 10 にします。4ステップは今回、どの設定でも崩れました。

配布ページの手順どおりだとどうなる?

Turbo LoRA の配布ページには、ComfyUI での使い方として「Load LoRA (Bypass, Model Only) を入れ、ManualSigmas を BasicScheduler(simple、6ステップ)に替える」と書かれています。その手順どおりに組むと、モザイクのように崩れた絵になりました。

看板のプロンプトの比較。上から公式8ステップ、LoRA なし6ステップ、Turbo LoRA 6ステップ、Turbo LoRA 4ステップ。下の3段は崩れている
看板のプロンプトの比較。上から公式8ステップ、LoRA なし6ステップ、Turbo LoRA 6ステップ、Turbo LoRA 4ステップ。下の3段は崩れている
人物のプロンプトの比較。6ステップと4ステップは顔がぶれて崩れている
人物のプロンプトの比較。6ステップと4ステップは顔がぶれて崩れている

LoRA ありでもなしでも、同じように崩れています。原因は LoRA ではなく、ステップの刻み方のほうでした。公式の8ステップは、最初のほうを細かく刻む決まった値(ManualSigmas)を使っています。simple のスケジューラーに替えると、この刻み方が大きく変わります。

シフトを10にすると描ける

「MiniMax H3 Sigma Shift」のビデオシフトを上げると、刻み方が最初のほうに寄ります。公式の8ステップの刻み方に近づけるつもりで 10 にしたところ、6ステップで崩れなくなりました。

シフト10の比較。上から公式8ステップ、LoRA なし6ステップ、LoRA あり6ステップ、LoRA あり4ステップ。6ステップは崩れていない
シフト10の比較。上から公式8ステップ、LoRA なし6ステップ、LoRA あり6ステップ、LoRA あり4ステップ。6ステップは崩れていない
人物のシフト10の比較。6ステップは公式に近い仕上がりで、4ステップは崩れている
人物のシフト10の比較。6ステップは公式に近い仕上がりで、4ステップは崩れている
ポスターのシフト10の比較。6ステップでは、まわりに小さなオレンジの点が散る回があった
ポスターのシフト10の比較。6ステップでは、まわりに小さなオレンジの点が散る回があった

ポスターだけは、6ステップでまわりにオレンジの点が散る回がありました。文字「KOBO LAB」はどの6ステップでも読めています。4ステップは、シフトを10にしても崩れたままでした。

シードを10個に増やしても、6ステップ・シフト10は LoRA ありでもなしでも10枚とも崩れませんでした。

看板のプロンプトでシード10個の比較。上から公式8ステップ、LoRA なし6ステップ、LoRA あり6ステップ(どちらもシフト10)
看板のプロンプトでシード10個の比較。上から公式8ステップ、LoRA なし6ステップ、LoRA あり6ステップ(どちらもシフト10)

Turbo LoRA は効いている?

6ステップ・シフト10で、LoRA ありとなしを同じシードで並べると、構図はほぼ同じで細部が少し変わる程度でした。どちらがきれいかは、筆者には決められませんでした。

配布ページでは、元の環境(diffusers、bf16、H200)で6ステップの LoRA ありが8ステップより好まれたとしています。ComfyUI で量子化版を使う今回の条件では、その差は再現できていません。

LoRA を読み込むときの注意

配布ページにある「Load LoRA (Bypass, Model Only)」は、量子化版(w4a8 と int8)のモデルではエラーになりました。

mat1 and mat2 shapes cannot be multiplied (1x16 and 2688x16)

ふつうの「LoRAローダーモデルのみ(LoraLoaderModelOnly)」に替えると、w4a8 でも int8 でも動きました。bf16 の本体では試していません。

ワークフローと設定

6ステップ・シフト10のワークフロー。MiniMax H3 Sigma Shift のビデオシフト10、基本スケジューラー simple 6ステップ、LoRAローダーモデルのみ
6ステップ・シフト10のワークフロー。MiniMax H3 Sigma Shift のビデオシフト10、基本スケジューラー simple 6ステップ、LoRAローダーモデルのみ
項目公式の8ステップ今回の6ステップ
シグマManualSigmas(決まった8ステップの値)BasicScheduler(simple、6ステップ)
ビデオシフト110
Turbo LoRAなしあり・なしどちらも可(強さ 1.0)
LoRA の読み込み—LoraLoaderModelOnly
ファイル大きさ置き場所
p-h3-image-turbo-lora-comfyui.safetensors0.78GBmodels\loras

本体、テキストエンコーダー、VAE の入れ方はP-H3-Image を ComfyUI で使う方法にまとめています。

RTX 5090 以外の人へ

今回は --reserve-vram の簡易テストをしていません。8MP の w4a8 一式は、配布元の説明では最大で約21GB の VRAM を使います。VRAM の目安はP-H3-Image の記事の「RTX 5090 以外の人へ」も見てください。

商用で使える?

Turbo LoRA の配布ページは、ライセンスを MiniMax H3 Community License としています(P-H3-Image と同じ規約へのリンク)。この規約には地域の制限と使い方の制限があります。MiniMax H3 本体の規約は導入編でも説明しています。LoRA のもとになった変換元は Apache-2.0 と書かれています。規約の中身は P-H3-Image の記事でまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q. P-H3-Image を速くする方法は?

今回の検証では、6ステップにして MiniMax H3 Sigma Shift のビデオシフトを 10 にすると、1枚が約14秒から約9秒になりました。4ステップはどの設定でも崩れました。

Q. P-H3-Image-Turbo LoRA で絵が崩れるのはなぜ?

BasicScheduler(simple)に替えたとき、ビデオシフトが 1 のままだと崩れました。シフトを 10 に上げると崩れなくなりました。

Q. 「mat1 and mat2 shapes cannot be multiplied」と出る

量子化版(w4a8・int8)で Load LoRA (Bypass, Model Only) を使ったときに出ました。ふつうの LoraLoaderModelOnly に替えると動きました。

Q. Turbo LoRA は必要?

今回の条件では、シフト10の6ステップなら LoRA なしでも崩れず、ありとの差ははっきりしませんでした。

まとめ

P-H3-Image の高速化で効いたのは、LoRA よりもステップの刻み方でした。6ステップにするなら、シフトを10に上げるのがポイントです。

確実なのは公式の8ステップ、速くするなら6ステップ・シフト10。 4ステップは今回、使える絵になりませんでした。

この記事の検証環境

RTX 5090(32GB)/ Ryzen 9 9950X3D / 128GB / Windows 11 / ComfyUI 0.44.0(カスタムノードなし)/ P-H3-Image w4a8(テキストエンコーダー w4a8、VAE int8)、p-h3-image-turbo-lora-comfyui / 2026年11月7日
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

  • 本数:看板・人物・ポスターの3つのプロンプト×シード 101・202・303 を各条件で作りました。シフト10の6ステップは、看板のプロンプトでシード10個を足しています。シフト6も各1枚だけ試し、崩れませんでした。
  • 時間:ComfyUI の実行開始から完了まで。読み込みを除くため、各条件の前に1枚空回ししました。
  • 一度だけの崩れ:シフト10・LoRA ありの6ステップで、画面から実行した1回と、その直後の API からの1回だけ崩れた絵が出ました。同じ設定とシードで実行し直すと崩れず、原因は確かめられていません。
  • シフトの値:10 は、公式の8ステップの値に近づけるつもりで選んだ値で、最適な値は探していません。
  • 未確認のこと:bf16 の本体、編集(参照画像あり)、8MP 以外、ほかの GPU、--reserve-vram の簡易テスト。

参考リンク

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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