DSHをスマホに入れる「dsh-Go」:非公式Androidクライアントはどこまで使えるか【実機検証】

dsh-Go の実機検証。Remote host 画面とスマホ本体での実行結果 ローカルLLM

この記事について(広告・アフィリエイトリンクはありません)

この記事は、運営者こまたろの検証環境で実際に試した結果をもとに、Claude が下書きし、運営者が確認して公開しています。dsh-Go は DeepSeek 公式のアプリではなく、コミュニティが開発した非公式クライアントです。

結論:スマホから「PCのDSH」も「スマホ内のDSH」も使える。ただし設定3か所でつまずく

dsh-Go(DSH Go)は、DeepSeek Harness(以下 DSH)を Android で使うためのアプリです。今回、PC と Android スマホで試したところ、次の2つの使い方がどちらも動きました。

使い方今回の結果
遠隔接続:PC で動いている DSH をスマホから操作接続できた。P2P 接続、画面オフからの再接続は約30秒。PC のファイル作成・読み取りもスマホから実行できた
本体実行:スマホの中で DSH を動かす動いた。モデルは PC の LM Studio(家の Wi-Fi 経由)を使い、自己紹介の返答は初回 2.35秒、2回目以降 約0.8秒

ただし、次の3か所でつまずきました。どれも dsh-Go の不具合ではなく、設定や環境が原因です。

  1. 接続先(ホスト)ごとに設定が別々。PC につないだまま追加したモデル設定は PC 側に入る
  2. PC 側のツール定義が原因で、ローカル LLM がエラーになることがある(今回は自作ツール2個が原因)
  3. Windows のファイアウォールで止まっていると、スマホから LM Studio に届かない

dsh-Go でできること

  • スマホの中に Linux 環境(Ubuntu・Node.js・DSH)を入れて、DSH を動かす(root や Termux は不要)
  • PC やサーバーの DSH に、SSH か DSH Remote でつなぐ
  • チャット、モデルの切り替え、ツール実行の承認(Allow once / Decline など)をスマホで行う

スマホの画面を読んで操作させる「Phone control」もあります(既定はオフ。今回はオンにしていません)。

検証環境

項目内容
PCRyzen 9 9950X3D / RTX 5090(32GB VRAM)/ RAM 128GB / Windows 11
PC 側 DSHDeepSeek Harness デスクトップ版 0.2.1-rc.5
遠隔接続DSH Remote(ds-harness-remote 0.6.2)
スマホAndroid 端末(dsh-Go 1.0.9)
モデル遠隔:Strata(PC 内のローカルモデル)/本体実行:PC の LM Studio で Qwen3.5 9B
検証日2026年11月3日

※ API 料金がかからないよう、すべて PC 内のローカルモデルで試しました。モデルの処理には DeepSeek の API を使っていません。

導入手順

手順1:APK を入れる

  1. スマホのブラウザで GitHub の Releases(github.com/ccch1mneyyy/dsh-go/releases/latest)か、公式の配布ページ(go.dshtui.com/download)を開きます。入手元はこの2つだけにしてください。
  2. 一般的なスマホは arm64 の APK を選びます。
  3. ダウンロードした APK を開いてインストールします。Google Play ではないので、「この提供元のアプリを許可」が求められます。

条件は Android 8.0 以上です。スマホ本体で動かす場合は約1GBの空きが必要と README にあります。今回、本体実行のテスト後のアプリ使用量は合計1.15GB(アプリ274MB、データ860MB、キャッシュ17MB)でした。

Android のアプリ情報。DSH Go 1.0.9、合計1.15GB

手順2:初回起動で匿名統計をオフにする

「Send anonymous usage statistics(匿名使用統計の送信)」は既定でオンです(README・ガイド記載)。不要なら初回画面か、設定 > Privacy and sharing でオフにします。

手順3:使い方を選ぶ

  • This phone:スマホに実行環境を入れます。今回はインストールが10秒かからずに終わりました(体感)。
  • Remote host:PC やサーバーの DSH につなぎます。スマホには何も入れません。

使い方①:PC の DSH にスマホからつなぐ(DSH Remote)

  1. PC 側:DSH を閉じた状態で、DSH Remote のプラグインを入れます(デスクトップ版の例)。
dsh plugin --profile desktop add -w ds-harness-remote@0.6.2

DSH を起動し、Remote パネルから GitHub か Google でサインインします。

  1. スマホ側:Remote host > DSH Remote で、PC と同じアカウントでサインインします。
  2. 一覧に PC が「Online」で出たら選びます。初回は「Trust this host?」と指紋が出るので、PC の Remote パネルの表示と同じか確かめてから「Trust and connect」を押します。
dsh-Go の Remote host 画面。PC が Online と表示されている
初回接続時の「Trust this host?」確認画面

遠隔接続の結果

  • 接続経路は「P2P · End-to-end」と表示されました(スマホは5G回線)。
  • 画面を消して1分待ってから戻ると、約30秒で再接続しました。
  • PC で進行中の会話も、スマホからそのまま見られました。
接続中の表示。Connected · P2P · End-to-end

モデルを Strata(PC 内のローカルモデル)にして、同じ依頼を送った結果です。時間はアプリの表示と、PC 側 DSH のログの値です。

依頼時間結果
日本語で3行で自己紹介して(1回目)28秒(ログ 28.13秒)返答あり
同(2回目)10秒(ログ 10.31秒)返答あり
同(3回目)26秒(ログ 25.68秒)返答あり(途中でファイルを読むツールを使った)
作業フォルダに hello.txt を作る12秒PC にファイルができた
hello.txt を読む5.3秒中身を正しく返答
スマホから PC に hello.txt を作らせた結果。Changed 1 file と表示

1回目が遅かったのは、最初に指示文とツール定義(合計約3.4万トークン)を読み込んでいたためです。文字を出す速さは毎回 24〜31 tok/s でほぼ同じでした。ログの値は PC 側の処理時間で、スマホとの通信時間は含みません。

使い方②:スマホ本体で DSH を動かす(モデルは PC の LM Studio)

  1. PC の LM Studio で、Developer → Server Settings → Serve on Local Network をオンにします。
  2. スマホを PC と同じ Wi-Fi につなぎます。
  3. dsh-Go で接続先を This phone に切り替えます(チャット一覧のいちばん下の接続先 > Switch host)。画面上部に「〇〇 · Remote」と出ていないことを確認します。
  4. 設定 > Models > Add provider で、次のように入力します。
    • Compatible protocol:OpenAI
    • Base URL:http://(PCのIPアドレス):1234/v1
    • API key:lm-studio(LM Studio では任意の文字列で可)
  5. Fetch models でモデルを選び、Save します。

本体実行の結果

依頼時間LM Studio のログ
日本語で3行で自己紹介して(3回)初回 2.35秒、2回目以降 約0.8秒2.35秒 / 0.80秒 / 0.81秒(約148 tok/s)
hello.txt を作る12秒(アプリ表示、承認待ちを含む)—
hello.txt を読む1秒(アプリ表示)0.46秒+0.28秒
スマホ本体で hello.txt を作って読んだ結果

ファイルはスマホの中(/root/workspace/hello.txt)にでき、PC 側にはできていませんでした。遠隔接続では PC のファイル、本体実行ではスマホのファイルを扱う、という違いがはっきりわかります。

遠隔接続の Strata より速く見えますが、モデル、読み込むツールの数(本体実行は31個、PC 側は120個)、指示文の長さが違うので、単純な速さ比べにはなりません。

ツール承認の流れ

ファイルを作るなどの操作の前に、「Allow this command?」というカードが出ます。実行するコマンドと理由が表示され、Decline(拒否)/Allow once(1回だけ許可)/Allow for chat(この会話の間は許可) から選びます。

承認カード「Allow this command?」。Decline / Allow once / Allow for chat

今回、本体実行でファイルを1つ作るだけの依頼に対して、モデルが「full access(端末全体への書き込み権限)」で許可を求めてきました。必要以上に強い権限を求めることがあるので、カードの中身を読んでから押すのが大事です。

つまずいたところと直し方

PC につないだまま設定したモデルが、スマホで使えない

モデルの設定(プロバイダ)は接続先ごとに別々に保存する作りです。PC につないだまま追加すると PC 側の DSH に入ります。スマホで使いたいときは、This phone に切り替えてから追加し直します。

「failed to parse grammar」で0.3秒ほどで失敗する

「Something went wrong this turn」と failed to parse grammar のエラー

遠隔接続で、PC 側 DSH のモデルを LM Studio にしたところ、毎回すぐに次のエラーになりました。

INVALID_REQUEST
Engine protocol predict request returned 400: ... "Failed to initialize samplers: failed to parse grammar"

記録に残る会話では失敗が4回続き、どれも 0.17〜0.43秒で返ってきました。モデルを Strata に変えると、同じ会話で 27.66秒かけて返事が来ています。

PC で調べると、DSH が LM Studio に渡すツール定義120個のうち、運営者が自作した MCP ツール2個にある「配列は最大2000件」という指定が、LM Studio 側の上限を超えていました。この指定を外すと120個すべてが通ることを確認しています。

DSH に MCP ツールをたくさん入れている人は、ローカル LLM でこのエラーが出たら、ツール定義を疑うのが近道です。今回は自作ツールは直さず、遠隔接続では Strata を使いました。

スマホから LM Studio に「Can’t reach this address」

Add provider で「Can't reach this address」と表示された画面

LM Studio を LAN に公開しても届かず、PC を調べると、以前の別の作業で作ったWindows ファイアウォールの受信拒否ルール(TCP 1234)が残っていました。一時的に無効にすると届きました。VPN ソフトが動いている場合も、家の中の通信を止めることがあります。

スマホのブラウザで http://(PCのIP):1234/v1/models を開くと、届いているかどうかをすぐ確かめられます。

スターの数と中身は別に見る

dsh-Go は2026年10月25日に公開され、11月3日時点で GitHub のスターは6,040でした。短期間でよく注目されているのは確かです。ただ、README には「スターが増えるほど iOS・HarmonyOS 版が早く出る」という呼びかけもあり、スターの数は品質の証明ではありません。この記事の評価は、上の実機検証の結果だけにもとづいています。

よくある質問(FAQ)

Q. dsh-Go は DeepSeek 公式のアプリですか?

いいえ。コミュニティが開発した非公式クライアントで、README にも DeepSeek とは関係がないと明記されています。

Q. 料金はかかりますか?

アプリ自体は無料です。モデルの料金は、設定したモデル提供元の口座にかかります。今回のように PC の LM Studio やローカルモデルを使えば、API 料金はかかりません。アプリ内の「Top up」は DeepSeek 残高のチャージ案内とみられるので、ローカルモデルだけなら押す必要はありません。

Q. PC がないと使えませんか?

スマホ本体だけでも DSH は動きます。ただしモデルは別に必要で、DeepSeek の API キーや、OpenAI・Anthropic 互換のサービス、同じネットワーク上の LM Studio などを設定します。

Q. iPhone で使えますか?

2026年11月時点では Android のみです(iOS 版は「準備中」と README に記載)。

Q. スマホの操作を任せても大丈夫ですか?

Phone control の設定画面。既定はオフ

Phone control は既定でオフです。オンにするとユーザー補助の権限を使って画面を読み、タップや入力を行います。初期設定は「毎回確認」「決済・銀行アプリなど29アプリは操作禁止」と慎重ですが、普段使いのスマホでは、使う前に説明をよく読むことをおすすめします。

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この記事の検証環境

RTX 5090(32GB)/ Ryzen 9 9950X3D / 128GB / Windows 11 / DeepSeek Harness 0.2.1-rc.5 / dsh-Go 1.0.9 / 2026年11月3日
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

本体実行の時間:LM Studio のログの値で、モデルの処理時間だけです。スマホの表示や通信の時間は含みません。初回の2.35秒には、プロンプト約1.1万トークン(10,880)の初回読み込み1.34秒を含みます。2回目以降は大半がキャッシュで、読み込みは89トークン、0.09秒でした。画面を見ていた体感は3回とも約1秒でした。

非公式であること・ライセンス

  • dsh-Go は DeepSeek 公式ではなく、コミュニティ開発の非公式クライアントです(README 末尾に「not affiliated with or endorsed by DeepSeek」と明記)。
  • 本体のコードは AGPL-3.0、sdk/ と examples/ は MIT です(README と LICENSE、sdk/plugin-kit/package.json で確認)。
  • DSH Go の名称・ロゴ、マスコット(Deepy、鯨娘)は AGPL の対象外で、作者が権利を持っています(ASSETS.md)。記事内の画面写真は、README の条件に沿って紹介目的で掲載しています。
  • DeepSeek Harness、DSH Remote などの関連ソフトは、それぞれのライセンスに従います。

権限とデータ

  • Phone control は、本体実行のときだけ使えます。ユーザー補助(Accessibility)と通知の権限が必要で、サイドロードしたアプリでは「制限付き設定の許可」が必要な場合があります(ガイド記載)。今回はオンにしていません。
  • 操作中は画面のテキストがモデルに送られ、画像対応モデルではスクリーンショットも送られることがあります(銀行カードや ID の番号は先に隠すとガイドに記載)。
  • 「Restore accessibility automatically」をオンにすると、Android の設定でユーザー補助を切っても、Shizuku などを通じて再度オンにしようとします(ガイド記載)。止めたいときはアプリ内のスイッチを切ります。

匿名使用統計は既定でオンです。送る内容(アプリ・Android のバージョン、CPU、メーカー、言語、日ごとのメッセージ数など)と送らない内容(アカウント、API キー、チャット、ファイルなど)は FAQ に記載があります。実際の通信内容は今回確かめていません。

遠隔接続(DSH Remote)の注意

  • DSH Remote は、別の開発者のプロジェクト(ds-harness-remote)で、既定では作者が運営するサーバー(dsh.r2049.cn)を通ります。通信は端末間で暗号化されると README にあります。
  • サインインした GitHub/Google アカウントで PC を操作できるようになるので、普段使いとは別のアカウントを使うのがおすすめです。今回の検証は普段使いの GitHub アカウントで行いましたが、おすすめの方法ではありません。試すときは別アカウントを使ってください。
  • プラグインは既定で「ターミナル」機能と Codex 連携が有効です。ターミナルは DSH の承認を通らずに PC を操作できるので、使わないなら Remote 設定で切ることをおすすめします。
  • DSH Remote 経由では、Web 画面がアプリ内で開けない、添付は画像のみ、などの制限があります(ガイド記載。Web 画面が開けないことは実機でも確認)。

PC 側の承認の設定で確かめたこと

  • PC 側 DSH の会話は「workspace-write/承認ポリシー ask」でしたが、作業フォルダ内のファイル削除は確認なしで実行され、確認が出たのはフォルダ外への書き込みのときだけでした。
  • 1回だけの観察ですが、作業フォルダ内での「ごみ箱へ移す」が成功と表示されたのに、実際はごみ箱に入らず消えたことがありました。
  • 作業フォルダを DSH の設定フォルダにすると、設定ファイルが確認なしで消されるおそれがあります。作業フォルダは必ず専用のフォルダにしてください。

測定の条件と限界

  • 時間はアプリの表示値(秒単位)と、PC 側 DSH・LM Studio のログ値です。最初の文字が出るまでの時間は測っていません。
  • 各テストは1〜3回です。スマホ1台・PC1台での結果で、ほかの端末や回線では変わる可能性があります。
  • ランタイムのインストール時間(10秒未満)と再接続の時間(約30秒)は体感の値です。
  • 本体実行の承認カードで「full access」を求めたのは、使ったモデル(Qwen3.5 9B)の判断と考えられます。ほかのモデルでは未確認です。
  • ファイアウォールの受信拒否ルールを無効にしたときは、VPN も切断した状態でした。届くようになったのがどちらの効果かは切り分けていません。
  • 確認画面の説明文の一部(「允许本次操作使用…」)は中国語のままでした。
  • 長時間の安定性、バックグラウンドでの動作、Phone control の実際の動作は今回は検証していません。
  • スター数(6,040)は11月3日時点の表示値です。期間ごとの増え方は確認していません。
この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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