この記事について(広告・アフィリエイトリンクはありません)
使ったモデルとソフトは、すべて無料で入手できます。試した環境の一覧は検証の記録にあります。
Krea2 Turbo で、同じシードなのに前と違う絵になったら、まず「Load Diffusion Model」の weight_dtype を見てください。 fp8_e4m3fn_fast にするかどうかで、同じシードでも細部が変わりました。
ComfyUI を 0.44.0 に更新したら絵が変わった、という報告が公式 GitHub にあります。筆者の RTX 5090 では、0.43.0 と 0.44.0 の出力は画素まで同じで、更新による変化は再現しませんでした。
先に結論(今回のテスト条件で)
| 比べたもの | 結果 |
|---|---|
| 0.43.0 と 0.44.0(同じ設定・同じシード) | 18組とも画素まで同じ(VRAM を絞った条件でも同じ) |
| weight_dtype の default と fp8_e4m3fn_fast(Turbo) | 構図は同じで、細部が変わる。fast のほうが速い(0.44.0 で 5.4秒 → 3.5秒) |
| 同じく Raw(fp8_scaled のファイル) | 細部が変わるが、速さはほぼ同じ(29.8秒前後) |
どんな報告?
公式 GitHub の Issue #17523では、ComfyUI を 0.44.0 に更新したあと、Krea2 Turbo で前の画像と同じ設定・同じシードで作り直しても同じ絵にならず、細部が大きく落ちたと報告されています。Raw では起きず、0.43.0 に戻すと元に戻ったそうです。
コメントでは、0.44.0 に入った修正(PR #16941「Dynamic VRAM のとき fp8_e4m3fn_fast が bf16 の計算に戻ってしまう問題を直す」)が関係しているという指摘があります。0.43.0 では、条件によって fast の指定が効いていなかったのが、0.44.0 で本当に効くようになった、という見方です。これはコメントの分析で、公式の見解ではありません(2026年11月7日時点で Issue は open)。
RTX 5090 で試すとどうなる?
Krea2 Turbo の fp8 ファイルで、3つのプロンプト×シード3つを、0.43.0 と 0.44.0 で作りました。weight_dtype は default と fp8_e4m3fn_fast の両方です。
結果は、どちらの weight_dtype でも、0.43.0 と 0.44.0 の画像が画素まで同じでした。--reserve-vram 20 で、モデルが VRAM に入りきらない状態を作っても同じです。今回の環境では、更新で絵が変わる現象は起きていません。
報告者は SwarmUI 経由で使っていて、GPU も違います。修正の内容から考えると、Dynamic VRAM の働き方の違いで差が出る可能性がありますが、確かめられていません。
weight_dtype で絵は変わる
一方で、同じ版の中で weight_dtype を変えると、絵ははっきり変わりました。構図や人物は同じで、しわの刻み方や看板の文字などの細部が変わります。



筆者が見た範囲では、fast のほうが明らかに細部が落ちるとまでは言えませんでした。ただ、違う絵になるので、前の画像と同じものを作り直すことはできません。
| モデル | default | fp8_e4m3fn_fast |
|---|---|---|
| Turbo(8ステップ、krea2_turbo_fp8) | 5.38秒 | 3.52秒 |
| Raw(30ステップ・CFG 4、krea2_raw_fp8_scaled) | 29.75秒 | 29.80秒 |
0.44.0、1024×1024、9枚の中央値。Turbo では fast で約1.5倍速くなりましたが、Raw では速さは変わりませんでした。
使ったモデル
| ファイル | 大きさ | 置き場所 |
|---|---|---|
| krea2_turbo_fp8.safetensors | 12.9GB | models\diffusion_models |
| krea2_raw_fp8_scaled.safetensors | 13.1GB | models\diffusion_models |
| qwen3vl_4b_fp8_scaled.safetensors | 5.2GB | models\text_encoders |
| qwen_image_vae.safetensors | 254MB | models\vae |
Turbo の設定は公式テンプレートと同じ(8ステップ、CFG 1、euler、simple)です。公式テンプレートの既定のファイルは krea2_turbo_fp8_scaled で、今回は報告に合わせて fp8 のファイルを使いました。
RTX 5090 以外の人へ
報告の内容から、差が出るかどうかは VRAM の量やモデルの載せ方で変わる可能性があります。--reserve-vram 20(12GB 程度を想定)の簡易テストでは、版による差は出ませんでした。--reserve-vram は容量そのものを制限する機能ではないので、実際の 12GB・16GB の GPU での動作を再現・保証するものではありません。
商用で使える?
Krea2 のモデルは、Comfy-Org の配布ページで「Krea 2 Community License」とされています。条件は配布ページからリンクされている原文(PDF)で確かめてください。筆者は原文の中身までは読んでいません。
よくある質問(FAQ)
Q. Krea2 Turbo で同じシードなのに違う絵になるのはなぜ?
weight_dtype(fp8_e4m3fn_fast を使うかどうか)で絵が変わります。公式 GitHub では 0.44.0 への更新で変わったという報告もありますが、RTX 5090 では版による差は再現しませんでした。
Q. fp8_e4m3fn_fast を使うと速くなる?
Krea2 Turbo の fp8 ファイルでは、0.44.0 で1枚 5.4秒が 3.5秒になりました。Raw の fp8_scaled ファイルでは速さは変わりませんでした。
Q. 前と同じ絵を作り直すには?
ComfyUI の版、モデルのファイル、weight_dtype、シード、ステップ数などを、前と同じにそろえます。どれか1つ違うと絵が変わることがあります。
まとめ
Krea2 Turbo の絵が変わる原因として、今回はっきり確かめられたのは weight_dtype の違いでした。更新による変化は、RTX 5090 では起きていません。
作り直すときは weight_dtype まで前とそろえる。 速さがほしいなら Turbo は fast が効きます。
検証メモ
- 本数:漁師の写真・夜の路地・ラーメンの3つのプロンプト×シード 11・22・33。Turbo は2つの版×2つの weight_dtype、Raw は 0.44.0 だけで2つの weight_dtype です。
- 修正の有無:0.43.0(v0.43.0 タグ)には PR #16941 の修正が入っておらず、0.44.0(70bcb4e9)には入っていることを git で確かめました。
- 画素の比較:RGB の差の平均。版の比較はすべて 0.00、default と fast の差は Turbo で 10.9〜33.2、Raw で 4.3〜22.5 でした。
- Raw の設定:公式テンプレートを確かめておらず、30ステップ、CFG 4 は筆者が決めた値です。
- 未確認のこと:0.44.1 以降、SwarmUI 経由、16GB の GPU、PR #17565(活性化の扱いの変更、未マージ)の効果、細部の差の定量的な評価。

