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使ったモデルは、すべて無料で入手できます。試した環境の一覧は検証の記録にあります。P-H3-Image の記事の続きとして、まだ試していなかった「画像の編集」と「プロンプトの書き換え」を確かめました。
P-H3-Image の画像編集は、服の色替え・ズボンの色・背景の季節の3つとも、人物の顔・眼鏡・ポーズを保ったまま、指示どおりに変わりました。int8 と w4a8 の差はほとんどなく、同じ指示とシードでほぼ同じ画像になりました。
プロンプトを詳しく書き直す「プロンプトアップサンプラー」(P-H3 付属の言語モデル)は、短い文を、残すもの・変えるものを分けた指示に書き換えます。ただし、今回の単純な編集では、書き換えなしでも同じように編集できました。所要時間は30分ほど、難しさは中級です。
先に結論(今回のテスト条件で)
| 試したこと | 結果 |
|---|---|
| 服を赤いニットに(4MP、int8/w4a8) | どちらも顔・眼鏡・ポーズ・背景を保ったまま着替えた |
| ズボンを白に | どちらも上の服や背景を残してズボンだけ白くなった |
| 背景を雪の公園に | どちらも人物を残し、木と地面が雪景色になった |
| int8 と w4a8 の差(画素の平均の差) | 2.1〜5.3。元の画像との差(8.8〜49)よりずっと小さい |
| プロンプトアップサンプラーの時間(w4a8) | 約6秒(文から画像 1MP:5.4秒 → 11.4秒) |
| アップサンプラーなしの編集(ズボンを白に) | 書き換えありとほぼ同じ結果 |
P-H3-Image(int8 と w4a8)、テキストエンコーダーは本体と同じ精度、VAE は int8、8ステップ(公式のシグマの並び)、er_sde、shift 1.0、シード 4242。プロンプトアップサンプラーは w4a8(6.7GB)です。
編集で比べる
SDXL で作った、公園に立つ女性の画像(黒い T シャツ、緑のパンツ、眼鏡)を 4MP にして、3つの編集を int8 と w4a8 で比べました。

どの編集でも、顔・眼鏡・髪・ポーズ・立ち位置はそのままでした。服の編集では、T シャツが赤いニットになり、パンツと背景は変わりません。背景の編集では、人物の服の色や形を保ったまま、木と地面に雪が積もりました。
int8 と w4a8 の画像の差は、縮めて比べた画素の平均で 2.1〜5.3 でした。編集による変化(元の画像との差、8.8〜49)に比べてずっと小さく、目で見てもほぼ同じです。Pruna の説明では「w4a8 は細部や構図が変わりうる」とされていますが、今回の編集では大きな違いは出ませんでした。
プロンプトアップサンプラーは何をする?
P-H3-Image の公式のワークフローでは、指示の文を先に Qwen3.5 ベースの言語モデル(プロンプトアップサンプラー)に通して、詳しい指示に書き換えます。「change her black T-shirt to a red knit sweater」は、次のような形になりました。
subject_definitions:
<subject 1> is the woman standing in the park.
<subject 2> is her black T-shirt.
summary:
[keyframe completion] ... <subject 2> is replaced with a red knit sweater.
retention_analysis:
<subject 1> (fully_preserved): Pose, facial features, glasses, and hair remain unchanged.
<subject 2> (weak_reference): Replaced by a red knit sweater.
detailed_description: ...
何を残し(fully_preserved)、何を変えるか(weak_reference)を分けて書くのが特徴です。アップサンプラーはどちらも同じ w4a8 で、本体を int8 にしても w4a8 にしても、書き換えた文は1文字も変わりませんでした。
ただし、「ズボンを白に」を書き換えなしでそのまま入れても、結果はほぼ同じでした。単純な編集なら、アップサンプラーは省いてもよさそうです。
文から画像では差が出た
「a cat on a windowsill(窓辺の猫)」という短い文で、書き換えあり・なしと、手で詳しく書いた文を比べました(1MP)。

書き換えると、「経験のあるペット写真家の撮影」「左からのやわらかい日差し」「ペンキのはげた窓枠と落ち葉」などが足され、写真らしい絵になりました。短い文のままでは、背景のビルが目立つふつうの絵でした。文から画像を作るときは、アップサンプラーの効果がはっきり出ます。
商用で使える?
P-H3-Image は MiniMax H3 Community License に従います(EU・英国・韓国・米国は対象外、「MiniMax H3」の表示など)。テキストエンコーダーとプロンプトアップサンプラーは Apache-2.0 です。くわしくはH3 の導入編で説明しています。
よくある質問(FAQ)
Q. P-H3-Image の編集で int8 と w4a8 の差は?
今回の3つの編集では、ほぼ同じ画像になりました。画素の差は、編集による変化よりずっと小さいものでした。
Q. プロンプトアップサンプラーは必要?
単純な編集なら、なしでもほぼ同じ結果でした。文から画像を作るときは、写真らしい細部が足されて効果がはっきり出ました。かかる時間は約6秒です。
Q. 編集で顔や背景は保たれる?
服・ズボン・背景の編集とも、顔・眼鏡・髪・ポーズは保たれました。
まとめ
P-H3-Image の編集は、指示した部分だけを変える精度が高く、w4a8 でも int8 と同じくらいの結果でした。アップサンプラーは、編集より文から画像のときに効きます。
編集は w4a8 で十分。単純な指示ならアップサンプラーは外してよい。
検証メモ
- 時間:編集1枚は17〜23秒でしたが、int8 と w4a8 を交互に読み込み直しているため、精度による速さの比較にはなりません(1回は読み込みで230秒)。
- 差の測り方:画像を 512×512 に縮め、RGB の差の絶対値の平均をとりました(0〜255)。
- 試していないこと:複数の参照画像の合成(2・4・8枚)、8MP の編集、bf16 のアップサンプラー、Qwen-Image-Edit との比較。

