ローカルLLM用PCの買い方|VRAM 12GB+RAM 64GBが基準、Qwen3.8の必要スペックから3つの構成案

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特定の製品をすすめる記事ではありません。価格は未確認です。

ローカルLLM(自分のPCで動かす大規模言語モデル)用のPCは、VRAM 12GB+RAM 64GB が基準です。これはローカル推論エンジン「Strata」で Qwen3.8-Flash-Next(総125B・活性6BのMoE)を動かす場合の話で、Strata の作者が検証に使っているPCと同じ水準。公式の資料では、この組み合わせで標準の量子化が全サイズ入るとされています。

GPU、RAM、SSDのどこにお金をかけるかを、公式の資料の数字で整理しました。筆者が実機で測ったのは RTX 5090/RAM 128GB の1構成だけです。情報は2026年10月31日時点(JST)のもので、本文の [一次] などの印の意味は末尾の「検証メモ」にまとめています。

用語メモ:MoE=たくさんの専門家(エキスパート)のうち一部だけを使う仕組み。量子化=モデルを小さくする代わりに品質が落ちうる処理。

Strata そのものの説明は入門記事にあります。
Strataとは?必要スペックと導入手順

本記事はv0.2.8時点の情報です。現在のサイトで確かめた最新はv0.2.9で、1ビット版の追加(Windows ではテストされていません)と Strix Halo・Linux の高速化が主な差です。詳しくはStrata v0.2.9の変更点まとめを見てください。v0.2.10 は当サイトでは未検証です。

ローカルLLM用PCで優先する順番

Strata の作者は、重視する順番を次のように説明しています。[一次]

VRAM容量 > RAM容量と帯域 > GPUの速さ

なぜこの順番なのかは、Strata の仕組みから分かります。[一次]

  • Qwen3.8-Flash-Next は、24,576個のエキスパート(48層×512)を持ち、1トークンで使うのは約10個です
  • GPU には、常に使う部分と、よく使うエキスパートを置きます(キャッシュ)
  • RAM には、全エキスパートを置きます
  • GPU にないエキスパートは、CPU が並行して計算します
  • SSD には、28.8GB の n-gram 表(よく出る単語の並びの表)を置きます

VRAM が 1GB 増えるごとに、約700個多くのエキスパートを GPU に置けます。置けた分は、CPU が計算しなくて済む。そのため、GPUの速さよりも、VRAMの容量が効くとされています。[一次]

RAM は、全エキスパートを入れる場所です。RAM が足りないと、モデルを SSD から読むことになり、大幅に遅くなります。SSD は必須です。[一次]

ローカルLLM用PCの3つの構成案(VRAM 12GB・RAM 64GB を基準に)

ここからの3案は、公式の資料の数字をもとに、この記事で分類したスペック帯です。製品の指定ではありません。製品名や総額は書いていません。

まず、量子化ごとに必要なメモリ(RAM+VRAM)です。[一次]

量子化RAM+VRAM の目安
Q2_037.6GB
IQ2_XS39.2GB
IQ3_XXS47.0GB
IQ3_S54.8GB

RAM の目安は「エキスパート分+約10GB」です。64GB なら全サイズが入り(IQ3_S はほかのアプリを閉じる)、48GB なら Q2_0 と IQ2_XS が入ります。[一次]

案A:最低ライン(VRAM 12GB+RAM 48GB)

  • 入るもの:Q2_0、IQ2_XS
  • 入らないもの:IQ3_XXS、IQ3_S(目安を超える)
  • 速度の目安:作者の検証機(RAM 64GB)での数字は下の「速度の目安」の節を参照。RAM 48GB での速度の資料はありません
  • 向く人:いまのPCに RAM 48GB 前後があり、まず試したい人

案B:基準(VRAM 12GB+RAM 64GB)

  • 入るもの:標準の4サイズすべて(IQ3_S はほかのアプリを閉じる)
  • 速度の目安:作者の検証機(RTX 5070 12GB、Ryzen 5 7600、DDR5 64GB)と同じ水準。短い会話で Q2_0 が94 tok/s(作者の自己申告・未検証)
  • 向く人:量子化を選んで比べたい人。これから RAM を足すなら、まずここを目指す

案C:余裕(VRAM 24GB以上+RAM大きめ)

  • 入るもの:標準の4サイズに加えて、RAM の容量しだいで大きい量子化
  • できること:VRAM 24GB以上だと、画像を読む部分(視覚エンコーダ)が GPU で動く(約1〜1.4GB を使う)。24GB未満では CPU で動き、1枚に数秒かかる[一次]
  • 大きい量子化:Unsloth 版(UD-IQ4_XS〜Q8_0)は、全エキスパートを RAM に載せるなら約72〜136GB、ダウンロードは94〜188GB[一次]
  • 別のモデル:DeepSeek V4.1 は VRAM 12GB以上、RAM 46GB以上(64GB推奨)、NVMe SSD が必要で、ダウンロードは239〜274GB。大きいモデルほど SSD に頼るため遅くなる[一次]
  • 向く人:大きい量子化や別のモデルも試したい人、画像入力をよく使う人

筆者の実測(RTX 5090/RAM 128GB/Win11)では、VRAM 32GB でもロード後に GPU をほぼ使い切りました(Q2_0 で 31,440 MiB/32,607 MiB)。エキスパートのキャッシュは Q2_0 で14,930個分、IQ3_S で9,943個分。strata.exe の使用メモリは Q2_0 で約69.3GB、IQ3_S で約84.3GB で、ロード後の空き RAM は Q2_0 で27.0GB、IQ3_S で11.4GB でした。

ローカルLLM用PCで避けたい構成

公式の資料では、次の構成を避けるよう書かれています。[一次]

  • VRAM 8GB のカード:SSD に頼るため遅い
  • Windows+AMD:派生版の Strata-T8 は視覚(画像入力)に対応していない
  • RAM 32GB で IQ3_S:目安の容量に足りない

なお、資料には「v0.1.38 で 6GB のカードでも起動できるようになった」という記載もあります。ただし、起動できることと実用的な速さで動くことは別で、速度の資料はありません。8GB や 6GB のカードは「起動はできるようになったが、遅いとされる」と考えてください。

ローカルLLMの速度の目安(自己申告)

作者の数字(自己申告・未検証)

作者の検証機(RTX 5070 12GB、Ryzen 5 7600、DDR5 64GB)での、短い会話の出力速度です。エンジン0.1.26(Q2_0 のみ0.1.36)で測ったもので、作者は「全面的な再測定はしていない」と注記しています。[一次・作者の自己申告]

量子化短い会話(tok/s)
Q2_094
IQ2_XS79
IQ3_XXS62
IQ3_S53

ほかのGPUでの作者の数字です(いずれも自己申告・未検証)。[一次・作者の自己申告]

  • RX 9070 XT 16GB(Linux):Q2_0 が60、IQ2_XS が52、Coder が44 tok/s
  • DeepSeek V4.1:RTX 5070 12GB で4〜6、RTX 3060 12GB で9〜11、Radeon AI PRO R9700 で21〜25 tok/s

tok/s=1秒あたりに出せるトークン(文字のかたまり)の数。大きいほど速い。

投稿者の数字(自己申告・未検証)

Reddit には、同じ RTX 5070 12GB/DDR5 64GB/Ryzen 5 7600 の構成で、128K のときに Q2_0 が65.1、IQ2_XS が52.0、IQ3_XXS が44.8 tok/s だったという投稿があります。[二次・投稿者の自己申告]

作者の表とは、エンジンの版などの条件が違います。そのまま比べることはできず、数字の違いは条件の差によるものかもしれません。

12GB VRAM+64GB RAM のノートPCで、Strata では51、llama.cpp では23 tok/s だったという投稿もあります。同じ条件での公式な比較ではありません。[二次・投稿者の自己申告]

コミュニティの実測は、公式の docs/COMMUNITY_BENCHMARKS.md に集まっています(RTX 5090、3060、RX 9070 など)。

筆者の環境(RTX 5090/RAM 128GB/Win11)

筆者の実測(RTX 5090/RAM 128GB/Win11)です。コンテキスト128K、短い会話の出力は Q2_0 で177.5〜222.5 tok/s、IQ3_S で98.6〜150.4 tok/s。約4,600トークン入力時の出力は Q2_0 で204.1〜221.2 tok/s、IQ3_S で149.9〜177.1 tok/s でした(各3回)。

筆者の RTX 5090 では、作者の RTX 5070 12GB の数字より速く出ました。VRAM が大きいほどエキスパートを GPU に多く置けるという、作者の説明と合う結果です。ただし、CPU、RAM、エンジンの版も違うため、GPU だけの差とは言えません。

ローカルLLM用PCの価格は未確認

米ドルでの価格を伝える記事はありますが、ページ本体は確認できておらず、価格は未確認です。日本円での価格は調べていません。メモリやGPUの価格は変わりやすいので、購入前に必ず販売ページで確認してください。

RTX 5060 Ti 16GB は VRAM 16GB のカードですが、Strata での速度の資料はありません。この記事では性能を書きません。

ローカルLLMの日本語の品質は未確認

日本語の品質は未確認です。公式の評価は見つかりませんでした。なお、コード向けの Coder 版は、日本語を含む CJK(中国語・日本語・韓国語)と一般用途が弱いとされています。量子化の違いは別の記事で詳しく説明しています。
量子化の選び方

ローカルLLM用PCを買う前のチェックリスト

いますぐ買う必要はありません。まず、いまのPCで足りるかを確かめます。

  • □ OS とGPU が対応しているか(NVIDIA は RTX 20/30/40/50。AMD は対応機種が決まっている)
  • □ VRAM は 12GB 以上か
  • □ RAM は 48GB 以上か(64GB なら全サイズ)
  • □ SSD に 66〜76GB 程度+MTP 約6GB の空きがあるか
  • □ 画像入力をよく使うなら、VRAM 24GB 以上か
  • □ 価格は販売ページで確かめたか(この記事では未確認)

SSD の空きは、筆者の環境の数字も目安になります。Q2_0 のデータフォルダは、初回に作られる experts.bin(31.64 GiB)なども含めて合計100.24GB でした。このときの MTP は PCに以前からあったファイルが使われたので、この合計には入っていません。

RAM 不足で困ったときの対処は、トラブル対処集にまとめています。
トラブル対処集

よくある質問(FAQ)

Q. ローカルLLMにはGPUの速さが一番大事ですか?

Strata の作者は、VRAM容量、RAM容量と帯域、GPUの速さの順で重視すると説明しています。速いGPUより、VRAMが大きいGPUのほうが効くとされています。

Q. RAMは何GBあればいいですか?

Qwen3.8-Flash-Next の標準の量子化なら、64GB で全サイズ、48GB で Q2_0 と IQ2_XS が目安です。

Q. VRAM 8GBのGPUでも動きますか?

公式の資料では、8GB のカードは SSD に頼るため遅いとされ、避ける構成に入っています。

Q. いくらくらいかかりますか?

価格は未確認です。購入前に販売ページで確かめてください。

まとめ

  • 重視する順番は、VRAM容量 > RAM容量と帯域 > GPUの速さ
  • 基準は VRAM 12GB+RAM 64GB(作者の検証機と同じ水準)
  • 最低ラインは VRAM 12GB+RAM 48GB(Q2_0 と IQ2_XS まで)
  • VRAM 24GB以上なら、画像を読む部分が GPU で動く
  • 8GB のカード、RAM 32GB で IQ3_S は避ける
  • 価格と日本語の品質は未確認

Strataとは?必要スペックと導入手順 量子化の選び方 トラブル対処集

この記事の検証環境

RTX 5090(32GB)/ Ryzen 9 9950X3D / 128GB / Windows 11 / Strata v0.2.8 / 構成案は公式の資料の数字から整理(筆者の実測はこの1構成だけ)/ 2026年10月31日
これまでの検証の一覧はこちら

検証メモ

根拠の区分

  • [一次]:公式の資料(Strata の README・docs など)にある内容
  • [二次]:Reddit などの第三者の情報
  • 自己申告:作者や投稿者が自分の環境で測って公表した数字。筆者は確かめていません

実測の条件

  • 2026年10月31日、RTX 5090/RAM 128GB/Win11、Strata v0.2.8、コンテキスト128K
  • temperature 0、reasoning_effort none。クライアント側で測った値で、Q2_0 と IQ3_S を各3回
  • 案A・案B の構成は、筆者は試していません。3案は公式の資料の数字をこの記事で分類したものです

未確認のこと

  • PCやパーツの価格
  • 日本語の品質
  • RAM 48GB、VRAM 8GB や 6GB のカードでの速度

参考リンク

この記事を書いた人
こまたろ

画像生成 AI に興味を持ったのがきっかけで、3年ほど前から ComfyUI を触っています。始めたころは今ほど情報がそろっておらず、何時間もかけて整えた環境が翌日のアップデートで動かなくなったこともありました。

KOBO Lab は、自分の学び直しと、これから ComfyUI を始める人が同じところでつまずかないようにと思って始めたサイトです。初心者も中級者も、迷ったときに開くサイトを目指しています。

検証は、RTX 5090 を積んだ自作 PC 1台で、実際に動かして確かめています。作業を楽にするための自作ツールも作っています。

記事は、運営者自身の経験と検証をもとに、Claudeで下書きを作り、GrokボットとMuseでも添削や確認をして仕上げています。

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