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使ったソフトとモデルは、すべて無料で入手できます。試した環境の一覧は検証の記録にあります。
H3 Dials は、MiniMax H3 の「動きの量」や「不気味さ」などを、約14KB のダイヤルで強めたり弱めたりするノードです。motion ダイヤルを −2 から +2 まで回すと、浜辺の犬は「波まで止まる」から「全力で走る」まで変わりました。
フレームの差で測った動きの量は、0 を1とすると −2 で約0.3倍、+1 で約3.8倍、+2 で約9.6倍でした。追加の時間はほぼなく、自分のダイヤルも学習なしで作れました。所要時間は30分ほど、難しさは中級です。
先に結論(今回のテスト条件で)
| motion ダイヤル | 見た目 | 動きの量(フレーム差の平均) | 時間 |
|---|---|---|---|
| −2 | 犬は座ったまま、波もほぼ止まる | 0.40(0 の約0.3倍) | 23.3秒 |
| −1 | 座ったまま。波は少し動く | 1.35 | 23.5秒 |
| 0(なし) | 座って海を見ている | 1.17 | —(1回目は読み込み込み 413秒) |
| +1 | 波打ち際を歩く | 4.49(約3.8倍) | 23.9秒 |
| +2 | 走り回り、カメラも振れ、大きな波 | 11.29(約9.6倍) | 23.9秒 |
Pika H3 Flex(6ステップ、lcm)、864×480、124フレーム、シード 42、プロンプトは「晴れた浜辺のゴールデンレトリバー、固定カメラ」。時間はモデルを読み込んだあとの ComfyUI の実行時間です。
H3 Dials とは?
matlowai/ComfyUI-Dials は、2つのプロンプトの差(「静止している」と「走っている」など)から、H3 を動かす方向を取り出して、強さを数字で足し引きするノードです(コードは AGPL-3.0)。LoRA のように学習はせず、ダイヤル1つは約14KB です。
配布のダイヤルは MATLOWAI/H3-Dials とリポジトリの dials フォルダーにあり、motion(動き)と、sinister・dread・creepy などの「悪役」系8種、実験的なダイヤル10種があります。作者は「LoRA は“何を”、ダイヤルは“どれだけ”」と説明しています。
motion ダイヤルを回す

−2 では、犬は座ったまま、波もほとんど動かない、写真に近い動画になりました。README の「シネマグラフのような、ほぼ止まった場面」のとおりです。+1 では犬が歩き出し、+2 では走り回って、カメラも大きく動きました。
強さを変えると、同じシードでも構図そのもの(犬の向き、背景の岩)が変わりました。作者も、Pika H3 Flex では +1.5 以上で場面が組み替わると書いています。作者の README は +2 を「元の約2.5〜3倍」としていますが、今回のフレーム差ではそれより大きく出ました。カメラの動きや大きな波が加わったためです。
自分のダイヤルを作る
付属の dial_maker_h3 のワークフローで、「止まっている/激しく動いている」の文のペア2つと、人物・動物の主語4つから、ダイヤルを作りました。
dial 'kobo_motion_test' (post_refiner, token_refiner): 8 pairs, pair agreement cos 0.818, |dial| 67.2;
debias removed 1% of the raw dial (generic wording shift)
8組の文から、ペアの向きのそろい具合(pair agreement)0.818 のダイヤルができ、そのまま +2 で動画を作るところまで91秒でした。作者の motion ダイヤル(24組)の 0.78 と同じくらいの値です。
導入
cd ComfyUI\custom_nodes
git clone https://github.com/matlowai/ComfyUI-Dials
追加のパッケージは要りません。ダイヤルのファイルは、models/loras/dials/ に入れます(リポジトリの dials フォルダーをコピー)。
Windows での注意:付属のワークフロー(API 版)は、ダイヤルの名前が dials/h3_motion.safetensors と / 区切りで書かれていて、Windows では「Value not in list」で止まりました。ノードでダイヤルを選び直すか、dials\h3_motion.safetensors に直すと動きます。
H3 と Pika H3 Flex の導入はH3 の導入編とPika H3 Flex の記事で説明しています。新しいダイヤルの道具(Word Dials など)は、同じ作者の ComfyUI-MAINodes に移っているとされています(今回は試していません)。
商用で使える?
コードは AGPL-3.0 です。ダイヤルの重みは、MiniMax H3 Community License の派生物(Model Derivative)と明記されていて、H3 本体と同じ条件(地域の制限、表示の義務)に従います。
よくある質問(FAQ)
Q. H3 Dials とは?
MiniMax H3 の動きの量や雰囲気を、約14KB のダイヤルで強めたり弱めたりする ComfyUI のノードです。学習は要らず、2つのプロンプトの差から作ります。
Q. motion ダイヤルの効き方は?
Pika H3 Flex で、−2 は波まで止まり、+1 で歩き、+2 で走り回りました。フレーム差で、−2 は約0.3倍、+2 は約9.6倍でした。
Q. ダイヤルで遅くなる?
ほとんど変わりません。5秒の動画が、ダイヤルの強さにかかわらず約24秒でした。
Q. Windows で Value not in list と出るのは?
付属のワークフローのダイヤル名が / 区切りのためです。ノードで選び直すと動きます。
まとめ
H3 Dials は、14KB のファイルとスライダー1つで、H3 の動きの量をはっきり変えられました。強くすると構図まで変わるので、+0.5〜+1 あたりが使いやすい範囲です。
motion は +0.5〜+1 から。止めたい場面は −2。
検証メモ
- 設定:付属の dials_pika_h3_flex のワークフローで、プロンプトと大きさ(864×480、124フレーム)を変え、motion の強さだけを変えました。dread は 0 のままです。
- 動きの量:動画を 216×120 の白黒にし、前後のフレームの差の平均をとりました。カメラの動きも含みます。
- ダイヤル作り:dial_maker_h3 のワークフロー(H3 本体、20ステップ、res_multistep)の既定の文のペアで、名前と動画の大きさだけ変えました。91秒は、ダイヤル作りと +2 での動画生成を合わせた時間です。
- 試していないこと:悪役系のダイヤルと対話音声への影響、de-rope との組み合わせ、Word Dials、placebo(意味のないペア)との比較、シードを変えた比較。

