この記事について(広告・アフィリエイトリンクはありません)
使ったモデルとノードは、すべて無料で入手できます。試した環境の一覧は検証の記録にあります。
H3 Continuity Studio の「視覚メモリ」を使うと、カットを変えた次のショットでも、前のショットと同じ部屋が描かれました。 メモリを切ると、ソファや鏡はあっても、窓や暖炉の位置が違う別の部屋になります。シードを変えた2組とも同じ結果でした。
H3 Continuity Studio は、MiniMax H3 で複数のショットをつないだ動画を作るための ComfyUI のノードパックです。作者は KadoBOT さんで、コードは MIT ライセンスです。
先に結論(今回のテスト条件で)
| 2本目のショット | 部屋のつくり(2組中) | 2本目の生成時間 |
|---|---|---|
| 視覚メモリあり(1本目の17・68コマ目を指定) | 2組とも1本目と同じ配置 | 117秒・141秒 |
| 視覚メモリなし | 2組とも別の部屋 | 38秒・69秒 |
1024×576、124コマ(約5秒)の生成です。メモリを使うと、参照する動画を読み込む分だけ時間が延びました。
視覚メモリで何が変わる?
作者が配っているデモ(memory_demo.json)の、1本目「部屋」と5本目「別アングル」だけを使いました。2本目はカット(cut)で始まるので、1本目の映像の続きとしてはつながりません。違いは、1本目の17コマ目と68コマ目を「記憶」として渡すかどうかだけです。

メモリありでは、太陽の形の鏡、その下の黒い暖炉、右の本棚と白いドア、緑のソファが、1本目とほぼ同じ位置に描かれています。
メモリなしは、プロンプトにある家具はそろっていても、暖炉が白くなったり、ドアが左に移ったりと、部屋のつくりが変わりました。2つのシードで、それぞれ別の部屋です。
導入の手順
ComfyUI-H3-Continuity-Studio を ComfyUI\custom_nodes に入れ、追加のパッケージ(jsonschema)を入れます。カスタムノードの入れ方はこちら。
cd ComfyUI\custom_nodes
git clone https://github.com/KadoBOT/ComfyUI-H3-Continuity-Studio.git
..\..\python_embeded\python.exe -m pip install -r ComfyUI-H3-Continuity-Studio\requirements.txt
MiniMax H3 のモデル一式が必要です。入れ方はMiniMax H3 を ComfyUI で使う方法にあります。
つまずいたところ
Studio の作り付けの設定(native-turbo4)は、作者の環境のファイル名で書かれています。minimax-h3\ というサブフォルダーに置いた前提で、4ステップの LoRA も、筆者の手元にない名前でした。
そのまま起動すると、使える状態の印が付きません。筆者は、設定ファイルを ComfyUI\user\__h3c_api\profiles\configured に写し、手元のファイル名に書き換えて使いました。LoRA は lightx2v の FL2V 4ステップ版(v1.2)に替えています。
作者の例のワークフロー(h3_story_studio.json)は、静止画を作る部分で別のノードパック(Fizgig)も使います。今回は動画の部分だけを、Studio の HTTP の仕組み(Timeline API)から動かしました。タイムラインで長尺を作るノードはTimelineDirector の記事で試しています。
- 今回の2ショットのタイムライン(JSON)作者のデモから部屋と別アングルの2本を抜き出したものです。Studio のタイムライン JSON の欄に貼り付けて使います
RTX 5090 以外の人へ
今回は --reserve-vram を変えた簡易テストをしていません。MiniMax H3 本体を動かすのに必要な VRAM の目安は、H3 の導入記事で測っています。視覚メモリは参照する動画を追加で読み込むので、メモリなしより負荷は増える前提で考えてください。VRAM が足りないときの対処はこちらにまとめています。
商用で使える?
ノードパックのコードは MIT ライセンスです。作者の説明では、MiniMax H3 のモデル本体とプロンプトのガイドは、MiniMax の規約に従います。H3 の規約の中身はH3 の導入記事で原文から読んでいます。公開版には、そのプロンプトガイドは含まれていません。
今回使った 4ステップの LoRA(lightx2v の FL2V 4ステップ v1.2)は、Hugging Face の配布ページにライセンスの表示がなく、「リポジトリのライセンスに従う」とだけ書かれています。案内先の GitHub リポジトリ(ModelTC/Minimax-H3-Turbo)は Apache-2.0 ですが、LoRA の重みにも同じ条件が当てはまるかは確認できていません(未確認)。
よくある質問(FAQ)
Q. H3 Continuity Studio の視覚メモリとは?
前のショットの決めたコマを「記憶」として次のショットに渡す機能です。今回の検証では、カットで別アングルにしても、前のショットと同じ部屋のつくりが保たれました。
Q. 視覚メモリを使うと遅くなる?
今回の 1024×576、124コマでは、2本目の生成がメモリありで117秒と141秒、なしで38秒と69秒でした。
Q. H3 Continuity Studio で「ready」にならないのはなぜ?
作り付けの設定が、作者の環境のファイル名とフォルダーで書かれているためです。手元のファイル名に合わせた設定ファイルを、ComfyUI の user フォルダーに置くと使えました。
Q. H3 Continuity Studio のストーリー機能は無料で使える?
ノードパックは無料ですが、ストーリーを書く機能は OpenAI 互換の言語モデルの接続先が別に必要です。今回は試していません。
まとめ
同じ場所でカットを割ると、H3 は毎回少し違う部屋を描きがちです。H3 Continuity Studio の視覚メモリは、その部屋の見た目を次のショットに持ち越せました。
同じ場所の別アングルにだけ使う。 時間は延びますが、つなぎの違和感を減らせます。
検証メモ
- 素材:作者の memory_demo.json の「room」(141コマ)と「angle」(124コマ)。プロンプト、シード、メモリに使うコマ(17・68)は作者のままです。2本目のシードだけ 73417 と 73420 の2通りにしました。
- 設定:1024×576、24fps、引き継ぐ文脈 39コマ、音声の引き継ぎなし。4ステップ、euler、simple、シフト 12(映像)と 3(音声)。テキストエンコーダーは qwen3vl_32b_minimax_h3_nvfp4_awq、VAE は映像 int8・音声 fp32 です。
- 時間:ComfyUI のログの実行時間です。1本目の最初の生成はモデルの読み込みを含めて 544秒でした。回数が2回ずつなので、時間の差は目安です。
- 判定:部屋のつくりは筆者の目視で、鏡・暖炉・本棚・ドア・窓の位置を見ました。
- 未確認のこと:Timeline Studio の画面での操作、ストーリー機能、ブリッジ(つなぎのショット)、作者の4ステップ LoRA(ckpt850)、lightx2v の LoRA のライセンス原文、VRAM、ほかの解像度。

