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使ったモデルと拡張機能は、すべて無料で入手できます。試した環境の一覧は検証の記録にあります。
Anima-3.8B v1.1 は、複数の人物や物の描き分けで、今回いちばん指示どおりに描けました。 3つのプロンプトをシード5つずつ作り、公式の Anima と Anima-2.9B と比べた結果です。そのかわり、1枚の時間は公式の Anima の約2.6倍、使う VRAM は約2倍でした。
Anima-3.8B は、Anima-2.9B の層を増やして約3.8B(38億パラメーター)にした派生モデルです。作ったのは lylogummy さんで、Anima の公式(CircleStone Labs)のモデルではありません。
先に結論(今回のテスト条件で)
| 見たところ(各5枚) | Anima(公式 base) | Anima-2.9B preview | Anima-3.8B v1.1 |
|---|---|---|---|
| 2人の髪・服・左右・手つなぎ | 5 | 5 | 5 |
| 猫3匹と段ごとの色 | 4 | 4 | 5 |
| 傘の場面で服の色が合う | 4 | 3 | 5 |
| 男の子が傘を手渡している | 0 | 1 | 3 |
| 1枚の時間(中央値) | 6.4秒 | 8.6秒 | 16.4秒 |
| 増えた VRAM(最大) | 8.8GB | 7.7GB | 16.5GB |
数字は5枚中いくつ指示どおりだったかで、判定は筆者の目視です。3つのモデルは、それぞれの推奨に近い設定で作っているので、まったく同じ条件ではありません。
描き分けはどのくらい変わる?
2人の描き分けは差がなかった
「左に赤い長い髪で青いワンピースの子、右に短い黒髪で黄色いレインコートの子、手をつないでいる」という指示です。

3つとも、髪の色、服、左右、手つなぎが5枚すべてで合っていました。この程度の指示なら、公式の Anima でも描き分けられます。
複数キャラのプロンプトの書き方は、Anima で複数キャラを描き分けるプロンプトでも試しています。
猫の数は 3.8B だけ5枚とも合った
「棚の上段に黒猫、中段に白猫、下段に茶トラ」の3匹を描かせました。

色と段の対応は3つとも合っていました。違いが出たのは数です。シード44では、公式の Anima と 2.9B が茶トラを2匹描いて4匹になりました。3.8B は5枚とも3匹です。

動きの指示は 3.8B がいちばん通った
「男の子が女の子に赤い傘を手渡している。女の子は緑のコート、男の子はグレーのパーカー」という指示です。

公式の Anima は、5枚とも男の子が傘をさしているだけで、手渡しにはなりませんでした。後ろ姿が3枚あり、1枚は男の子の服が黒い上着です。
3.8B は、5枚中3枚で傘の柄を女の子に向けて差し出していました。服の色も5枚すべて合っています。
時間と VRAM はどのくらい増える?
832×1216 で、1枚目(モデルの読み込みを含む)を除いた中央値です。
| モデル | 設定 | 1枚の時間 | 増えた VRAM(最大) |
|---|---|---|---|
| Anima(公式 base) | 30ステップ、CFG 4、er_sde、simple | 6.4秒 | 8.8GB |
| Anima-2.9B preview | 同上 | 8.6秒 | 7.7GB |
| Anima-3.8B v1.1 | 40ステップ、CFG 6、res_multistep、beta | 16.4秒 | 16.5GB |
3.8B はステップ数も多いので、時間の差はモデルの大きさだけによるものではありません。設定は、配布元のワークフロー(workflow_1.1.json)に合わせました。
Anima-2.9B の増えた VRAM(7.7GB)が公式の Anima(8.8GB)より小さいのは、モデルの大きさから見ると逆ですが、理由は確認できていません。この値は GPU 全体の増分で、モデルごとに分けて測ったものではありません。
3.8B は、文章の読み取りに Qwen3.5 4B という大きめのテキストエンコーダーを追加で使います。配布元の説明では、プロンプトを読み終えたらメモリーから外す作りです。
ComfyUI での導入の手順
拡張機能を入れる
3.8B は、ComfyUI 本体だけでは読み込めません。配布元が案内している拡張機能 comfyui-anima-3-8B(MIT ライセンス)を、ComfyUI\custom_nodes に入れます。コードを読んだ範囲では、外部への通信やコマンドの実行はありませんでした。
cd ComfyUI\custom_nodes
git clone https://github.com/GumGum10/comfyui-anima-3-8B.git
ほかのカスタムノードの入れ方はカスタムノードの入れ方にまとめています。
モデルを置く
| ファイル | 大きさ | 置き場所 |
|---|---|---|
| Anima-3.8B-v1.1.safetensors | 8.8GB | models\diffusion_models |
| qwen35_4b.safetensors | 4.8GB | models\text_encoders |
| qwen_3_06b_base.safetensors | 1.2GB | models\text_encoders |
| qwen_image_vae.safetensors | 254MB | models\vae |
下の2つは公式の Anima と同じファイルです。Anima を使っている人は、上の2つを足すだけで動きます。
配布ページのフォルダー名は「difussion_models」と綴りが違います。ファイルを探すときは、この名前のフォルダーを開いてください。説明文には Anima-3.8B-v2.safetensors という名前もありますが、今回置かれていたのは v1.1 のファイルでした。
ワークフロー

ノード名の「anima.3-8B-v2」は、拡張機能 comfyui-anima-3-8B が付けている名前です。v1.1 のファイルも、このノードで読み込みます。
配布元のワークフローは、ほかのカスタムノード(Easy-Use など)も使っています。下で配っているのは、3.8B の拡張機能と本体のノードだけで組み直したものです。
- Anima-3.8B v1.1 のワークフロー(JSON)ComfyUI にドラッグして読み込みます。comfyui-anima-3-8B が必要です
RTX 5090 以外の人へ
RTX 5090 で --reserve-vram の値を変え、VRAM が少ない環境を想定した簡易テストをしました。--reserve-vram は OS などのために VRAM を残しておく設定で、容量そのものを制限する機能ではありません。実際の 8GB・12GB の GPU での動作を再現・保証するものではない点に注意してください。
| 想定 | --reserve-vram | 生成 | 2枚目の時間 | 増えた VRAM(GPU 全体) |
|---|---|---|---|---|
| 指定なし | なし | できた | 16.4秒(中央値) | 16.5GB |
| 12GB 程度 | 20 | できた | 16.3秒 | 9.5GB |
| 8GB 程度 | 24 | できた | 18.9秒 | 8.7GB |
VRAM が足りないときの対処はVRAM が足りないときの対処法にまとめています。
商用で使える?
Anima-3.8B のモデルカードには「元の Anima と Anima-2.9B のライセンスに従う」と書かれています。公式の Anima のライセンスは CircleStone Labs の非商用ライセンスで、モデルそのものは非商用です。生成した画像は商用を含めて使えます。
ライセンスの中身はAnima の使い方で原文から読んでいます。拡張機能 comfyui-anima-3-8B のコードは MIT ライセンスです。
よくある質問(FAQ)
Q. Anima-3.8B と公式の Anima の違いは?
3.8B は Anima-2.9B の層を増やした派生モデルで、Qwen3.5 4B のテキストエンコーダーを追加で使います。今回の比較では、3つ以上の物や動きの指示で公式の Anima より指示どおりに描けました。作者は公式の CircleStone Labs ではありません。
Q. Anima-3.8B を ComfyUI で使うには?
拡張機能 comfyui-anima-3-8B を custom_nodes に入れ、Anima-3.8B-v1.1.safetensors と qwen35_4b.safetensors を置きます。テキストエンコーダーの qwen_3_06b_base と VAE は公式の Anima と同じものです。
Q. Anima-3.8B は遅い?
RTX 5090 の 832×1216、40ステップで1枚約16.4秒でした。公式の Anima(30ステップ)は約6.4秒です。
Q. Anima-3.8B は VRAM 8GB でも動く?
RTX 5090 で --reserve-vram を 24 にした簡易テストでは生成でき、2枚目は18.9秒でした。実際の 8GB の GPU で試したわけではありません。
Q. Anima の古い LoRA は 3.8B で使える?
層の数が違うため、そのままではずれます。層を対応づけ直す拡張機能(ComfyUI-Anima-Remap)がありますが、今回は試していません。
まとめ
Anima-3.8B v1.1 は、人や物が増えたときの数や動きの指示に強くなっていました。2人の描き分けまでなら、公式の Anima で足ります。
時間は約2.6倍、VRAM は約2倍。 指示どおりに描けないときの次の手として試すのがおすすめです。
検証メモ
- 本数:3つのプロンプト×シード 11・22・33・44・55×3モデルの45枚です。プロンプトの先頭に masterpiece, best quality, score_7, safe を付け、ネガティブに nsfw などを入れました。
- 設定:公式の Anima と 2.9B は KOBO Lab の Anima の記事と同じ設定、3.8B は配布元の workflow_1.1.json の設定です。ステップ数と CFG が違うので、同じ条件の比較ではありません。
- 判定:「手渡している」は、傘の柄が相手に向けて差し出されているかで見ました。後ろ姿で手元が見えない絵は「合っていない」に数えています。
- 時間と VRAM:時間は ComfyUI の実行開始から完了まで。VRAM は Windows ではプロセスごとの量が取れないので、ComfyUI を起動する前と比べた GPU 全体の増分です。
- 未確認のこと:古い LoRA を 3.8B に使うためのリマップ(ComfyUI-Anima-Remap)、Qwen3.5 4B を使わない場合との差、文字入れ、ほかの解像度、実際の 8GB・12GB の GPU。

